3年契約 2020/21シーズンからタイトルパートナーにも
フランスプロサッカーリーグ(Ligue de Football Professionnel:LFP)は、6月14日、12日に開催した特別理事会での批准に基づき、1部リーグのLeague 1(リーグ1)とUber Eatsの大型パートナーシップを発表した。
2019/20シーズンからUber Eatsはリーグ1のオフィシャルパートナーとなり、翌2020/21シーズンと2021/22シーズンの2年間はタイトルパートナーとなる。リーグ名称は「Uber Eats League 1」に変更される。
契約期間は3年。契約金額は明らかにされていないが、地元の仏紙『レキップ(L’Équipe)』は、タイトルパートナーとなる2年間は年間1,500万ユーロ(約18.4億円)の契約であり、これは現在のスポンサーのコンフォラマ(Conforama)の2倍以上であると報じている。
リーグ1は、欧州で家具小売店を展開する仏コンフォラマが2017/18からタイトルスポンサーとなり「League 1 Conforama」の名称となっていたが、契約更新はなされなかった。
2014年に米国で始まったUber Eatsは、2016年3月にフランスでローンチ。現在110以上のフランスの都市でアプリを通して利用可能であり、1万5,000以上の提携レストランから、最低注文金額なく料理の配達を可能にしている。
リーグ1は、Uber Eatsのような国際的で、且つ若年層のオーディエンスを持つブランドの取り込みを歓迎している。「Uber Eatsが、その拡大と発展に向けて、ヨーロッパで初となるスポーツ・スポンサーシップとしてリーグ1を選んで頂いたことを誇りに思う。リーグ1が若い消費者の間で非常に強いブランドと関わることができ、大変嬉しく思う」と語るのは、LFPのエグゼクティブ・ディレクターであるディディエ・キロ(Didier Quillot)氏だ。
スポーツ界進出のUber Eats 先行事例のクリケットでは?
Uber Eatsは、親会社のUberを通して、2018年よりクリケットのスポンサーとアクティベーションを進めている。2018年11月には、国際クリケット評議会(International Cricket Council:ICC)とのパートナーシップに基づき、同月9日〜24日に開催された女子クリケットの国際大会「The ICC Women’s World T20」期間中に、大会参加国において試合開催日のUber Eatsのプロモーションを実施した。
また今年2019年は、5月30日に開幕し7月14日までイングランドとウェールズで現在開催されている「ICC クリケット・ワールド・カップ 2019」の公式スポンサー契約を締結。ユーザー向けのプロモーション「Match Madness」を展開している。
例えば最初のオファーは、南アフリカ対イングランドの試合で、南アフリカが勝った場合に、翌朝、同国のユーザーにアプリ上でプロモーションコードを発行。コードを入力した最初の2万人のユーザーは、100ランド(約770円)のディスカウントを得られるというものだ。
またその他にも、南アフリカ対スリランカの試合で、南アフリカのボウラー(投手)が時速145kmの球を投げることができた場合に同様にプロモーションコードを発行。最初の5,000人のユーザーは45%のディスカウントを得られるといった、ゲーム性の高いものもある。
Uber Eatsはアプリサービスであり、ディスカウントは最も分かりやすいユーザー獲得・再利用促進のインセンティブだ。クリケットワールドカップは世界で15億人の視聴者を持つとも言われ、モバイルの「ながら利用」が進むTV放送は、Uber Eatsとも相性が良い。
スポーツ大会の試合内容や結果に応じて、企業がデジタル上でプロモーションを行うのは、今年のNBAファイナルでも見られている。NBAファイナルでは、メキシカンフードチェーンのチポトレ(Chipotle)が、試合中に実況やレポーターが「Free」と言う度に、ブリトーを無料で手に入れられるプロモーションコードを発行した。ただし同社はNBAファイナルのスポンサーではなく、所謂アンブッシュマーケティングとされる。
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今夏から始まるUber Eatsのリーグ1へのスポンサーシップに合わせて、どのようなアクティベーションが行われるか注目される。
◇参照
・League 1: Ligue 1 Conforama, Uber Eats announce major partnership