スライスには3つのタイプがある!スライスの原因と直し方を解説

アマチュアが悩まされることが多い「スライス」。

そもそも、ゴルフクラブは、スライスが出やすいようにできているため、これは当然のことだといえます。

しかし、打ったボールの軌道が曲がってしまうと、ボールがどこに落ちるかわからず、スコアが安定しません。

そこで、この記事では、どうしてスライスになってしまうのか、スライスを直すにはどうすべきなのかを、3タイプのスライスごとにそれぞれ解説していきます。

ゴルフのスライスとは利き腕の方向に打球が曲がってしまう現象

スライスは、打ったボールが、「利き腕」の方向にカーブしていくこと。

つまり、右利きで右打ちをしている人なら、ボールが「右に」、左利きで左打ちをしている人なら、ボールが「左に」曲がっていくのをスライスと呼びます。

スライスになると、打球が大きく曲がっていってしまうため、狙ったポイントにアプローチするのが難しくなってしまいます。

この記事ではわかりやすくするために、以後、右利き右打ちを想定して書いていきます。左打ちの人は、左右を逆に読み替えて読んでみてください。

スライスは3タイプ。それぞれ原因と対策が異なる

利き腕の方向にボールが曲がるスライスは、

  • プルスライス
  • ストレートスライス
  • プッシュスライス

という3つのタイプに分けることができます。

タイプごとに、スライスの原因とどうすれば解消できるのかが違うので、自分のスライスがどのタイプかを見極めることが重要です。

1つ目の「プルスライス」は、インパクト後にボールが「左方向」に飛んでいったあと、そこから右側へカーブしていくというもの。

プルスライスは、左に進んだ打球が右に戻ってくるため、結果としてフェアウェイキープができることもあります。しかし、狙ったポイントにボールを落とすのは難しいため、矯正したほうが良いのは間違いありません。

2つ目の「ストレートスライス」は、最初はまっすぐ飛んでいくものの、そこからボールが右側にカーブしてしまう、というもの。

打球自体はちゃんと正面に飛んでいるため、フォームの問題が少なく、比較的矯正しやすいスライスだと言えます。

3つ目の「プッシュスライス」は、ボールが最初から右側にカーブしていくもの。

結果、右側へOBしてしまう危険性が非常に高く、スコアへの悪影響がもっとも出やすいスライスです。思い当たる人はすぐに矯正しましょう。

3タイプのスライスが起こるそれぞれの原因

前述の通り、どのタイプのスライスかによって、スライスが起こる原因は変わってきます。ここからは、「プルスライス」「ストレートスライス」「プッシュスライス」それぞれの原因を説明していきます。

ヘッドがアウトサイドインで入るとプルスライスになる

プルスライスになる原因として、まずヘッドの軌道の問題が挙げられます。左にボールが飛ぶということは、ヘッドが「アウトサイドイン」になっているということ。

アウトサイドインとは、ヘッドがボールよりも奥側から入って、手前側に抜けていく軌道のことをいいますが、奥から手前に向かってボールを叩くので、ボールは自分の体より後ろ(左)に飛んでいくことになります。

ゴルフクラブのインパクト面は傾斜している(ロフト)ため、打球にはバックスピンがかかるので、アウトサイドインでボールを打つと、ボールの軸が右に傾き、真後ろのスピンではなく、右斜のスピンになるのです。

右斜のスピンがかかると、空気とスピンの関係で打球が右側にカーブしていくことになりますが、この状態を、よくサイドスピンがかかると言います。これは、真横に回転しているわけではなく、斜めに傾いたバックスピンがかかっていることを指しているのです。

ストレートスライスはインパクト時にフェースが開いている

ストレートスライスの場合、インパクト後の打球はターゲットライン上を直進します。そのためヘッドの軌道は、しっかりと「インサイドイン(内側から入って内側に抜けていく)」になっていると考えられます。

ちゃんとしたスイング軌道なのにスライスになってしまうのは、インパクト時に、クラブのフェースがオープン(開いて)になっているため。フェースが開くと、やはりボールの軸が右に傾き、右側へのカーブがかかってしまいます。

