クラブ創設から31年。水戸ホーリーホックが2025年シーズン、ついに悲願のJ1昇格を果たした。それはまさに、「今までの苦労を全部忘れるぐらい最高」(小島社長)の瞬間だったが、感傷に浸る暇はない。クラブはJ1に定着しさらに“突出した存在”へ進化するため、すでに経営強化に動いている。
特定の親会社(責任企業)を持たない市民クラブである水戸。だが、この6年で売上は6.3億から15億へ拡大。そのエンジンとなるのが、事業の要「スポンサー営業」だ。2020年の代表取締役就任以来、経営を牽引してきた小島耕氏に、クラブの現在地とビジョン、そして現在募集している「営業人材」への期待やサラリーの考え方までを、熱く、かつ実直に語ってもらった。
メディア業界からJリーグクラブの経営へ
小島氏はサッカー専門新聞「エル・ゴラッソ」創刊に携わるなど、メディア業界でキャリアを積んだ後、2020年に水戸ホーリーホック代表取締役社長に就任。以降、経営トップとして舵取りを担い、自ら営業部門も統括。最前線に立ち続けている。そして、迎えた2025年11月29日、クラブは念願のJ1昇格を達成。その瞬間は当然、格別だった。
「優勝して昇格を決めた日はめちゃくちゃ嬉しかったです。これまでの辛いことを全部忘れるくらいの心境でした。ただ、それで満足したかというと、全くそんなことはない。むしろ今は、J1の場所に居続けたい、リーグの中で突出した存在になりたいという新たな緊張感に包まれています」(小島氏)
余韻に浸る間もなく、クラブは激動のオフシーズンを過ごしている。「12月は50日くらい欲しい」とブログに綴った小島氏だが、それでも足りない。「本当は100日くらい欲しい(笑)。今年はありがたいことに、企業の皆様から『支援したい』との申し出が特に多く、本当に忙しくさせていただいています。」(小島氏)
残留争いをしていた時期は、営業がアタックする企業を見つけることさえ困難だった。それが今は、企業側から声がかかる。“嬉しい悲鳴”だが、同時にフロントの対応力が試される局面でもある。
年110%成長の身の丈経営。5年で売上40億円規模を目指す

小島氏が代表に就任した2020年当時、クラブの売上は約6億3000万円。J2全22チーム中19~20番手の規模だった。そこから小島氏は、売上・集客の「原点回帰」に注力。それが実り、2025シーズンは売上15億円強で着地見込みだ。
そして迎えるJ1の舞台。来季(2026年)の売上目標をチームは、約25億円に置いている。「2026-27シーズンに向けて、まず25億円を目指します。そこから5年間で、売上40億円規模のクラブにする。それがJ1で戦い続け、定着するための最低ラインだと考えています。」(小島氏)
一気に売上を数十億積み上げるのは簡単ではないが、毎年110%の成長を継続することは現実的だ。無理ではない範疇で、必要分の挑戦を重ねていく。そんな身の丈にあった経営で、現在中期経営計画も策定中だ。
「J1で戦い続けられるインフラを整えて、水戸ホーリーホックから日本代表を輩出し、世界へ羽ばたくキャリアパスを確立したい。スタジアム問題なども含めて課題をクリアし、アジアの舞台を狙えるクラブにステップアップしていきたい」(小島氏)
昇格の原動力はクラブビジョン「夢と感動と一体感の共有」
ただ、規模と売り上げだけで、クラブが前進するわけではない。小島氏がクラブビジョンに掲げるのは「夢と感動と一体感の共有」。特に今シーズンも、チーム戦術・個の力は当然ながら、“組織の団結力”が昇格の原動力になった。
「僕が一番誇りに思うのは、トップチーム、フロント、そしてアカデミーの3部門が、常に近い距離で会話をし続けられたこと。これはどのクラブにも負けていないと自負しています」(小島氏)
印象的なエピソードがある。優勝パレード当日、スタッフが集まって行われたクラブのパーティーでのことだ。そこでは選手とスタッフが入り混じり、同じ出身地同士で写真を撮ったり、同い年で盛り上がったりと、職種の垣根を超えた交流が自然発生していた。
「優勝のシャーレをみんなで掲げて喜んでいる姿を見て、その瞬間が一番嬉しかったですね。30数人のトップチームがまとまるだけでも本当に大変で、森(直樹元監督)がうまくマネジメントしてくれた。それに加えて、選手とスタッフが全員で『一つ』になれた。この一体感こそが、苦しい時期を乗り越えられた最大の要因だと思っています」(小島氏)

