新型コロナウイルスの拡大に伴い、スポーツ界を取り巻く環境も激変しています。そんな中で、スポーツの新たな可能性を見出し、地域や社会を盛り上げる取り組みが行われています。
イノベーションリーグは、様々な取り組みやアイディアを表彰し称えるとともに、スポーツに関する新しいビジネスチャンスにつながるスポーツ庁のプログラム。
一体どういうものなのか、詳しく紹介します。
イノベーションリーグとは
イノベーションリーグとは、スポーツ庁とSPORTS TECH TOKYOが共同で開催するスポーツオープンイノベーションプラットフォーム(いろいろな企業や団体の知識や経験を組み合わせて新たなビジネスにつなげる場)のこと。
スポーツ界の抱える色々な問題を、中小企業や各団体が持つ技術やアイディアを使うことで解決しようという狙いから発足しました。
企業にとっては新たなビジネスチャンスであり、スポーツ界にとっては自分たちの問題を解決するきっかけとなる、双方にメリットのある取り組みといえます。
プログラムの内容は、スポーツビジネスを進化・拡張させるイノベーションリーグアクセラレーションと、スポーツビジネスの新しい取り組みや施策を賞賛するイノベーションリーグコンテストの2つ。
それぞれについて、分かりやすく紹介します。
イノベーションリーグアクセラレーション
イノベーションリーグアクセラレーションは、スポーツビジネスを加速させるためのプログラムです。
イノベーションリーグのプロジェクト発足段階において、企画やアイディアの審査を行い、合格した企業や団体が約3ヶ月間、アイディアを磨き上げ実証まで行ったうえで成果発表会を実施します。
スポーツに関係する技術と、各スポーツ協会や団体が抱える課題を組み合わせることで新たなアイディアやビジネスチャンスを生み出そうということが狙いとしてあります。
イノベーションリーグコンテスト
イノベーションリーグコンテストは、新しいスポーツビジネスを賞賛するために作られたプログラムです。
スポーツビジネスの変革や社会課題の解決に限らず、スポーツ界全体が抱える難題に挑戦し、クリアする取り組みを表彰します。
表彰対象はスポーツに関係する人すべて。
プロスポーツチームはもちろん、競技団体や事業、地域そして個人で活躍するアスリートも含まれています。
スポーツビジネスに革新を起こしていく取り組みや、スポーツの持つビジネス発展力を利用した事例、ビジネスにおける新しいスポーツの使い方などを表彰。
新たな切り口で、スポーツとビジネスをつないでいる人々を賞賛するプログラムです。
4つの賞を取り組み事例から選出
イノベーションリーグコンテストでは、4つの賞を取り組み事例から選出します。
それぞれの賞について、解説していきます。
イノベーションリーグ大賞
イノベーションリーグ大賞は、イノベーションリーグコンテストの中で一番大きな賞です。
スポーツビジネスに技術革新を生み出している取り組みや、スポーツを活かしビジネスに技術革新を生み出している取り組み事例を総合的に表彰します。
対象となる取り組みが広いコンテストです。
ソーシャル・インパクト賞
ソーシャル・インパクト賞は、スポーツを社会問題解決につなげている取り組みを表彰する賞です。
持続可能な社会の実現や地方創生、女性活躍など、幅広い社会問題に対してスポーツを活用している取り組みが対象です。
これまでにない革新的なアプローチや、大きなインパクトのある取り組みを募集しています。
アクティベーション賞
アクティベーション賞は、スポンサーシップの新たなスタイルを表彰するもの。
アスリートやスポーツチームはもちろん、大会や競技団体などのスポンサーシップに新たな形でアプローチする取り組みが対象となっています。
ビジネス拡大や企業ブランドの拡張などにスポーツを活用する、革新的な取り組みを募集するものであり、ビジネス的視点はもちろん、ファンの目線で考えられたアイディアや事例を表彰します。
パイオニア賞
パイオニア賞はスポーツによって新たな常識を生み出す取り組みを表彰するもの。
現在新型コロナウイルスによって、いろいろな大会やスポーツイベントが中止され、練習や諸活動が制限されていますが、世間の変化に対して柔軟な対応をし、困難を乗り越えるために実施した事例を称えるものです。
現在進行中の社会現象なので、結果ではなく、その活動意義や意志を感じさせるチャレンジや取り組み事例を募集しています。
応募資格・スケジュールは?
