野球の守備ポジションとは?役割や重要性をわかりやすく解説!

野球は2チームに別れて、攻守を交代しながら得点を争っていくスポーツです。

攻撃の場合は「バッター」と「ランナー」の2種類だけなのでわかりやすいですが、守備にはいくつかの種類と役割があり、慣れるまではなかなか覚えるのが大変です。

本記事では、野球における守備ポジションとその役割、そしてそれぞれの重要度について解説していきます。

それでは、最後までご覧ください。

守備のポジションとその役割・必要なスキルを解説!

ここでは、野球におけるポジションや役割、そして求められるスキルについて詳しくまとめました。

ポジション

まず、野球の守備には、下記のポジションが存在します。守備番号の順に、役割を簡単に説明していきます。守備番号とは、スコアボードやスコアブックで使われる守備位置を表す番号のことです。

  • ピッチャー:ゲーム開始に欠かせない
  • キャッチャー:ゲームの司令塔
  • ファースト:1塁を守る
  • セカンド:2塁を守る
  • サード:3塁を守る
  • ショート:内野の要
  • レフト:正確な位置取りが必要
  • センター:外野手のまとめ役
  • ライト:ファーストのサポート役

それぞれについて、さらに掘り下げて解説します。

役割と求められるスキル

ピッチャー

知らない人はいないほど、日本の野球においては花形的な存在です。速いボールを投げられるだけでなく、武器として、相手バッターが打てないような変化球も習得しておく必要があります。

求められるスキルとしては、速いボールを投げる強い肩と変化球を投げられる器用さ、そしてストライクゾーンから外れて「ボール」として判断されることを防ぐため、正確性を保つことが求められるでしょう。

キャッチャー

ピッチャーの投げたボールを捕ることが主な役割のポジション。正確な捕球が1番重要なスキルではあります。

しかし、それ以外にもストライクになりそうな球種を、ハンドサインでピッチャーに伝えたり、盗塁を止めるために捕ったボールを塁へ投げたりする役割もあります。キャッチャーには、司令塔となれる戦略性や、各塁へボールを正確に投げる力も必要です。

ファースト

1塁手とも呼ばれるポジション。1塁はバッターがボールを打って、1番最初に目指す塁なので、アウトを取るための送球が最も集まります。別のポジションからの送球は、アウトを求めているため速く、バウンドすることも多いので、どんなボールでも正確に捕球することが求められます。

セカンド

2塁手と呼ばれるポジションで、定位置は1塁と2塁の中間から、少し2塁に寄った場所。内野手のなかでも、特に運動量が多いポジションといえます。バッターの利き腕によって打球が飛びやすい方向を予測するなど、戦況を意識したプレーが必要になってきます。

また、1塁ランナーの盗塁を警戒したピッチャーからの牽制球を受けることがあるため、常に神経を張り巡らせてプレーを行う判断力が必要です。

サード

3塁を守るポジション。右利きバッターが飛ばしやすい位置にあるため、かなり速い打球がくる確率が高くなっています。

逆に、バッターが走っていく1塁への距離が遠いので、塁までの時間を稼ぐための緩やかな打球が飛んでくることも少なくありません。そのため、どちらのボールが飛んできても、瞬時に送球できる判断力が必要とされます。

ショート

定位置は2塁と3塁の中間あたりですが、センターの手前くらいの外野までが守備範囲となるため、かなり広く意識を持っておく必要があるポジションです。

また、サードと同じく右利きのバッターにとっては飛ばしやすい位置にあるので、正確な捕球と1塁に投げる強い肩が必要になってきます。

レフト

ホームベースを背にして左側に位置する外野手。サード・ショートと同様に、右利きのバッターからの打球が飛んできやすいのが特徴です。

打球の中でも特にフライが飛んできやすく、確実な捕球とアウトを取るための正確な送球が重要となっています。

センター

外野のちょうど真ん中あたりを定位置とするポジション。もっとも周りが見渡せる場所にいるため、レフト・ライトへの声掛けやサポートが重要になってきます。

また、レフト同様に高いフライが飛んできやすいポジションであるため、確実な捕球スキルが必要とされます。

ライト

ホームベースを背にして右側に位置するポジションで、ファーストにもっとも近い外野手です。他の外野手と同様にフライを捕球するスキルも重要ですが、1塁に近いためファーストのエラーやゴロに対するフォローを行える瞬発力が必要不可欠です。

野球の守備ルールではどうなればアウトなの?

写真提供 = Chris Chow / Unsplash.com

守備にとって最も重要な、相手チームをアウトにする方法は以下の3つです。

  • 地面やフェンスに触れていないボールをキャッチする
  • ボールを塁に送球するかランナー本人にタッチ
  • 三振

野球では、地面やフェンスに触れていないボールをキャッチすればアウトです。高くあがるフライは、守備側にとってはアウトをとるチャンスなので、各選手には正確な捕球力が求められます。

次に、ランナーが目指す塁にたどり着く前に、ボールを塁に送球するかランナー本人にタッチしてもアウトです。どのポジションでも、状況を判断して的確なポジションに送球する必要がありますが、ランナーがそばにいる場合は「タッチ」を行うことでアウトにすることも可能です。ボールを塁に送球するかタッチをするかは、捕球者の的確な判断が求められます。

そして、野球の醍醐味である「三振」もアウト。ストライクを3回とることで、バッターをアウトにすることができます。ピッチャーとキャッチャーは投球前に入念なアイコンタクトを行い、戦略的に球種を選んでバッターに打たせないことが重要です。

