クロスカントリースキーを徹底解説!2022年には冬季オリンピックも

スキーにはさまざまな競技がありますが、その原点とも言えるのが「クロスカントリースキー」です。日本では、それほど知られていませんが、世界的には非常に人気があり、オリンピックの実施競技にも選ばれています。

この記事では、クロスカントリースキーとは何か、どんな走法でスキーをするのかを説明していきます。また、クロスカントリーのルールや、今注目の選手についても紹介します。

クロスカントリースキーとは

スキーの競技と言うと、日本では「ジャンプスキー」と「アルペンスキー」が人気で、他のスキー競技はあまり知られていません。しかしスキーの本場であるヨーロッパやカナダでは、「クロスカントリースキー」が人気で、多くの人に親しまれています。

クロスカントリースキーは、「雪原」をスキーで進む競技です。アルペンスキーでは、下りの斜面だけしかありませんが、クロスカントリースキーの場合、下りだけでなく「平地」を進んだり「斜面を登ったり」もします。

アルペンスキーやジャンプスキーは競技用の特殊なルールになっていますが、クロスカントリースキーは、実際に雪国で暮らす人々が日常生活で使うスキーに近い競技となっています。

クロスカントリースキーはオリンピックの正式競技

クロスカントリースキーは、オリンピックの実施競技となっています。

冬季のオリンピックが開催されたのは、「1924年」からです。クロスカントリースキーは、その第1回の冬季オリンピックから、実施競技に選ばれ続けている長い伝統のある競技です。

オリンピックの実施競技では珍しく、クロスカントリースキーには公認されている「コースレコード」や「世界記録」のようなものはありません。なぜなら、大会が開催される「地域」や、大会実施時の「天候」「雪の状態」などの影響が大きすぎて、公平な記録にならないからです。

走法やルールについての解説

写真提供 = Aaron Doucett / Unsplash.com

クロスカントリースキーには大きく分けて、「クラシカル走法」「スケーティング走法」という2種類の走り方があります。

クラシカル走法は、昔から伝わっている走り方で、さらにいくつかの走り方に分かれます。スケーティング走法は、アイススケートと同じような走り方をします。

スケーティング走法は、新しく作られたスキーの進み方で、クラシカル走法よりもスピードが出ます。そのためルールで禁じられていなければ、下り坂を滑走する時以外は、スケーティング走法が使われています。

クラシカル走法の種類

クラシカル走法はさらに「ダイアゴナル(交互滑走)」「ダブルポール(推進滑走)」「ワンキックダブルポール(一歩滑走)」「開脚登行走」などに分類でき、状況に合わせて使い分けをされています。

ダイアゴナルでは、片足でキックをしながら、反対側の足を前に踏み出します。同時に、キックした足と反対側の腕に持ったポール(ストック)で後方へ押し出します。動作としては、スキー無しで普通に走るフォームと似ています。ただし、踏み出した足をすぐに動かさず、発生した力を利用して、しばらく滑る点に違いがあります。

ダブルポールは、両腕のポールを同時に後ろに押し出す走り方です。ポールによって発生した推進力を使って両足を揃えて滑り、推進力が弱くなったら、また両腕のポールで地面を後ろに押し出します。

ワンキックダブルポールは、ダイアゴナルとダブルポールを組み合わせたような走り方です。ポールはダブルポールと同じく、両腕で同時に地面を押します。しかし足は揃えず、ダイアゴナルのように交互にキックをしながら滑ります。

開脚登行走は、勾配がきつい「登り」で使う走法です。左右のスキー板を「V」の形になるよう大きく開き、両足を交互に踏み出して坂を登ります。同時に、踏み出した足と反対側の腕のポールで、地面を後ろに押し出します。

スケーティング走法

スケーティング走法も、「ラピッドスケーティング」「クイックスケーティング」「スーパースケーティング」などに分けられます。

ラピッドスケーティングは、アイススケートのように足を踏み出しながら、両腕のポールを後ろに押し出します。キック2回とダブルポール1回がセットになっていて、これを繰り返して前に進みます。

クイックスケーティングも、2キック、1ダブルポールがセットになっている走法です。ラピッドスケーティングとクイックスケーティングはよく似ている走法ですが、クイックスケーティングは主に登りで使用します。

スーパースケーティングは、1キック、1ダブルポールをセットにして繰り返す走法です。スピードが出る走法のため、競技では多用されるテクニックとなっています。

クロスカントリースキーのルール

クロスカントリースキーは、まず走法によって分けられています。スケーティング走法を使っていはいけない「クラシカル」と、好きな走り方をしていい「フリー」という種目があります。

フリーは実質「スケーティング」と言うべき種目で、斜面を下る時以外は、ほとんどスケーティングで進みます。

これらの種目は、さらに「距離」によって細かく分けられます。1kmから2kmという短い距離でスピードを競い合う「スプリント」もありますし、5km、7.5km、10km、15km、30km、50kmといった距離を進む、「中距離」や「長距離」の競技もあります。

