サッカーや野球などのスポーツには、ビジネスの現場でも参考にするべきことがあるといわれています。実際に、堀江貴文さんがサッカーを題材にしたビジネスのポイントを紹介するなど、ビジネスの世界にサッカーの世界で行われている取り組みが広まりをみせています。そこでこの記事では、サッカー界のビジネスについて紹介するだけでなく、サッカーの分野におけるビジネスの取り組みから学ぶべきポイントなどについて紹介していきます。
プロサッカー選手を断念した2人の新しいビジネスとは?
今回紹介するのは、金谷さんと赤堀さんの2人が起こしたビジネスです。
金谷さんと赤堀さんは、高校在学中にU-18で活躍し、プロを目指していた人たちです。
U-18の選手がプロになれるかなれないかは、高校3年で決まります。もしなれないのであれば、練習を続けることはできません。
金谷さんと赤堀さんは将来が期待される選手でしたが、高校3年生のときに、プロになれないという通告を受けてしまいます。
金谷さんは、大学に進学してプロのサッカーチームへ所属することを目指していましたが、サッカーをしていたフリーター時代に、100円で買った傘を300円で売ったりすることで1日9000円儲けるなどの生活をおくるうちに、起業の面白さを知り、起業を決意します。
一方の赤堀さんも、大学進学後プロサッカーを目指して練習を重ねましたが、プロサッカーへの道を諦めます。その時、サッカーを始めたきっかけであるセレッソに戻れれば、と思い、当時の高校のコーチに電話をして、社員にしてくれないかと頼みます。
一度は断られてしまいますが、しつこくねばったかいがあって、「コーチのアルバイトから始めるなら」と言われたそうです 。
そんな、二人がオープンしたのは、akippaというサービスです。akippaは、マンションの駐車場や契約者のいない月ぎめ駐車場を15分単位で利用することができる駐車場シェアサービスであり、2018年8月現在、全国12000カ所にオープンしています。
空きスペースを利用した駐車場サービス「akippa」
空きスペースを利用した駐車場サービスの「akippa」は、前述の通り、日本全国で12000箇所にオープンしています。
利用料金は、試合当日で1日1500円程度。
コインパーキングがほとんどない地域にも提携する駐車場があるので、駐車場がなくて困るということが無くなりました。
「akippa」がセレッソ大阪のスポンサーに!
2018年、akippaはセレッソ大阪のブロンズスポンサーとなりました。
初めは「提携」という形で始まった関係。
もともと、サッカークラブは、車よりも公共交通機関で来て欲しいと思っているため、駐車場があることをネガティブに捉えがちでしたが、駐車場が少ないために路上駐車する車が多く、周辺は混乱していました。
もし、予約して駐車できる所があれば、サポーター側の利便性も高まるため、サポーターだけでなく、クラブ側にもメリットがあるとされたのです。
akippaでは、アプリをダウンロードすればセレッソのグッズをもらえるというキャンペーンやメルマガに登録している人は割引クーポンがもらえるなど、様々な特典があります。
また、犬を預かるサービスを行ったり、託児所付きのチケットで試合をゆっくりと観戦してもらうことができるサービスを検討するなど、スタジアムを利用するファンを増やすことを目的とした施策も行われています。
元サッカー選手の2人の挑戦は、現在、サッカーの強豪チームを巻きこんで広がっています。
ビジネスチャンスは一流サッカー選手から学ぶべき!
