スポーツリーグ・チームのプロ化、それによる各地域でのファンづくりが進む中、スポーツチームのファンマーケティング担当者はどのようにその課題と機会を捉えているのか。HALF TIME株式会社と株式会社ヤプリが共同で実施し、国内各トップリーグに所属する5競技の21チームから回答を得た調査から一部を紹介する。
最重要課題は「新規層獲得」「ライト層拡大」
調査の中、第一に挙げられた現在のファンマーケティング課題は「新規層の獲得」(77%)と「ライト層の拡大」(77%)。特に新規層の獲得については、「今後より重要度が増すと考えられる領域」としてもトップに挙げられており(73%)、高い関心がうかがえた。
新規ファンを獲得し、コアファンへと育成するのがファンマーケティングの至上命題。各チームからは、「新規層の招待を実施しているが、新規率の高い招待企画がWEB 広告以外になく、また初来場から再来場につなげる取り組みに着手できていない」(プロ野球チーム)、「ワールドカップの谷間でラグビー界全体が前年割れ。来場者の獲得がテーマ」(リーグワンチーム)などの課題が挙げられた。
また、「女子チームは満員にできておらず、まずはそこが最大の課題」(Jクラブ)、「新たなアリーナに向け、ファンベースの拡大に注力している」(Bクラブ)など、男子だけでなく女子チームの運営も進むサッカー界、そして今秋開幕のBプレミアを契機に新たなアリーナ誕生が続くバスケ界など、各スポーツならではの現況も明らかに。
盛況が続くバレーボール界からは、「バレーボール全体の人気上昇もあり来場者は増えているが、混雑緩和、来場者満足の観点でのスタジアムでの利便性やデジタル活用が課題」(SVチーム)という、別の要対応課題への影響も述べられた。

期待が寄せられる「デジタル」「データ活用」
先のSVチームのように、デジタル・データ活用にも高い期待が寄せられている。調査では、現在の課題と今後の重要領域についてそれぞれ50%以上の回答者が「データ活用」を選んだ。
あるJクラブは現在の関心事項に「行動データとSNSを活かした顧客体験の改善、データドリブンな興行」、Bクラブは「デジタル化、データ活用」と「新規・ライト層のファン化促進設計」、SVチームは「選手推しから箱推しへの推進事例」を挙げた。
Jリーグでは「JリーグID」が昨年10月時点で500万IDを突破。Bリーグもリーグ共通の会員IDを運用し、ラグビー界では「Japan Rugby ID」で日本代表からリーグまでを横断する。SVリーグも2025-26シーズンから共通ID「VメンバーID」を導入した。
「個人IDをもとにしたリピート施策の展開など、データ活用でできることは多い」と解説するのは、アプリを通してファンマーケティング支援を行う株式会社ヤプリ 執行役員CMO マーケティング本部長の近藤嘉恒氏。「新規をいかに増やしてファン化させていくかは普遍的な課題」として、新規獲得から継続的なファン育成の重要性も指摘する。
とあるJクラブは「ホームタウンを置く県内でもクラブの未認知層は30%以上にのぼる。毎年30%の新規ファン獲得を目指している」と話す。各スポーツチームにとってファン獲得の伸びしろはまだまだ大きく、そこに大きな機会が眠っていると言えるだろう。
調査概要
<調査期間>
2025年12月1日〜12月31日
<調査対象>
国内トップリーグに所属するスポーツチーム
<回答者数>
21チーム・22名
<回答者層>
5競技(野球、サッカー、バスケットボール、バレーボール、ラグビー)
21チーム(プロ野球球団、Jクラブ、Bクラブ、SVチーム、リーグワンチーム)
<調査内容>
- 現在チームが直面するファンマーケティング課題とその理由
- 今後より重要度が増すと考えられる領域
- ファン向け公式アプリ提供状況
- ファンマーケティング領域の関心事項
調査結果のほかケーススタディも含んだレポートは、以下のフォームよりアクセス/ダウンロードいただけます(PDF/無料)。是非ご覧ください。
■「スポーツチームのファンマーケティング」調査レポート
