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Bリーグ:海外ファン獲得に向けた情報発信、海外放映権の販売

2022.07.20

海外ファン獲得に向けたSNS運用

バスケットボール男子Bリーグはアジア展開に向けた取り組みを本格化させており、海外ファン獲得に向けたSNS運用、海外向けライブ配信(Facebook Live、YouTube Live)、海外リーグとのパートナーシップ締結等に加え、フィリピンでは海外放映権を販売するなど、積極的に取り組みを進めている。

展開コンテンツ放映権(放映権ビジネス)
展開先フィリピン

目の当たりにした、試合ライブ配信のインパクト

Bリーグがアジア展開に向けた取り組みを本格化させたきっかけは、2017年〜2018年に東アジアスーパーリーグ(EASL)が主催するマカオでの大会にBリーグからも参画した際に、中国、フィリピンでの試合配信のインパクトの大きさを目の当たりにしたことである。

以降、Bリーグとしてアジア戦略の一環としてアジアの有力選手を日本に呼び込むことを目的に、2019年に外国籍選手ルールを変更し、「アジア特別枠」の導入を決定(対象国は中国、韓国、台湾、フィリピン、インドネシア)。2020-2021シーズンよりアジア特別枠の運用を開始し、2021-2022シーズンでは5か国から計13選手がアジア特別枠選手として参戦している(フィリピン8、中国2、台湾1、インドネシア1、韓国1)。

加えて、国内だけでなくアジアでのファン獲得に向け、海外向けのSNS運用(Facebook、Instagram、YouTube)や海外在住のコメンテーターを起用した海外向け英語ライブ配信(Facebook Live、YouTube Live)、各国メディアパートナー選定等様々な取り組みを推し進めている。英語版Facebookのフォロワーは20万人超で、YouTubeチャンネルも17万人超と、海外でも関心を集めている。

また、Bリーグに多くのフィリピン選手が参画し、代表スター選手でもあるキーファー・ラベナ選手(滋賀レイクスターズ)、サーディ・ラベナ選手(三遠ネオフェニックス)兄弟をはじめ、多くの若手有力選手が加入したこともあり、放映権をフィリピンの現地メディア「Tap Digital Media Ventures」に販売。2021-2022シーズンは開幕戦を含む51試合をフィリピン国内で独占放送し、地上波、ケーブル(有料)、インターネットで配信を予定している。

フィリピン現地メディア「Tap Digital Media Ventures」

安定したリーグ運営と積極的なデジタル展開で、海外選手・ファンを巻き込む

アジア特別枠の導入を契機にアジア各国のトップクラスの選手が所属していることも、海外ファン獲得の大きな要素となっている。世界のバスケリーグにおいて、withコロナの中でも安定したクラブ経営が実現されていること、また住みやすい環境により選手の安心感を醸成していることもBリーグの強みであり、海外選手の巻き込みに繋がっている。

また、Bリーグは積極的なデジタル展開も実施している。1プレー10秒程度でプレー種類(ダンク、3pt、アシスト、ブロックなど)の多様な組み合わせが可能というデジタルコンテンツ向きの競技特性を活かし、オンライン写真ライブラリ、映像アーカイブ&自動ハイライト生成等のデジタルアセットを整備し、広報等に活用してもらうようチームや海外メディアに対しても公開、共有している。このような積極的なデジタル展開も、海外での幅広いファン獲得のポイントとなっている。

スポンサーシップやマーチャンダイズなどへの事業拡大

Bリーグは、今後スポンサーシップメニューの開発も進めていく。例えば、スポーツの事業領域に関わらずクロスボーダーの企業、特にフィリピン市場での事業展開に関心を持つ企業を対象に、Bリーグの持つ現地ネットワーク、知名度を生かしてリーグをハブにしてスポンサー企業の現地でのネットワーキング、販促活動の支援を行う形などが検討されており、ニーズ調査を進めている。

また、マーチャンダイズについても販売の仕組みの検討を進めており、越境ECサイトの準備や現地の販売パートナー企業(店舗・オンライン)の探索を進めている。その他、フィリピン以外の国への放映権販売の拡大や、欧米、オーストラリアへの展開強化を目指す等、Bリーグとして引き続き積極的な海外展開に係る取り組みを進めている。

テクノロジーを活用して海外展開を推進

◇担当者コメント

Bリーグは2016年に開幕し現在6シーズン目、海外事業については開始して2年目で、潤沢なリソースを投入しているわけではないですが、各国のトップ選手という強力なコンテンツを、複数の最新テクノロジーを活用して海外に展開しファンを獲得しています。新型コロナウイルス感染症の状況下、リアルに海外展開するのはハードルが高いですが、デジタル領域ではテクノロジーを活用することで海外展開を目指しやすい状況ができてきていると思います。

B.LEAGUE 国際事業グループ マネージャー 斎藤千尋氏


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※所属・肩書等は2021年11月の取材当時のものです

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