イノベーションリーグの応募資格や実施スケジュールについて、アクセラレーションとコンテスト、それぞれについて紹介します。
イノベーションリーグアクセラレーション
・応募資格
イノベーションリーグアクセラレーションには、スポーツに関係する企業はもちろん、法人化されていないチームや団体も応募することができます。
ただし、計画段階ではなく、すでにサービスや取り組みが開始されている事例だと望ましいとされています。
・応募条件
イノベーションリーグアクセラレーションの応募条件は
- 事業プランが公序良俗に反しないこと
- 応募プランの知的財産権は応募者に帰属。必要があれば権利保護手続きが必要。
- プログラム期間中に共同開発したサービスの権利は当事者同士で協議
- 他者の知的財産権を侵害しているものはNG
- 選ばれなかったプランを同意無しで実施することはないが、独自プログラムとしての開発で類似してしまうことがある
- 応募に関する費用は応募者負担
- 審査状況などにたいする個別問い合わせはできない
- 応募資料は返却不可
- 応募資料は関係スポンサーやサポーター企業に共有されることがある
となっています。
・応募締め切り
2020年9月11日 23時59分
・採択社数
採択予定は5社。一次審査によって10社から20社を採択し、11月に開催されるイベントで5社程度を採択する予定となっています。
なお、一次審査から採択までにサポーター企業との幅広い交流機会が設けられます。
イノベーションリーグコンテスト
・応募資格
イノベーションリーグコンテストには、国内に拠点がある企業やスポーツチーム、競技団体のみならずNPOやNGO、地方自治体などが応募することができます。個人での応募も可能です。
共同での応募もできますが、代表者が国内在住であることが条件です。
また、年齢不問であることから、学生の応募も可能ですが、18歳未満の方は保護者の許可が必要です。
さらに、複数の応募も可能ですが、同じ内容での重複応募はNGとなっています。
そして、代表者や関係者が反社会的勢力と関係を持たず、今後も一切持たないことが条件とされています。
・注意事項
イノベーションリーグコンテストの注意事項は
- 対象の取り組みは2020年に実施したもの。2020年以前に終了しているものは対象外
- 国からの委託金を受けた取り組みは対象外。ただし補助金や交付金ならOK
- 応募はエントリーサイトから
- 郵送やメールでの応募はNG
- 公序良俗に反する応募はNG
- 知的財産権は応募者に帰属。必要であれば事前に権利保護手続きをしておく
- タイトル、応募者を公表する場合がある
- 受賞者には2021年1月に連絡が来る
- 審査進捗や受賞結果はウェブページに記載される
- 審査状況や結果に対する個別問い合わせはNG
- 応募資料の返却はできない
などとされています。
・スケジュール
募集締め切りは2020年12月31日 23時59分。その後約1ヶ月かけて審査を行い、2月中旬に結果発表が行われます。
イノベーションリーグアクセラレーションはかなりタイトな日程ですが、コンテストは年内一杯募集しているので、興味のある方は応募してみるといいでしょう。
まとめ
新型コロナウイルスによって、スポーツ界を取り巻く環境も激変しましたが、スポーツ界の抱える問題に対して民間企業や各競技団体自ら取り組もうという姿勢を表彰し、新たな時代をスポーツによって作ろうという取り組み、イノベーションリーグが進められています。
どのような取り組みがなされているのか、注目が集まります。
(TOP写真提供 = Anton Gvozdikov / Shutterstock.com)
《参考記事一覧》
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