日本では、まだまだメジャーなスポーツではないクリケット(cricket)。
しかし、その競技人口は世界で第2位と、大変人気のあるスポーツです。
本記事では、クリケットのルールや歴史、活躍する日本人選手について紹介します。
クリケット (cricket)とは
紳士淑女のスポーツともいわれるクリケット。
英国をはじめ、オーストラリアや西インド諸島、南アフリカなど英連邦諸国を中心にプレーされており、インドやスリランカ、バングラディシュやパキスタンなどの南アジア諸国で圧倒的な人気を誇ります。
中でも、インドでは特に人気が高く、クリケットのテレビ視聴率は約12億人といわれる総人口の約80%を叩き出すほど。
クリケットの世界最高峰の大会は4年に1度開催されるワールドカップですが、テレビの視聴者数は世界で15億人を超え、単独のスポーツイベントとしてはサッカーに次ぐ規模です。
日本でもジュニア世代を中心に競技人口が飛躍的に増加しており、各地で大会が開催されるようになりました。
クリケットのプレイグラウンドとそのルール
クリケットの試合は、縦約130m、横約140mの楕円形の芝生のグラウンドで行われます。
この規模は大会のレベルや競技者の年齢・性別によって変わりますが、試合の中心となるのはグラウンドの中心に位置するピッチと呼ばれる長さ22ヤードの長方形の場所。
このピッチの両端に、3本の棒「ウィケット」があります。
クリケットは1チーム11人の2チームで、攻守を交代して得点を競い合うもの。
野球と同じく、投手が投げた球を打者が打って走る、というのが基本です。
野球と異なるのが試合開始時に走者がピッチにいること。
打者と走者をあわせて「バッツマン」と呼びます。
投手(ボーラー)と捕手(ウィケット・キーパー)以外の9人は自由な場所で外野を守ります。
打者が打ち返した球がグラウンドの外枠であるパウンダリーをノーバウンドで超えると6点、ワンバウンドやゴロで超えると4点、という得点方式になっており、守備側がノーバウンドで打球をキャッチしたりウィケットを倒されなければ打者が交代することはありません。
攻守交代は10アウト、または、規定投球数を投げた場合。
この規定投球数は大会によって異なり、正式な試合では、各チーム120 球、または300球の形式となっています。
10アウトで2イニング制の試合はなんと5日間にわたってプレーし、試合中には、食事はもちろん、選手が紅茶を飲みながら休憩するティータイムが存在します。
5日経っても勝敗がつかない場合、引き分けとなりますが、現在は、各チーム120球の試合が主流となっており、その試合時間は3時間程となっています。
ちなみに、300球の試合はワンデー形式で約7時間にのぼります。
クリケットの歴史
クリケットの発祥は諸説ありますが、その中でも、有力な説と考えられているのが13世紀ごろに羊飼いの遊びとして始まったとされるもの。
羊飼いが、使用する棒状のスティックで投げ込まれる石ころを打つ遊びが、イギリス庶民の娯楽として定着されたとされます。
17世紀以降、イギリスが世界に領土を拡大するとともに、当時植民地であったオーストラリアやインド、南アフリカにクリケットが広まります。
そして、18世紀末にはイングランド内で国民的なスポーツに発展し、1971年からはW杯も開催。
世界的に競技人口が増えていったのです。
クリケットと野球の違い
ピッチャーが投げた球を打者が打ち返すという共通点のあるクリケットと野球。
その違いとして挙げられるのが、1チームの人数と試合時間の長さ、そして道具です。
まず、クリケットは1チーム11人であるのに対し、野球は1チーム9人。
そして、クリケットは試合形式によって3時間・7時間、最長で5日間に渡るのに対し、野球は通常9イニング制で約3時間。
また、クリケットのバットの形状は平たいのに対し、野球は棒状で、クリケットでは捕手以外は素手でボールをキャッチするのに対し、野球は全選手がグローブを使用します。
この他、打者をクリケットではバッツマンと呼ぶのに対し、野球は打者もしくはバッターと呼ぶなど、同じような役割でも呼び方が異なります。
クリケット選手
世界で2番目に競技人口が多いクリケット。
ここからは、クリケットの日本人選手を紹介していきます。
木村昇吾氏
木村昇吾氏は元プロ野球選手。
2003年に横浜ベイスターズに入団し、広島カープを経て、2016年に西武ライオンズに移籍しましたが、2017年に戦力外通告を受けます。
12球団合同トライアウトを受けましたが、野球チームに所属することができず、2017年10月にプロ野球選手を引退。
セカンドキャリアとしてクリケット選手に転向しました。
木村氏は現在、日本の実業団でプレーしており、海外のプロリーグでプレーすることを目指しています。
山本武白志氏
山本氏も元プロ野球選手です。
2015年に育成ドラフト2巡目でDeNAに入団しましたが、1軍に入ることなく2018年に引退。
2019年からクリケット選手に転向しました。
2020年にはクリケット代表強化選手にも選出。
今後の活躍が期待されます。
まとめ
日本ではまだまだマイナースポーツといえるクリケット。
しかし、世界的には高い人気を誇り、競技人口も世界第2位。
日本でも徐々に広まりを見せるクリケットの今後に注目です。
(TOP写真提供 = sefton Marks / Unsplash.com)
《参考記事一覧》
クリケットとは(Japan Cricket Association)
野球の原型はクリケット??クリケット野球との違いとは?(SPOSHIRU)
試合中に紅茶を飲む??クリケットのティータイムについてご紹介(SPOSHIRU)
37歳で野球をやめた。元プロ選手は、第2の人生をクリケットにかけた「野球を活かせる場を作りたい」(HUFFPOST)
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