スポーツは他分野と比べてIT化が遅れているといわれていますが、昨今、スポーツ×ITに関する仕事やサービスが続々と誕生しています。
そこで、本記事では、スポーツ×ITの仕事をテーマに解説していきます。
また、活用することで何ができるのかなども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
スポーツ業界×ITの現状
IT業界の市場規模は拡大しており、今後もそのニーズは高まっていくと考えられています。
その中で、スポーツ業界でもITの活用が進んでいます。
従来、スポーツというとその場で楽しむというものでしたが、ITの登場によって時間や場所を問わずに楽しむことができるようになりました。
スポーツ業界でITの活用が遅れていた理由として、売上に繋がらないと思われていたことが挙げられますが、現在、企業やスポーツ団体は、スマートフォンやタブレットのアプリなどのIT技術を駆使し、多額の利益を上げています。
つまり、これからのスポーツ業界の発展に伴い、ITは更に欠かせない存在といえるでしょう。
スポーツにITを活用することによってできること
スポーツにITを活用することによってできることはさまざまなものがあります。
前述したスポーツの楽しみ方を豊富にするのはもちろん、ビジネスとしてITを活用したり、アスリート支援に活用することも可能です。
ここからは、スポーツ業界がITをどのように活用しているのか、例をあげて紹介していきます。
リーバイス・スタジアム
リーバイス・スタジアムとは、NFLのサンフランシスコ・フォーティナイナーズが2014年から本拠地として使用している、アメリカのカリフォルニア州サンタクララにある多目的スタジアムです。
12,000個のネットワークポートや1,200基のWi-Fiアクセスポイントが導入され、観客が試合中にスマホを使って選手のデータや試合をリプレイすることなどが可能となっています。
米ヤフーやドイツSAPなどのIT企業が公式スポンサー契約を結んでいることから、スマートスタジアムや世界最強のITスタジアムとも呼ばれています。
クラウドマラソン
新型コロナウイルスの感染リスクにより、多くのマラソン大会が中止・延期になっているなか、ITを活用したクラウドマラソンで大会を開催するケースがみられますが、クラウドマラソンでは、実際に開催地に訪れなくても大会に参加し、特産物や記念グッズなどの特典がもらえるという取り組みが実施されています。
これは、株式会社CUVEYESが開発・提供しているスマホアプリ「SPOBY(スポビー)」を活用し、大会参加者が各距離種目に相当する歩行、走行距離をアプリがカウントして参加判定をするという仕組み。
実際に開催地で大会を実施する場合も、スマートフォンの位置情報機能を使用して複数あるコースを確認したり、開催期間に時差を設けることで参加者の密集を避けたりすることが可能となっています。
現在は、主に新型コロナウイルスの感染リスクを避ける目的で活用されていますが、クラウドマラソンを活用することで、数千万円から数億円の運営費用が飛躍的に削減できる可能性があるとして注目されています。
IoTボール
IoTボールとは、「スポーツ行動認識AI」と「センサー内蔵型サッカーボール」を融合させたサッカー選手の育成支援システムのこと。
スポーツ行動認識AIによって、選手の大まかな骨格や目や鼻の位置を、骨格位置から手の指関節、足の指関節を認識します。そして、それらの骨格の動きからフォームや身体の使い方をリアルタイムかつ正確に解析することができるのです。
スポーツ行動認識AIの解析によるデータにセンサー内蔵型サッカーボールが収集したアスリートの動きを組み合わせることで、フォームの改善などを行うことに役立てられています。
スポーツ×ITの仕事
ITの活用が進むスポーツ業界では、職種のバリエーションも増えてきています。
ここでは、スポーツ業界で活躍するIT系の職種をいくつか紹介します。
ITコンサルタント
スポーツ×ITの仕事の1つに、ITコンサルタントがあります。
ITコンサルタントの仕事内容は、AIやIoT技術を駆使して選手の様々なデータや映像を分析・解析し、選手個人では見つけられない特徴を見つけ、チームの新たな戦略を提案すること。
また、スポーツチームの収益拡大のために、ファンクラブサイトのコンテンツ生成を行い、集客・ファンクラブ会員化・ECでのグッズ販売へと繋げることもITコンサルタントの仕事です。
ITエンジニア
ITエンジニアはシステムの開発やITが導入されたインフラの保守・運用などを行っています。
前述した「SPOBY」や「IoTボール」などのアプリやシステムの開発もITエンジニアの仕事の1つです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事で紹介したように、スポーツ分野へITを活用することによってコロナ禍を避けた大会の実施などが可能となるなど、スポーツ×ITには無限の可能性があります。
今後の発展から目が離せません。
(TOP写真提供 = Christina @ wocintechchat.com / Unsplash.com)
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