日本を代表する有名投資家堀江貴文さんは、一流のサッカー選手はビジネスモデルにも通じるのだと評価しています。
ここでは、注目すべき5人の選手を紹介し、なぜサッカー選手はビジネスチャンスを学ぶのに有効かを説明します。
川島永嗣
日本を代表するゴールキーパー川島選手。彼は海外を6年間渡り歩き、日本のゴールキーパーの質の高さを知ってもらおうと活動しました。
しかし、次のチームへの移籍が決まるまでに無所属となった期間もあり、代表に呼んでもらえない時期もあったのです。
彼は、その間に周りを観察し、海外選手と日本人選手の練習の差を改めて感じたそうです。
普段見るべき場所から少し離れてみることで、新たな発見に結びつけたのです。
今の世界から未知の世界に飛び込むと、新しい発見や自分の可能性に気づくものです。
遠藤保仁
日本代表として国際Aマッチ152試合という最多出場記録を保持している遠藤選手。様々な監督のもとで、スタイルチェンジしながら使われ続けた対応能力には、見習うべきポイントがたくさんあります。
彼は、正解がない世界なので、100人いたら100通りの考え方があってもいいという考え方をしています。つまり、自分のスタイルを貫くのではなく試合に出て仕事をさせてもられるように、自分を変えていく力を持っているのです。
取引先や上司が気に入らなくても、使いたいと思われる社員であろうというメッセージが感じられます。
宇佐美貴史
宇佐美選手は、19歳でドイツの名門クラブに入門するなど、才能あふれる人生を送っています。
宇佐美選手の両親は、かねてから宇佐美選手のサッカーに対する情熱を感じており、学習時間を削られても「サッカーは最後までやりきりなさい」と言ったそうです。
一つの事に特化した才能と思考法を持ち、「価値のある人間になること」の大切さが感じられます。
自分の才能を磨き続けられる環境に身をおくことが大切です。
宮本恒靖
宮本恒靖選手からは、ユーザーの需要を取り込む工夫について学べます。
宮本恒靖選手は、2002年と2006年のワールドカップで日本代表のキャプテンを務めました。そして、2013年には日本人の元プロ選手としてFIFAマスターを卒業しています。
サッカーのスタジアムに足を運んでもらうにはどうしたらいいのかを考えた結果、サッカー以外でもスタジアムに行くモチベーションが高められるような対策が必要だと気づいたそうです。
そして今、日本のサッカービジネスの分野で第一任者に上り詰めています。
彼が行った様々な施策は、ヨーロッパを真似したものですが、他のビジネスモデルを取り入れることは、誰しもがやっていることです。
自分の会社よりも成功しているスタイルを取り入れ、利益や経済効果を生むことはビジネスの基本といえるでしょう。
森保一
森保監督からは人材育成が学べます。
2012年からサンフレッチェ広島で監督として活躍し、3度の優勝を果たしている森保監督。引き抜かれる選手も多い中、積極的な補強はせず、与えられた人材を上手く組織して生かすことに長けたチーム作りが巨大戦力を作り出したのです。
組織の方向性を示すだけでなく、自分の役回りを自覚した自立した集団を作ることに重きを置いています。
そして、状況に応じたプレイをする判断力をつけるため、一人一人が成長を実感できるように日々を過ごすよう、声をかけています。
人間を生かすためには上から指導するのではなく、自然に考える力を鍛えることも必要だといえるでしょう。
Jリーグもスマホの時代へ!新システム「Club J.LEAGUE」とは?
Club J.LEAGUEとは、Jリーグを楽しんでもらうために作られたJリーグ公式アプリです。
Club J.LEAGUEアプリでできることは、
- 試合日程や結果のチェック
- ニュースのチェック
- 観戦チケット購入
- メダルを集めること
の4つです。
メダルは、試合観戦でスタジアムにチェックインしたり、イオングループの店舗にチェックインすることによって集めることが可能。
また、SNSでシェアしたり、各節の試合の結果を予想して勝敗を当てることでももらうことができます。
メダルを集めれば、ペアチケットが当たる抽選にも参加可能です。
日本が発信!サッカーの力で西アフリカを豊かに!新たなサッカービジネス到来
サッカーの力で西アフリカを豊かにしようという動きがあります。
例えば、2018年8月、関西一部リーグのおこしやす京都に ガーナ人選手がやってきました。
これは、ガーナと日本のパイプを結ぶ第一歩であり、ガーナ人選手を日本で活躍させて、将来的にはガーナに日本のサッカーチームのアカデミーを作り、サッカー以外の勉強を教えよういうもの。
つまり、子供達を社会に出す場所を作っていこうとするものです。
こちらのガーナプロジェクトは、西アフリカにサッカーだけではなく、勉強を教える施設を設立させて、社会の可能性を広げようという目的があるのです。
このような動きの背景には、 スカウトされてヨーロッパに行ったは良いがクラブのテストを受けただけで見込みがないと放り出されるケースが多発している事が挙げられます。サッカーに夢を抱いた選手が人生に行き詰まることはあってはなりません。
西アフリカでの取り組みが成功することで、サッカーに参入しようとする子どもたちも増えることでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
日本のサッカーは様々な問題を抱えており、赤字経営のクラブも数多く存在します。
しかし、日本のサッカー業界には先述した元サッカー選手の例にみられるように、参考になるビジネスが数多くあることも確かです。
世界の人々のための取り組みなど、さまざまな取り組みによって日本のサッカー界は大きく変革していくことでしょう。
《参考記事一覧》
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