営業のやりがいは、実績がチームの強化に直結すること
J1の舞台で、新たな戦略を掲げる水戸ホーリーホック。その最前線を担うのが、今回募集しているスポンサー営業部門だ。特定の親会社を持たない水戸では、営業の上げた成果が、そのまま選手獲得費用や強化費に反映される。それは大きな魅力だと、小島氏は表現する。
「就任当初からスポンサー料収入は約4倍になり、それによって選手の質が変化し、成績が上がっていく流れを肌で感じられた。それは、この仕事の大きなやりがいです。自身の仕事の積み重ねが、クラブを成長させ、優勝や昇格などの結果につながると実感できるはずです」(小島氏)
実際の業務内容は、新規パートナーの開拓や既存パートナーとの関係深化(増額提案含む)。スポンサー枠の販売・交渉はもちろん、現在チームが抱える約220社のパートナー企業に対し、クラブがより価値を提供できるよう可能性を模索する部署だ。
「現在、クラブとしてもパートナー企業様同士のコミュニケーションやマッチングの機会を意識的に作っています。今後はさらに、企業様が抱える経営課題に向き合い、解決に導く役割を、新しい営業担当の方には期待したいですね」(小島氏)

透明性の高い評価制度、人材に求めるのは「正直さ」
スポーツ業界の複数職種を経験してきた小島氏は、「働く人たちの待遇改善は、私の経営者として最重要ミッションの一つ」と位置付けている。課題とされる働き方についても明確な基準を設け、スタッフが適切に評価される環境作りを進めてきた。
「社長就任以来、透明性の高い評価制度の構築を進めてきました。具体的には、会社全体の目標達成度、個人の目標達成度、そして周囲からの360度評価という3つの柱で評価を決定します。今後は役職ごとで基準となる報酬も示すなど、透明性が高く、誇りが持てる組織作りを徹底していきたい」(小島氏)
どのような人材を求めるか聞くと、小島氏は「人柄」と「マインドセット」を強調した。
「私たちが扱うのは『夢』や『感動』といった無形商材。だからこそ、『この人を応援したい』と思ってもらえるような、人間的に可愛がられる“人柄”が重要だと思いますね。
“マインドセット”面では、知らないことは知らないと言える正直な人が向いていると思います。自分の弱さを認めて改善しようとする素直さは、自身の成長に直結する。あとはお客様のリクエストにスピード感と誠実さで反応し、向き合える強さが必要です」(小島氏)
「未完成」だからこそ面白い。クラブの未来を創る仕事
J1初参戦となる水戸ホーリーホックは、これからクラブカルチャーをアップデートしていくところだ。例えば、ユニークな企画を打ち出す川崎フロンターレのように、これから入社する新たな人材が、水戸ホーリーホックの個性を作ることになる。
「水戸ホーリーホックはJ1に上がりましたが、組織としては未完成でベンチャー企業のようなもの。でも、だからこそ面白い。このタイミングで参画することは、クラブの未来を自らの手で創り上げる貴重な経験になるはずです。地域貢献とビジネスを両立させ、裁量ある環境で自分を試したい。そんな意欲のある方に応募していただきたいですね」(小島氏)
これから何十年、何百年と続くクラブの文化を、自分の手で創る仕事。人生において、これほどエキサイティングな求人はそうそうない。現在、水戸ホーリーホックではスポンサー営業を募集中。J1という新たなステージで、クラブと共に成長したいと考える方は、ぜひ詳細をチェックしてほしい。
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