マンチェスター・シティ、中国大手酒類メーカーJNCと「オフィシャル白酒パートナー」契約 

歴史は1500年 中国の酒類メーカーとパートナーに

マンチェスター・シティは、2019年5月、クラブのオフィシャル白酒パートナーとして、中国の酒類メーカーJNCと複数年にわたるグローバル・パートナーシップの締結を発表した。

このパートナーシップにより、JNCは消費者向けのマーケティングキャンペーンやマッチデーのブランディング、業界イベントを通して、マンチェスター・シティのファンにリーチし、エンゲージすることが可能となる。1500年以上の歴史と皇帝御用達であった国内ブランド力を持つJNCにとって、グローバル・ブランディングの礎にしたい狙いだ。

JNCのブランドディレクターである夏波(Xia Bo)氏は、次のように語っている。

「JNCのマンチェスター・シティとのグローバルで戦略的なパートナーシップは、中国のサッカーファンとクラブとのつながりを一層強め、中国のファンがクラブの情熱と美しいサッカーを体験することを可能にする。一方、海外のファンはマンチェスター・シティを通して、JNCと中国の白酒文化について知ることが可能だ」

「JNCはマンチェスター・シティと協力し、双方のブランドイメージと社会的な影響力を強め、世界のサッカーファンに素晴らしい体験を提供したい」

シティ・フットボール・グループ(CFG)のパートナーシップSVPであるダミアン・ウィロービー氏は、これを歓迎する声明を発表している。

「このパートナーシップを通して、私たちのグローバルなファンに、中国文化の本質な側面を伝えることができ嬉しく思う。私たちの中国でのプレゼンスは拡大し続けており、このような実りあるコラボレーションによって、何百万もの中国人ファンに、新しく革新的な方法でクラブを体験する機会を提供できる」

マンチェスター・シティが強める中国市場でのプレゼンス

プレミアリーグの他クラブの例にもれず、マンチェスター・シティは近年、中国市場への投資とプレゼンスを拡大させている。

今年2019年2月には、CFGは、株主である中国大手投資ファンドのチャイナ・メディア・キャピタル(China Media Capital/CMG:華人文化産業投資基金)と共同で、チャイナ・スポーツ・キャピタルを通して中国リーグ2部の四川九牛(Sichuan Jiuniu)の買収を発表した。米誌『Forbes』は、CFGが既に上海と深センに現地オフィスを構えていることも指摘している。

CFGは、アメリカのニューヨーク・シティFC、オーストラリアのメルボルン・シティ、ウルグアイのクラブ・アトレティコ・トルケ、スペインのジローナFC、横浜F・マリノスといった世界中のサッカークラブの経営に参加しており、四川九牛は7件目となる。

これ以前の2015年12月には、CFGは株式の一部をCMCとシティック・キャピタル(CITIC CAPITAL:中信資本)に400米ドル(約433億円)で売却しており、それらは現在13%の株を保有している。残りの株式の87%は、アラブ首長国連邦(UAE)の投資会社であるアブダビ・ユナイテッド・グループ(ADUG)が引き続き保有するが、CMC主席の黎瑞剛はCFGの7人目のボードメンバーとしても加わっており、マンチェスター・シティの「中国シフト」は特に顕著だ。

マンチェスターシティは、今年7月に上海と南京で開催されるプレシーズン大会「プレミアリーグ・アジアトロフィー」に参加するため、中国遠征を予定している。JNCとのパートナーシップも結び、現地では一層歓迎ムードとなるかもしれない。

◇参照

Manchester City

PR Newswire – City Football Group