日本でも人気の高いフィギュアスケート。
その誕生は石器時代ともいわれています。
本記事では、そんな歴史の長いフィギュアスケートの成り立ちや、日本における歴史について解説します。
また、フィギュアスケートの魅力の一つである難易度の高いジャンプと、その生みの親もご紹介します。
フィギュアスケートの歴史
まずは、フィギュアスケートの起源とスポーツとしての歴史について見ていきましょう。
起源
フィギュアスケートの起源は、旧石器時代のヨーロッパ。
マンモスや馬、鹿などの骨や毛皮で作った履物で、物資や狩った獲物を運ぶために滑走していたことが始まりだとされています。
当時のスケート履は、動物たちのスネの部分に紐を通し、靴に縛り付けるという簡易的なもの。川などが凍ってしまい船が使えない冬の過酷な状況の中で、スケートは身近なものだったようです。
運河の建設によりスケート文化が広まる
中世のオランダやイギリスで運河が建設されたことをきっかけに、凍った運河の上を滑る人々が続出。これにより、スケート文化が広がります。
次第に娯楽として好まれるようになり、早く目的地に着くためにスピードを重視するスピードスケートと、滑り方の美しさや優雅さなどの芸術性を求めるフィギュアスケートとに分かれて発展していきます。
ちなみに、マリー・アントワネットやナポレオン1世や3世も、スケートを嗜んでいたといわれています。
スポーツとしてのフィギュアスケート
娯楽として発展してきたフィギュアスケートがスポーツ競技として洗練されたのは、19世紀、産業革命後のこと。
ヨーロッパで盛んにおこなわれるようになり、競技会が開催されるようになります。
1882年にはウィーンスケートクラブ主催で国際フィギュアスケート大会が、そして、1888年にはドイツ・オーストリアアアイススケーティング連盟が結成され、1891年にドイツハンブルグでヨーロッパフィギュアスケート選手権が開催されます。
1892年には国際スケート連盟が発足。そして、1896年に初めての世界選手権大会がロシアレニングラードで開催されました。
オリンピック種目として採用されたのは1908年のロンドンオリンピックから。
当時は夏季オリンピックで実施されていましたが、1924年のシャモニーオリンピックから冬季オリンピックでの採用となり、現在に至ります。
日本におけるフィギュアスケートの歴史
フィギュアスケートの存在が日本で知られたのは1865年のこと。
きっかけは海外の新聞記事だったとされています。
日本でのスケートの起源には諸説ありますが、一般的なのは、1877年前後に宣教師として来日したアメリカ人が、仙台市にある五色沼で伝えたという説です。
当時、スケート靴が手に入らなかったため、竹草履や下駄スケートなるものが作りだされ、それらを用いて滑走しました。
ちなみに、この下駄スケートは1906年に河西準乃助氏によって発明されたものであり、下駄に金属製ブレードを取り付けたものでした。
フィギュアスケートの型を生み出したのはバレエ教師
現在の『フリースケーティング』の原型は、アメリカでバレエ教師をしていたジャクソン・ヘイング氏によって生み出されたもの。
それ以前は、氷上でいかに正確に、美しく図形を描くことができるかを競い合っていましたが、ヘイング氏は、音楽に合わせてステップやスピンを組み合わせた滑り方を生み出したのです。
6種類あるジャンプの始まり
フィギュアスケートというと難易度の高いジャンプを思い浮かべる方も少なくないでしょう。
フィギュアスケートのジャンプは
- アクセルジャンプ
- サルコウジャンプ
- ループジャンプ
- フリップジャンプ
- ルッツジャンプ
- トウループジャンプ
の6種類があります。
フィギュアスケートの各ジャンプの誕生は下表のとおりです。
年 | ジャンプ名 | 初めて跳んだ選手 |
1882年 | アクセルジャンプ | アクセル・パウゼン |
1909年 | サルコウジャンプ | ウルリッヒ・サルコウ |
1910年 | ループジャンプ(リットベルガー) | ヴェルナー・リットベルガー |
1913年 | フリップジャンプ | ブルース・メープス |
1913年 | ルッツジャンプ | アロイス・ルッツ |
1920年 | トウループジャンプ | ブルース・メープス |
1920年 | 女子の1回転アクセル | ソニア・ヘニー |
1948年 | 2回転アクセル | ディック・バトン |
1952年 | 3回転ループ | バトン |
1955年 | 3回転サルコー | ロナルド・ロバートソン |
1962年 | 3回転ルッツ | ドナルド・ジャクソン |
1964年 | 3回転トーループ | トーマス・リッツ |
1978年 | 3回転アクセル | バーン・テイラー |
1981年 | 女子初3回転アクセル | 伊藤みどり |
1988年 | 4回転トーループ | カート・ブラウニング |
1989年 | 女子初4回転サルコー | 伊藤みどり |
1920年までに6種類のジャンプすべてが誕生し、それ以降は、各ジャンプでの回転数が更新されていっていることが分かります。
まとめ
フィギュアスケートの歴史について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
その始まりは石器時代と歴史が長いことに驚かれた方も少なくないでしょう。
ジャンプの基本となる型は、1920年までには誕生していますが、いまだに多くの選手たちによって、より高度な技へと発展しています。
日本人選手には実力のある選手が数多くいます。
今後も、選手たちの活躍に注目です。
(TOP写真提供 = Rod Long / Unsplash.com)
《参考記事一覧》
フィギュアスケート|ジャンプの歴史を解説!第一人者や歴代選手を紹介!( 3A ~Tripleaxel~)