それぞれのポジションが自分の役割を意識しながら動くことが重要だといえますね。

ポジション別重要度トップ3

どのポジションも重要なのですが、プロ野球の守備において特に重要度の高い上位3つを独自のランキングでご紹介します。

  • 1位:ピッチャー
  • 2位:キャッチャー
  • 3位:ショート

それでは、詳しくみていきましょう。

1位:ピッチャー

1位は、野球の花形的存在のピッチャー。肩の強さ・球種のバリエーション・盗塁への牽制ができる注意深さと判断力など、総合的な力が求められるポジションです。

そのため、チームを牽引する圧倒的なリーダーシップが求められるという点から、1位に選出いたしました。

2位:キャッチャー

2位は、別名「守備の要」とも呼ばれるポジションのキャッチャー。捕球力はもちろん、ピッチャーへのハンドサインを出す判断力、各塁に送球できる肩の強さなど多くの要素が求められるため、2位に選出いたしました。

野球において、ボールに触れる時間が他ポジションと比較しても長いという特性から、その重要度は高いといえます。

3位:ショート

3位は、ショートです。守備範囲がかなり広い上に、状況に応じた判断力と中継ぎとしての捕球力、確実にアウトをとるための送球が求められる肩の力などが必要とされます。

上位2つと同じように複合的な力が必要になってくるため、3位に選出いたしました。

野球の守備において、ショートの柔軟な動きで、得点されにくい強固な守備を構築できるといっても過言ではありません。

ポジション別 守備が上手い歴代選手

NPBでは毎年ゴールデン・グラブ賞として、守備の上手な選手を表彰しています。セ・パ両リーグの過去の表彰者から、各ポジションの優秀な選手を紹介しましょう。

ピッチャー 

投げるだけでなく、バント処理や打ち返しの打球をアウトにし、チームのピンチを救う役目も担うピッチャー。1980から90年代は巨人の桑田真澄投手、2000年代は西武の松坂大輔投手、最近では広島の前田健太投手が印象に残ります。投手は投球に差し支えるからと守備は疎かになりがちですが、桑田投手はダイビングまでして飛球を捕りに行っていました。

キャッチャー 

1990年代はヤクルトの古田敦也捕手、2000年代は中日の谷繁元信捕手やソフトバンクの城島健司捕手、最近では「甲斐キャノン」と呼ばれるソフトバンクの甲斐拓也捕手、阪神の梅野隆太郎捕手が連続で選ばれています。キャッチャーは盗塁を刺したり、コーナーワークと言われるピッチャーを支える投球術も身に付けたりと、幅広く守備に関わります。

ファースト

1970年代は何と言っても「世界の王」、王貞治一塁手が常連でしたが、1990年代は巨人から横浜に移籍した駒田徳広選手、2000年代は日ハムの小笠原道大選手が常連でした。ファーストは内野手からのボールが受けやすく、セカンドに投球しやすい左ききの選手が多くなります。

セカンド

地味なポジションと言われながら、ダブルプレーなどの細かい動きに対応するなど職人技の選手が多い傾向のセカンド。1980から90年代は広島の正田耕三選手、2000年代は中日の荒木雅博選手や日ハムの田中健介選手、最近では何と言っても海外で「忍者」と呼ばれる広島の菊池涼介選手で、2013年から8年も連続受賞しています。

サード

サードは攻撃でも花形の選手が多く、印象に残るのは巨人の長嶋茂雄選手の華麗な守備です。その後は1980年代の阪神の掛布雅之選手、2000年代のヤクルトの岩村明憲選手、宮本慎也選手です。宮本選手は遊撃手でも受賞の常連でした。最近では「熱男」のソフトバンク松田宣浩選手が連続で選ばれています。

ショート

ショートは、ダブルプレーなどの繊細な動きを必要とされつつ、内野の深い位置からスローインすることも多いので、肩の強さも大切です。1980年代は大洋の山下大輔選手が常連でした。その後90年代は巨人の川相昌弘選手やヤクルトの宮本慎也選手、2000年代は中日の井端弘和選手、最近ではソフトバンクの今宮健太選手や巨人の坂本勇人選手が常連です。坂本選手はリトルリーグ時代はピッチャーを務めていて、その頃の肩の強さが生かされています。

外野手

外野手となると3ポジションを掛け持ちということが多く、賞も外野手は一括りで毎年3選手が受賞しています。1980年代の阪急の福本豊選手は、俊足で守備も良く12回受賞しています。1990年代はヤクルトの飯田哲也選手、阪神の新庄剛志選手、巨人軍の高橋由伸選手、西武の秋山幸二選手、オリックスのイチロー選手が常連でしたが、阪神の赤星憲広選手の果敢に飛び込むダイビングキャッチも印象的でした。また、イチロー選手の走者を刺すレーザービームは海外でも人気でした。最近ではヤクルトの青木宣親選手、巨人の丸佳浩選手、中日の大島洋平選手、オリックスの糸井嘉男選手、西武の秋山翔吾選手が常連です。

まとめ

今回は、守備について解説しました。

野球の守備は、ほとんどが明確な位置が決まっていないため、慣れるまではポジションの名前やどんな役割なのか把握できないことが多いと思います。しかし、1度覚えてしまえば、今までよりさらに楽しく野球を観戦、もしくはプレーできるでしょう。

本記事が、野球の守備ポジションについて知りたい方の参考になれば幸いです。

(TOP写真提供 = Lisa Wall / Unsplash.com)


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【野球】守備ポジションの「位置」と「役割&適性」をわかりやすく解説!(キャッチャー目線)

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