現在早稲田大学4年の安達慶太さんを代表に設立された株式会社Masentic。大学のビジネスコンテストで優勝も果たした同社は、海外サッカーのような熱狂を日本でも実現することを目指し、クラウドファンディングを開始した。スポーツ界が新型コロナに伴う無観客試合や観客数制限が続く中で、若き起業家が声をあげた。
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イギリスのサッカー熱に「嫉妬」
安達さんはイギリス留学中に目の当たりにした、イングランド・プレミアリーグの盛り上がりに嫉妬したという。イギリス人の生活はサッカーが中心。プレミアリーグの試合となると、仕事のことさえ忘れてチームの勝敗に熱狂的に盛り上がる。
日本人のサッカー熱ももちろん高い。ただし、試合観戦のほかにチームを応援する選択肢が多くないのが現状で、ハード、オフラインの商品・サービスだけでなく、ソフト、デジタルは特に拡大の余地がある。それらは新たな収入源になるとだけでなく、ファンをエンゲージする施策にもなる。
こうした中、新型コロナウイルスの感染拡大はサッカー界に大きな影響をもたらした、ファン、サポーターは従来のように試合に足を運べず、応援の熱量を選手やクラブチームと共有することが今まで以上に困難になっている。
「熱狂」を共有する、新しい応援の形
そこで安達さんが立ち上げたのが株式会社Masenticである。同社がクラウドファンディングでリリースを目指す「ゲーム型クラウドファンディング」は、ゲームへのログインやミッション達成で貯めたゲーム内通貨「Mポイント」を用いて、選手を応援したり、グッズを購入したりできる、今までにないサービスだ。
ユーザーは「応援したい」「活躍しそう」と思った選手にMポイントを使ってサポートが可能。選手の活躍に応じてMポイントが還元され、獲得したMポイントを消費すると、応援したいサッカークラブの共同スポンサーになることもできる。
今回サービス開発のために開始したクラウドファンディングでは、39万円の目標額を設定。リターンには支援額に応じて、ゲーム内で使えるMポイントがユーザーに付与される。その他、同社主催のフットサルイベントへの参加やメンバーからのビデオレターなど、個人向けから法人向けまで約10種類のリターンがある。
スポーツがなかなか満足に楽しめない現在の世の中で、より多くの人が「イキイキと毎日に楽しさを感じる世界を実現したい」と安達さんはいう。学生たちの熱い想いが、サッカー界に新たな風を吹かせる日は近い。
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