Jリーグクラブの中でも近年ビジネス領域で大きな変革を行っているのが、セレッソ大阪だ。2025年4月から新たな経営体制となり、ドイツ名門ボルシア・ドルトムントとのクラブパートナーシップも締結。香川真司や南野拓実といった才能を多数輩出してきた「育成力」をもとに、さらなる育成強化や国際化、事業推進に着手している。
そんなクラブに昨年「移籍」し、現在経営戦略を司る人物がいる。外資広告代理店を経てWEB企業でセールス・マーケティングの責任者として執行役員を務め、2025年12月にセレッソ大阪の経営統合本部へジョインした佐々木俊祐さんだ。異業種の最前線で活躍してきたプロフェッショナルは、なぜスポーツ業界を選んだのか。なかなか外からは分かりづらい「Jクラブの経営企画」の仕事内容とともに、本人に伺った。
◇佐々木 俊祐(ささき・しゅんすけ)さん
株式会社セレッソ大阪 経営統合本部 経営戦略グループ 主任
慶應義塾大学卒業後、外資広告代理店マッキャンエリクソンに就職。大手輸入車企業/証券会社のコミュニケーションプランニングに従事した後、BtoBマーケティングや採用に強みを持つ企業のベイジヘ転職。執行役員としてセールス・マーケティングの責任者を務めた。2025年12月から現職。
異業種転職でも「中に入ってビジネスを成長させる」
外資広告会社を経て、WEB企業でセールスおよびマーケティングの責任者を務めるなど辣腕を振るってきた佐々木さん。そんなビジネスの第一線で活躍してきた彼が、スポーツ業界へ目を向けたのは、ほんの2~3年前のことだ。
「前職在籍時に関東のJ1クラブから仕事の相談がありました。提案に向けてホームスタジアムを10数年ぶりに訪れたんですが、チケットの購買体験・演出の進化・来場前後の取り組みなどの変化に驚いた記憶があります。
もっと顧客心理が知りたいと思いすぐにハーフシーズンチケットを買って、スタジアムに行くだけでなくグッズを買ったりアウェイ遠征にも行くようになりました。その影響もあり次第に『この施策はどんな意図なのか』『自分だったらこうするかもしれない』と考えるようになり、スポーツを仕事にすることへ自然と興味が湧いてきました」(佐々木さん)
時を同じくして、当時の職場ではフルリモートワークが可能だったため、家族と兵庫県神戸市へ移住。「関西圏に住みながら、一度スポーツビジネスの世界に飛び込んでみたい」と考え始めた。
ただし一般的には、外資広告代理店や伸び盛りのWEB企業ほど報酬を出せるスポーツチームは少ない。年収減は承知の上だったが、それはいわゆる「サッカーが好きだから働けるだけでいい」という、感情優先の転職活動では決してなかった。
「スポーツクラブは稼いだ利益の大半をチームの強化費に投資する傾向が強いと思います。それは何よりも大切ですが、一方でそれ以外の領域への投資が後手になり、スタッフの給与水準が上がりにくい構造上の課題があるのは事実。異業種から転職すれば、年収が下がるのは仕方がないと理解していました。ただ、それを『仕方がない』で終わらせるのではなく、中に入ってビジネスを成長させ、自分たちの手でスタッフの給与を引き上げられるようにしていけばいいと考えていました」(佐々木さん)
「ランク売り」から脱却する、スポンサー営業改革
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