また、クラシカル走法とスケーティング走法の両方を使う「スキーアスロン」「パシュート」「リレー」といった種目もあります。

スキーアスロンは、「マススタート」によってスタートして、前半部分はクラシカル走法で進みます。後半部分になると、スキー板をクラシカル用のものからフリー用のものに交換し、好きな走法で進みます。

パシュートは、「インターバルスタート」によってスタートし、前半はクラシカル走法、後半はフリー走法で進む競技です。前半部分が終わった段階で、1回競技が中断し、後半は前半レースの順位が上の人から順次スタートしていきます。

リレーは、1チーム3名か4名でおこなう団体戦です。一般的には4名でおこない、前半の2人はクラシカル走法で進み、後半の2人はフリー走法で進みます。

クロスカントリースキーのスタート方法

クロスカントリースキーのスタート方法には、「マススタート」と「インターバルスタート」の2種類があります。

マススタートでは、参加者全員がいっせいにスタートします。スタート地点が混雑しますので、ポジション取りや、選手間の「駆け引き」が重要な要素になってきます。

対してインターバルスタートは、30秒ずつの間隔をあけて、選手が1人ずつスタートします。選手間の接触などが起こりにくいため、各選手の純粋な「走力」で勝負が決まります。

クロスカントリースキーの道具

クロスカントリースキーには、登りもあるため、アルペンスキーやジャンプスキーとは、使う用具も異なっています。

スキー板の幅は4cm程度と、アルペンスキーの半分くらいの狭さです。またスキー板が軽く作られていて、2枚で1kgくらいしかありません。

他に、クロスカントリースキー用のスキー板は、板と靴を「つま先」のみで固定しているのが特徴となっています。かかと部分はフリーに持ち上がるため、登りでも力を入れやすく、スピーディーに進めます。

注目の選手やこれからの試合について

クロスカントリースキーの注目選手としては、「佐藤圭一」選手と、「石田正子」選手が挙げられます。

佐藤選手は、生まれたときから左手関節部欠損の障害を持っていました。19歳の時に見た長野パラリンピックに触発され、競技者になることを決意、「2010年バンクーバー」「2014年ソチ」「2018年平昌」と3つのパラリンピックに出場を果たしています。次の目標は、2022年北京パラリンピックでのメダル獲得、とのこと。

石田選手は、2018年平昌オリンピックの代表選手です。これを含め、オリンピックに4回出場するというキャリアを持っています。また石田選手は、日本人としては初めてワールドカップの長距離種目で表彰台に上がる(3位)という偉業を成し遂げています。

今後の大会

今後、次のようなクロスカントリースキーの大会が予定されています。

  • 12月10日から12日に「(公財)全日本スキー連盟公認 第33回白滝北大雪クロスカントリースキー大会」
  • 12月20から23日にかけて「第100回全日本スキー選手権大会」
  • 2022年1月4日に「第49回旭川クロスカントリー大会(旧全日本クロカン)」
  • 1月21日から23日に「2022 TOFクロスカントリースキー選手権大会」
  • 1月24日から28日に「天皇杯第100回全日本スキー選手権大会」

また、2022年の2月4日から20日まで、北京で「冬季オリンピック」が開催される予定です。クロスカントリースキーを見始めるには、絶好のタイミングだと言えるでしょう。

まとめ

「クロスカントリースキー」は、スキーの原型と言うべき競技で、世界的に人気があります。アルペンスキーのように下るだけではなく、平地を走ったり、斜面を登ったりもします。

クロスカントリースキーには、大きく分けて「クラシカル」「スケーティング」という2種類の走法があります。

新しい走法である、スケーティングの方がスピードが出ます。そのためクロスカントリースキーは、スケーティングが禁止されている「クラシカル」と、好きなスタイルで走れる「フリー」の2種目に分けられています。

2022年の2月4日から2月20日まで「北京オリンピック」が開かれる予定ですので、クロスカントリースキーにもぜひ注目して観戦してみてください。

(TOP写真提供 = Martine Jacobsen / Unsplash.com)


《参考記事一覧》

石田正子(Wikipedia)

PROFILE - 佐藤 圭一  ホームページ スキー バイアスロン(佐藤圭一ホームページ)

注目の選手 | SKI(SUBARU)

注目アスリート|アルペンスキー / クロスカントリースキー|競技紹介(CHALLEATH チャレアス)

大衆クロスカントリースキー競技者への道(Mac好きランナーのホームページ)

近代オリンピック(Wikipedia)

オリンピックのクロスカントリースキー競技(Wikipedia)

クロスカントリースキーって?(石川謙太郎 公式ホームページ)

クロスカントリースキー(Wikipedia)

クロスカントリースキーの説明(アークコミュニケーションズ)

大会カレンダー一覧(公益財団法人全日本スキー連盟)

JOC - 競技紹介:スキー・クロスカントリー(公益財団法人日本オリンピック委員会)

欧米スポーツビジネス・最新トレンドの資料を
今すぐダウンロード

HALFTIMEでは、スポーツビジネスのトレンドを「5つのキーワード」から資料で解説しています。以下フォームから無料でアクセスいただけますので、ぜひこの機会にご覧ください。

◇資料のDLはこちらから