「バスケットボールは世代を超えた共通言語」 日本郵便がB.LEAGUEと歩む未来

6年目のシーズン、コロナ禍という困難にも直面しながら、着実に地域に根付いて発展してきたB.LEAGUE。そして、B.LEAGUEと歩みを共にしてきたのが、2019年からパートナーを務める日本郵便だ。冠試合を行ったり、B.LEAGUEの災害復興プログラムに協賛するなど、理念を共有しながら活動を続けている。B.LEAGUEをサポートする意義とは?そして、今後の展開とは。同社に聞いた。

「地域に根ざして地域とともに発展する」

日本郵便株式会社 経営企画部 事業企画室 係長 寺門晃弘さん。2019年からB.LEAGUEパートナーとしての活動を担当している

「日本郵便とB.LEAGUEは、共に、地域に根ざして地域とともに発展することを重視してきました。持続的で安定的な成長を目指すという点でも理念を共有することができると考えて、パートナーとなることを決めました。各地のB.LEAGUEクラブと全国の郵便局ネットワークが連携して、バスケットボールの普及に取り組んでいければと思っています」(寺門さん)

バスケットボールの競技人口はあらゆる競技のなかで最多で、世界に約4.5億人、日本には約60万人いるといわれている。世界的な人気を誇るサッカーが約2.5億人なので、いかにバスケットが多くの人にプレーされているかがわかる。日本郵便 経営企画部の寺門晃弘さんはその魅力をこう話す。

「なんといっても試合展開のスピーディさですね。一瞬で攻守が入れ替わり、得点シーンも多いので盛り上がります。ほんとに数秒で流れが変わるんですよ。私は担当になって初めてB.LEAGUEを生観戦したんですが、熱い空気感に圧倒されました。

選手と観客が近いというのも、他のスポーツにない魅力です。最前列の席で観戦すれば、選手の足音、パスを受け取る衝撃、上がっていく息遣いまで感じることができます」(寺門さん)

社会的な活動を行うB.LEAGUEと理念を共有

B.LEAGUEはコート上の試合はもちろん、コート外の地域貢献・社会貢献活動にも力を入れる

日本郵便は、B.LEAGUEのパートナーとして冠試合など開催してサポートを続けてきた。そのなかで、B.LEAGUEが実施している社会的責任活動『B.LEAGUE Hope』において、2021年は東日本大震災から10年となる節目の年として『B.Hope HANDS UP! PROJECT supported by 日本郵便』として支援をしている。

東日本大震災はB.LEAGUEのクラブや選手にも大きな影響を与えた。存続の危機に直面し活動を休止したクラブや、「地域にもう一度笑顔を」という願いを込めて設立されたクラブなどもあったという。

「震災を忘れず、その教訓をどう活かし、どう行動していくかを考えるという目的で、『Defense Action』というプログラムを行いました。これは、バスケットボールをしながら防災や減災を学んでもらうものです。スポーツを通して体験してもらうと、多く人に身近に感じてもらえるというメリットがありますね」(寺門さん)

「HANDS UP!」はB.LEAGUE 2020-21シーズンのテーマであり、「コロナ禍においても支えてくださっている多くの方々にワクワクをお届けしたい」という想いも重ねているという。

支援活動を通して、社員やお客様からはポジティブな反応もあった。寺門さんは、「(B.LEAGUEへの)サポートは3年目を迎えていますが、もともとの『安心・親しみ』といった郵便局のイメージに、『かっこいい企業』というものが加わってきました。これはやはり、B.LEAGUEを支援していることが大きいと思いますね」と、手応えを感じているようだ。

レバンガ北海道のホームゲームで冠試合を開催

日本郵便株式会社 北海道支社 郵便・物流営業部 営業推進担当主任 武田哲郎さん。冠試合の当日は会場でも熱くレバンガ北海道を応援した

冠試合の実施も引き続き行われ、2021年12月11日には、レバンガ北海道のホームゲームが日本郵便プレゼンツとして、北海道立総合体育センター(通称:北海きたえーる)で行われた。

