欧州、アジアにおけるニーズを取り込んだ現地仕様のリカバリーウェアの製造・販売(ベネクス)

リカバリーウェアの利用イメージ

べネクスは、休養・睡眠時専用の「リカバリー(疲労回復)ウェア」を開発。2015年から、欧州(ドイツ、スイス)、アジア(中国、台湾)にて、現地のニーズを反映させた現地仕様のリカバリーウェアの販売を開始し、現地のバイヤーからも高い機能性と独自性に対して高評価を得ている。

欧州(ドイツ・ミュンヘン)では現地法人を立ち上げたほか、中国では現地パートナー企業と共同出資しているディストリビューターを通して事業展開を行っている。今後も、これまでの実績を元に主にドイツ語圏(ドイツ、スイス、オーストリア)において事業拡大を目指している。

展開コンテンツ休養・睡眠時専用の「リカバリー(疲労回復)ウェア」(スポーツ用品の製造・販売)
展開先欧州(ドイツ、スイス)、アジア(中国、台湾)

展示会での金賞受賞が欧州展開の契機に

ベネクス社は元から欧米での事業展開を検討していたが、製品の価格帯と現地の国民性から、欧州への展開に注力している。べネクスのリカバリーウェアは、鉱物を練りこんだオリジナル特許繊維を使用し、リラックス状態に働く副交感神経を優位にし、筋肉を弛緩させ、血流を良くする機能を搭載していることから、価格帯が高く設定されている。また、欧州はより機能性を重視する、いいモノにはお金をかける国民性があるため、ベネクス社の製品との相性も良く事業展開のポテンシャルがあるのではないかと考えた。

欧州展開のきっかけは、2013年に、ドイツで開催される世界最大規模のスポーツ用品の展示会「ISPO(イスポ)」に出展し、最高賞「ゴールドウィナー」(アジアプロダクト部門)を獲得したことである。ISPOは各国のスポーツメーカーが出展し、世界100か国以上の国々から来場者が集まる世界最大規模の展示会である。これをきっかけにドイツ現地での販売契約に係る引き合いを得るようになり、商談を重ねて現地での販売契約締結に至った。

2014年にドイツ・ミュンヘンに100%子会社の現地法人を設立し、現地での本格的な事業展開にとりかかった。ミュンヘンでの現地法人設立は、同市が欧州におけるスポーツ用品市場の中心地であること、周辺国へのアクセスが良い点等が理由である。なお、現在は現地企業に事業譲渡をし、パートナー企業として連携している。

現地コミュニティに入り込んでネットワーキング

海外展開の主な成功要因の一つは、しっかりと現地のコミュニティに入り込んだことだろう。欧州では日本企業、日本人のバックグラウンドを把握していないケースがほとんどであるため、長い期間をかけてパートナー企業などとの信頼関係を構築していく必要がある。その中で現地法人を設立し、数年にわたり地に足をつけて事業を展開している実績も、現地の企業や人々から信用を獲得するのに有効に働いた。

加えて、人的ネットワークの面では、ISPOをきっかけに知り合った現地人材を介して現地での人脈を拡大。欧州の国民性として、信頼するまでに比較的時間がかかる一方、一度信頼を得た後は深い付き合いを継続する傾向にあるという。また、欧州では、特にベネクス社におけるネットワーキングでは博士の学位が決裁権を持つ責任者との信頼関係構築の要素にもなっており、ベネクス担当の片野氏も博士の学位を有していたことが有効に働いていたようである。

現地での事業展開にあたり、日本からは渡った担当者は片野氏一人。現地法人を運営していくための現地人材採用は、海外展開企業において共通の課題となることが多いが、ベネクスの場合は、現地のネットワークを介して人材を紹介してもらい、採用することができた。

また、トップアスリートやスポーツチームとの連携もマーケティングにおいて有効だった。ドイツでは、現地人材からの紹介により、水泳連盟やアイスホッケーナショナルチーム、オリンピックナショナルトレーニングセンターなどと契約し、ウェアを提供していた。

現地のニーズを取り入れた商品企画とマーケティング

欧州市場はファッションへの感度が高いことに加えて、気候の違いや、日本人との体型の違いもあるため、べネクスのウェアも現地仕様で、現地生産としている(日本から鉱物を練りこんだ特殊な繊維のみを輸出し、現地でその繊維を用いて商品を生産している)。

また、現地のデザイナーを採用し商品企画を行うことで、現地の人に求められるデザイン面も考慮した製品開発が行われている。アジア圏では、日本製の商品・サービスに対するリスペクトも大きく、評価されることも多いが、特に欧州ではそのような日本ブランド効果が働きにくいため、いかに現地のニーズをくみ取り、現地の人に気に入ってもらうか、が重要となる。そこで、日本の高い技術を有した、現地で生産された質の良い商品とサービスが受け入れられるカギとなった。

なお、今後もドイツ語圏(ドイツ、スイス、オーストリア)をターゲットに事業拡大を目指している。

現地の状況を把握するパートナーの探索

◇担当者コメント

市場には様々な価値を有するブランドがすでに多く存在しています。新規参入におけるブランド価値や機能的差別化を最大限に表現するための最良のフィールドを現地で見つけだすことが重要です。そのためには、現地の状況を把握するパートナーは不可欠で、自身がこの人、あるいは、この企業と思えるパートナーを見つけ出すことができるかが大きな扉のカギになると考えています。

株式会社ベネクス 副社長 博士(医学) 片野秀樹氏


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