スポーツとエンターテイメントビジネス 興行としての成功を目指して

スポーツといえば、教育、競争というイメージがまだまだ根強い日本。しかし、海外ではエンターテイメント性を重視した動きが活発化しています。試合の合間にショーなどが行われたり、エンターテイメントショートスポーツの興行が同日に行われたりなど、会場に来るという習慣をしっかりと作っています。こういったスポーツのエンターテイメント性は、日本でも確実に広がりを見せており、異業種とのコラボレーションイベントなどを開催しています。そうした興行としてのスポーツの流れは、今後も加速していくことでしょう。この記事では、スポーツとエンターテイメントの関係性について詳しく解説していきます!

スポーツの発展に欠かせないこととは?

sports

スポーツを今よりも発展させるためには、スポーツを見ることを楽しむ人口を増やすこと、人が集まる場所と環境を作ること、そして実際にスポーツをすることを楽しむ方を増やすこと。この3つのポイントが大切といえるでしょう。

スポーツを見ることを楽しむ

スポーツ観戦に行き、スポーツそのものを見て楽しむ。すると、選手のパフォーマンスを見ながら、自分がやっているかのような疑似体験をすることができる点があります。

また、特定のチームや選手を応援することで、見ず知らずの人々と一体感を感じ、共感する喜びも得られるのです。

スポーツを発展させるためには、まず、スポーツ観戦を楽しんでくれるファンを増やすことが急務です。

人が集まる場所を作る

スポーツの興行を行うためには、人が集まれる場所を作ることも必要です。

人が集まる場所を作ることで、人とのつながりが生まれます。そういった方々がスポーツに触れることでスポーツ界全体が盛り上がるのです。

スポーツをすることを楽しむ

スポーツを観戦する人口を増やす、そして人が集まる場所を作る。ここから実際にスポーツをすることを楽しむ輪を広げることでスポーツはもっと盛り上がります。

実際にスポーツをプレーすることで、その競技が自分のことのように感じられます。そのため、長くそのスポーツを楽しめるようになるのです。

こういった流れで競技人口を増やすことが出来れば、業界の安定にも繋がりスポーツを持続的に盛り上げることにつながっていきます。

アメリカにみるスポーツエンターテイメントビジネス

日本のスポーツ業界においては、まだまだエンターテイメント性を強くすることが出来ていないのが現状です。

しかし、海外(特にアメリカのスポーツショー)では競技前にショータイムを設けるなどの方法でスポーツにエンターテイメント性をもたせているのです。

ここからは、実際にアメリカでのスポーツエンターテイメントビジネスを見ていきましょう。

試合前や試合の間にショータイムがある

アメリカにある巨大アリーナ、マジソン・スクエア・ガーデンでは、周辺に色んなレストランがあるので、食事スポットにもなっています。

また、いつでもイベントを行っており、音質、照明ともに高い品質を誇っています。それらの機材を活かし、年間400回もの興行を行っているのです。

1日に1回以上の興行を行える理由として、ボタン一つでアイスアリーナとバスケットボールのコートを入れ替えられることが挙げられます。

それに対し日本では、有明アリーナなどでバスケットの試合を行う場合に、何百万円もの資金がかかることもあるのです。

こうした設備のスムーズな変更など、まだまだ日本のスポーツ施設は見習うポイントも多いといえます。

終業時間を早めて、スポーツを楽しむ

アメリカの労働者の意識の中には、早朝勤務歓迎というのがあります。出勤時間を1~2時間早め、その分終業時間が早くなるので、早朝勤務を歓迎するのです。

そして、その分の時間を使ってボウリングやスポーツクラブでの活動にあてています。日本のような残業を重視する文化ではないので、地域社会の中で人生を楽しむ仕組みができているのです。