プッシュスライスはインサイドアウトでフェースも開いている

プッシュスライスでは、ボールが右側に飛んでいきます。これは、ヘッドの軌道がインサイドアウトになっているからです。インサイドアウトの場合、手前側から奥側に向かってボールを叩く形になるので、ボールが右に飛んでいくわけです。

プッシュスライスの場合、さらにインパクト時にクラブのフェースも開いてしまっています。フェースオープンによって、ボールの軸が右に傾き、右側へのカーブがかかってしまうのです。

3タイプごとのスライスを直す方法

写真提供 = Peter Drew / Unsplash.com

前述したとおり、スライスには3つのタイプがあり、それぞれ原因が異なります。したがって、矯正方法もスライスのタイプごとに違います。

ここからは、プルスライス、ストレートスライス、プッシュスライスの3つに分けて注意すべきことを説明していきます。自分のスライスタイプに合わせて、各項目を確認してみてください。

プルスライスはバックスイングをアウトから始める

プルスライスを直すためには、ヘッドの軌道をアウトサイドインからインサイドインにすることが求められます。

ここで問題なのが、アウトサイドインを直そうとして、バックスイングの時点でインサイドに引き上げる人が多いということ。こうしてしまうと、左脇があき、振り下ろす時にはアウトサイドからになってしまう可能性が高まります。

プルスライスを直すには、インサイドではなく「アウトサイドからクラブを振り上げる」イメージでテークバックをしましょう。こうすることで、ダウンスイングの時に自然にクラブがインサイドからになるはずです。

ヘッドの軌道がインサイドインになれば、インパクト時のボールの進行方向は正面になります。そこから右に曲がるストレートスライスになった場合は、フェースの角度も良くなかったということになります。次の項目の、フェースがオープンにならない方法を試してみてください。

ストレートスライスはグリップとトップの位置に気をつけて

ストレートスライスになる人は、グリップを確認しましょう。ウィークグリップになっていると、フェースが開きやすくなってしまいます。

ウィークグリップとは、構えた時、左手のナックルの人差し指部分くらいしか見えない状態のこと。ウィークグリップになっている場合、左拳を右側にひねってナックルの見える部分を増やしましょう。ナックルの「薬指部分」が見えるぐらいが1つの目安になります。

またスイングのトップ時に、フェースが正しい向きになっていることも重要です。トップでフェースが地面と垂直になっているようだと「オープンフェース」で、スライスが出やすくなります。

逆にフェースが地面と並行で、フェース面が上空に向いているようだと「クローズフェース」で、フック(ボールが左側に曲がる)が出やすくなります。トップでフェース角度が45度を目安にフォームを調整してみてください。

プッシュスライスならグリップと右肩の位置を確認しよう

プッシュスライスの場合も、まずはグリップを確かめましょう。構えた時に左手のナックルが小指部分まで見えているようだと、ストロンググリップと呼ばれるクラブの持ち方になります。

ストロンググリップの場合、ヘッドの軌道がインサイドアウトになりやすいため、左手を左側にひねって、ナックルの見える部分が減るようにしましょう。ひねりすぎるとウィークグリップとなってスライスが悪化しますので、ちょうど良いポジションを見つけてください。

また、アドレス時に右肩が下がりすぎている場合、インサイドアウトになる可能性が高まります。左手より右手をクラブの奥側にグリップするため、アドレス時に右肩が下がるのは自然なことなのですが、右肩が下がりすぎていないか確かめてみましょう。

インサイドアウトがちゃんと直っていたら、ボールの軌道は、プッシュスライスからストレートスライスに変わっているはずです。次はストレートスライスの項目を参考に、フェースが開かないようにしてみてください。

まとめ

打ったボールが利き腕側に曲がって行ってしまう「スライス」は、左に進んだボールが右に曲がって戻ってくる「プルスライス」、まっすぐ飛んだボールが右に曲がる「ストレートスライス」、右に飛んだボールがさらに右に曲がる「プッシュスライス」の3タイプに分けられます。

本記事で紹介した原因と対策を参考に、スライスを直してみてください。

(TOP写真提供 = Courtney Cook / Unsplash.com)


《参考記事一覧》

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