試合が行われる札幌にある日本郵便 北海道支社の武田哲郎さんは、冠試合が地元で開催される喜びを語ってくれた。

「日本郵便の冠試合は日本全国で行われているのですが、2021年にこの札幌で開催されることになって、社員一同、とても沸き立ちました。普段は郵便局にいらっしゃらないお客様にも、当社のことを知っていただくよい機会になりました。

今回の試合では、感染対策のひとつとして座席を1席空けてお座りいただいたのですが、そこにゆうパックの箱を持ったぽすくまのパネルを設置しました。当社の商品をより身近に感じていただけたらうれしいですね」(武田さん)

試合会場の「ぽすくま」のパネル。「ゆうパック」をPR

さらに、ホームゲームを盛り上げるさまざまな仕掛けも。

「試合当日は、来場者の方にオリジナルのタオルを配布しました。これを使って、ぜひレバンガ北海道を応援してほしいということですね。さらには、当社の社員やそのご家族も観戦に訪れましたが、その際にはレバンガ北海道のチームカラーであるレバンガグリーンのTシャツをみんなで着て、一体感を持って応援しました」(武田さん)

日本郵便ならではのイベントも

会場のブースでは、選手への応援メッセージを送る「ぽすくまと応援レター」を実施

試合当日、迎えた相手は強豪・大阪エヴェッサ。続々とブースター(B.LEAGUEにおけるファン、サポーターのこと)が会場に詰めかけるなか、選手へのメッセージを書いて会場の特設ポストに投函すると、ハーフタイムにそれが読み上げられるという日本郵便ならではのイベントも行われた。

試合は、手に汗を握る白熱した内容となった。寺門さんのいうとおり、攻守が一瞬にして入れ替わり、ひと時も目を離せないプレーが展開される。レバンガ北海道のマスコットキャラクターであるレバードと、日本郵便のぽすくまも一緒に会場を盛り上げる。試合展開に合わせて、会場ではDJが応援をリード。大きな効果音を使いながらホームチームのレバンガ北海道を後押しする。

試合内容は終始レバンガ北海道が優位に進めていたが、第4クォーター終盤に大阪エヴェッサが猛然と追い上げを見せる。しかし、最後にはレバンガ北海道が突き放し、勝利。会場全体が最高の盛り上がりを見せていた。これこそがB.LEAGUEの醍醐味だといえるだろう。

会場には多くの日本郵便の社員もかけつけた。中央は先出の武田さん

B.LEAGUEを支援する意義を寺門さんは改めてこう話す。

「バスケットボールは学校の体育でも行われるので、誰でも一度はプレーしていますよね。実際にB.LEAGUEの試合を観に来てくれるのは若者だけでなく、親子連れや年配のご夫婦などもいて、年齢も幅広いんです。

『今日学校でバスケやったよ!』なんていう、孫とおじいちゃんが会話できる“共通言語”になりえるんですね。郵便局を利用者もさまざまな方がいらっしゃいますから、バスケットボールをサポートすることは大きな意味があると考えています」(寺門さん)

「運動機会」と「夢」 子どもたちの健やかな成長を

ハーフタイムでのイベントの一幕。子どもから大人までB.LEAGUEのファン層は幅広い

日本郵便はさらに、2022年1月14日、15日開催のB.LEAGUE ALL-STAR GAME 2022 IN OKINAWAの開催に際して行われる、「B.Hope Action DRIVE TO DREAM」プロジェクトの一環として「届け、バスケ! supported by 日本郵便」を実施することになっている。

新型コロナウイルスの影響によって、子どもたちの運動不足が社会課題になっているという。さらに近年は、学校外の学習活動や室内遊び時間が増えたことによって運動機会が減り、ケガが増えていることも社会問題化している。

そこで、子どもたちにスポーツの楽しさを体験してもらい、健やかな成長を支援するために、バスケットゴールやボールをプレゼントすることになっている。選手が直接訪問して届けたり、動画メッセージを送る計画などもあり、バスケットボールやスポーツ全体への夢を持ってもらうきっかけになることを意図している。

日本郵便はB.LEAGUEの試合をサポートするだけでなく、こうした活動を通して、より多くの人々の健康に寄与することも目指していくという。

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