そういった流れの中でスポーツを楽しむ文化が根付いています。

 日本の働き方改革とスポーツ

日本も働き方改革の中で様々な変革がこれから起きるとされています。

例えば、出勤しなくても仕事ができる「リモートワーク」という働き方を推進する企業が増えてきています。そうなると、出身地域で過ごす時間が長くなります。

そこで、スポーツが地域の人々を結ぶコンテンツとなれれば、結果として地域に根付かせ、なくてはならないものに昇華させることが出来ることでしょう。

エンターテイメントの要素を取り入れている実例

日本でも海外を見習い、スポーツにエンターテイメント性を取り入れた興行を行っている団体やチームもあります。

B.LEAGUE

まずはバスケットのBリーグです。Bリーグでは、本場のアメリカの事例を活かし、エンターテイメント性を高めることで来場者数を増やしています。

プロジェクションマッピングなどを駆使することで、きらびやかでスタイリシュな演出を可能にし、選手たちの姿や手に汗握る試合を組み合わせることでスポーツの持つ魅力を、より効果的に広げているのです。

 横浜DeNAベイスターズ

横浜DeNAベイスターズの本拠地、横浜スタジアムでは、国内の色々なアーティストとコラボすることで、野球のイベントと音楽コンサートでお互いに集客。イベントを開催するなど、野球と音楽の融合を実現しました。

また、アーティストとチームのコラボポスターを販売するなど、異業種と組み合わせでチームを盛り上げています。

エンターテイメント性の先駆けは格闘技

スポーツの持つ競技性とライブ感やエンターテイメント感をかけ合わせて興行を始めたのが、格闘技なのです。

たとえば、試合の間の音楽ライブ、煽り演出などを取り入れ、きらびやかな光の演出などをすることで鮮やかなイメージを植え付けています。

格闘技から始まったエンターテイメント性のあるスポーツ興行が、現在多くの競技で取り入れられているのです。

異業種とのコラボ

一昔前と違い、現在は業界の垣根を超えてビジネスを行うのが当たり前になっています。

スポーツにエンターテイメント性をもたせるという観点からも、その傾向は表れているのです。

ここでは野球チームを中心に、そんな異業種とのコラボレーションでエンターテイメント性をもたせた例を紹介していきます。

横浜DeNAベイスターズ×湘南乃風

前述したベイスターズと音楽のコラボでは、湘南乃風とのイベントが代表されます。

野球のイベントで、ミニコンサートを実施。横浜スタジアムでのライブと野球を連携させました。さらに、横浜市内にベイスターズの選手と湘南乃風のメンバーが一緒に写っているポスターを掲出するなど横浜中にベイスターズと湘南乃風を同時に広げる活動をしています。

こういったコラボは、他のスポーツでも広がりを見せており、異業種との組み合わせはスポーツビジネスの大きなポイントと言えるでしょう。    

アニメとのコラボをする西武ライオンズ

野球つながりでもう一例紹介すると、埼玉西武ライオンズでは、毎年アニメや声優とのコラボイベントを実施ています。

2019年は、埼玉にゆかりのあるアニメ作品を本拠地メットライフドームに集め、トークショーや場内アナウンス、始球式などを予定しています。

イベントでは、毎年様々なコラボレーショングッズが販売されているのです。

まとめ

スポーツとエンターテイメント。古くからの競技だけではなく、興行として盛り上げることが、スポーツビジネスを盛り上げるには必要不可欠です。

さらに、国が推進する働き方改革などによって日本人のスポーツ参加の形も変化していくことでしょう。

そうした流れの中では、スポーツにエンターテイメント性をもたせてより多くの集客をすることが求められていくことでしょう。

これからの日本のスポーツ×エンターテイメントの発展に期待をしています!


《参考記事一覧》

川淵三郎×池田純。2人の革命児が語るスポーツエンターテイメントの経営と未来(3)(VICTORY)

エンターテイメントで革新を起こす「Bリーグ」がスポーツ観戦をアップデートする(VISIONARY)

川淵三郎×池田純。2人の革命児が語るスポーツエンターテイメントの経営と未来(4)(VICTORY)

進むプロスポーツの「エンターテイメント化」の話(BREW)

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