サッカーには多くの用語が使われているため、その全てを理解している方は少ないでしょう。
しかし、用語の意味を知れば、観るのもするのもより楽しくなるもの。
本記事では、数あるサッカー用語の中から「バイタルエリア」について、詳しく解説します。
バイタルエリアとは何か?
「バイタルエリア」とは、攻撃側がゴールのチャンスを作りやすいエリアのこと。
守備側にとって、特に注意が必要なエリアであることから、攻撃側・守備側共に重要なエリアといえます。
攻撃側がゴールのチャンスを作りやすいエリア、というと、アタッキングサードやペナルティエリアを思い浮かべる方もいるでしょう。
それぞれのエリアとの違いについても見ていきます。
バイタルエリアの場所
バイタルエリアが位置するのは、ペナルティの近く。
ペナルティエリアを横幅に、選手のポジショニングなどによって変動するディフェンダーとミッドフィルダーの間を縦幅としたエリアのことをいいます。
アタッキングサードとの違い
よくバイタルエリアと混同されがちなアタッキングサードですが、アタッキングサードとはフィールドを3分割した時の相手ゴール側のこと。フィールドの場所を表す名称です。
一方、バイタルエリアとは、試合の流れによって変動する選手間のスペースのことをいいます。
ペナルティエリアとの違い
ペナルティエリアとは、ゴール前の幅40m、縦16mの範囲、つまり、ゴールキーパーが手でボールを触ってもいいエリアのこと。
バイタルエリアもペナルティエリア付近であることに違いはありませんが、ラインなどで区切られた範囲ではなく、得点に繋がりやすいエリアのことをいうため、ペナルティーエリアとは異なる、ということを理解しておきましょう。
バイタルエリアを使った攻撃の仕方
前述したとおり、バイタルエリアは得点につながる重要な場所。守備は特に注意して守りに入るので、攻撃する側にも戦術と技術の両方が必要です。
攻撃時におすすめなのが
- パスとドリブルを使って中央から侵入する
- ドリブルを使ってサイドから侵入する
の2つ。
まず、パスとドリブルを使って中央から侵入する場合、ドリブルで相手チームを欺くことで、守備体制を崩し、そこから一気にパスでゴールにつなぐといいでしょう。
そして、ドリブルを使ってサイドから侵入する場合には、侵入後のプレーの選択肢が多くある相手チームのサイドバックとサイドハーフの縦のスペースからの侵入がおすすめです。
ゴールを決めるために、侵入する際から逆算してプレーすることが大切です。
バイタルエリアで活躍するポジション
バイタルエリアで活躍するのは、主に以下のポジションの選手です。
- ワントップ
- ツートップ
- セカンドトップ(ST)
- オフェンシブミッドフィルダー(OMF)
このエリアでは、得点するために相手チームを翻弄する動きをしなければなりません。そのため、動き出すタイミングを見計らい、味方チームからのパスを受けやすいように動くことが不可欠。相手チームのディフェンスをゴールから離れた位置まで誘引することで、スペースを広げることができます。
OMFは、さまざまな種類のパスを駆使してアシストを決めたりシュートしたりと、広い視野を持って動くことが重要です。
バイタルエリアでの注意点
バイタルエリアでは、攻撃の目的を理解すること、そして、目の前のディフェンダーではなく、ゴール前にいる味方とゴルフキーパーを見ながらドリブルすることが重要です。
また、相手チームの守備戦術をふまえて逆算し、ゴールを奪うための戦術を立てることが不可欠です。
バイタルエリアを守るためには
ここまで、バイタルエリアでの攻撃側の戦術について解説してきましたが、ここからはバイタルエリアの守り方について解説していきます。
このエリアはゴール付近ということもあり、ディフェンス側の体制が崩れやすく要注意の場所。
守備側が徹底しなければいけないのは、以下の2つです。
- バイタルエリアにボールを入れさせない
- スペースをあけない
バイタルエリアにボールを入れさせないようにするには、パスコースを相手に与えないことが重要です。
チームの選手と連携して重なり合わないようにポジションを取ることで、ボールを持っている攻撃側選手にプレッシャーを与えることができます。
また、センターバックとボランチとのスペースを狭め、バイタルエリアの幅を狭くすることも、ゴールを守るために必要です。
バイタルエリアでの注意点
バイタルエリアでの注意点として、ポジショニングによって、ボールを持っている選手からゴールを見えないようにしなければならない、ということが挙げられます。
また、守備側は攻撃側にプレッシャーをかけながら、タイミングを見計らってボールを奪うことを意識することも大切です。
相手チーム選手にかわされないようにすることを心がけましょう。
バイタルエリアでのプレーが得意な選手
バイタルエリアでのプレーが得意な選手として
- 仙頭啓矢選手
- 金森健志選手
- 玉田圭司選手
などが挙げられます。
どのような選手なのか、1人ずつ紹介します。
仙頭啓矢選手
仙頭選手は、京都サンガ、横浜Fマリノスを経て、現在、サガン鳥栖に所属し、ミッドフィールダーで活躍する選手です。
仙頭選手は、チーム全体が連携してゴールへ繋がるシチュエーションを多く作り出すことが得点に繋がると言っています。
金森健志選手
現在、アビスパ福岡に所属している金森選手のポジションは、フォワードとミッドフィールダー。
バイタルエリアでは、守備をしている時もボールを奪った後のことまで考えてプレーをすることや、パスを出すための視野の広さが重要だとしています。
玉田圭司選手
Jリーグ・V・ファーレン長崎に所属する玉田選手のポジションは、フォワードとミッドフィールダー。
玉田選手は、バイタルエリアでは、相手チーム選手と味方チーム選手の立ち位置を見て、自分のいるべき位置につくことを意識しており、ボールを受ける時は、スペースがある位置やスムーズなボール運びを考えてプレーすることが重要だとしています。
まとめ
本記事では、サッカーのバイタルエリアについて解説しました。
このエリアでの攻守の動きはゴールに直結するもの。したがって、守備・攻撃のどちらのケースでも綿密な戦術が大切となります。
本記事で紹介したバイタルエリアについての情報を理解することで、サッカーをすること・観ることがより楽しくなるでしょう。
(TOP写真提供 = Jannik Skorna / Unsplash.com)
《参考記事一覧》
バイタルエリアの攻略は相手の背後を狙いDFラインを下げさせる/RIP ACEの戦術的トレーニング2(COACH UNITED)
サッカーのバイタルエリアとは?用語の意味を解説!(スポジョバ)
【サッカー用語】バイタルエリアとは?崩し方と守り方をそれぞれ解説!(FootBlaze)
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