サッカーのJ1にて、審判が誤った判定をしてしまう「誤審」が頻発しています。
Jリーグ全体で誤審防止に向けた取り組みを行う動きが進められていますが、現時点では審判に対する懐疑的な目線はまだまだ消えません。
「何故そこまで誤審をしてしまうの?」
「審判って実は素人なんじゃないの?」
などなど、様々な憶測が掻き立てられることもしばしばです。しかし、JリーグのしかもJ1となれば、審判になるためにはちゃんとした資格も必要であり、多くの経験がある人が審判を務めています。
そこで当記事では
- サッカーの審判にはどうやったらなれるのか?
- どこまで厳密な選考基準があるのか?
- 審判育成についての今後の取り組みはあるのか?
などなど、Jリーグの審判について徹底解説します。また、誤審トラブルが頻発する理由や今後どうなっていくのかの展望についても解説します。
サッカー協会主催の試合の審判には、資格が必要
Jリーグはサッカーのプロリーグであり、素人が簡単に審判をすることはできません。
しっかりと審判資格を取った人のみが、公式戦で審判をすることができます。
審判には1級から4級があり、1級から2級、3級、4級と階級が下がっていきますが、Jリーグの主審と副審を務められるのは1級以上です。
そして、日本サッカー界にて最も優れた審判の資格は「プロフェッショナルレフェリー(PR)」です。
PRになるには、「1級審判員」という資格を経なければなりませんが、1級審判員は約200名。その中でPRになれるのは10分の1以下であり、狭き門ともいえます。つまり、審判の精鋭と呼べるのがPRです。
サッカーの審判員は年に1度更新する必要がある
サッカーの審判員は運転免許証のように、年1度の更新をしなければなりません。
そして、5年間公式戦で審判を務めていない人は、5年後にいきなり公式戦で審判をするということはできないのです。
ルール自体も変化していくので、現場で審判経験をしっかりと積んでいる人間でなければ審判を継続することができません。
ですので、やはりJリーグの審判とは正真正銘のプロであり、中途半端な審判が公式戦に出ることはできないといえます。
続く誤審が問題に
Jリーグの審判を務めるのはプロの審判ですが、プロの審判でも、誤審があります。
ワールドカップなど国を背負って戦う行事などでは「あからさまな自国びいき」なジャッジが問題になったりしたこともありますが、誤審は昔から問題として取り上げられる問題です。
審判は選手に警告を出したり退場させたりなどの権限を持っています。
だからこそ、審判の好き勝手にジャッジされては安心して観戦ができませんよね。
そこで、新たな施策として、2021年からリプレイ映像を判定に活用する「ビデオアシスタントレフェリー」を全面導入するということが決まっています。
野球ではすでに導入されているリプレイ判定ですが、サッカーでも活用できれば厳正で公正なジャッジをすることができるので、誤審騒動も減っていくことでしょう。
Jリーグの審判員を養成するシステムも
公益財団法人日本サッカー協会(JFA)は、30歳未満を対象に、日本プロサッカーにおける審判を育成する「レフェリーカレッジ」を2004年から実施するなど、審判育成に力を入れています。
JFAレフェリーカレッジとは?
JFAレフェリーカレッジは、若手の審判をしっかり指導し、トップレフェリーを育てています。
2004年から2015年までの間に「48名」の卒業生を輩出しています。
レフェリーカレッジでは、集中的に指導をするために少人数制のクラスを採用。審判に必要な知識と応用方法について座学にて学べる機会を作っています。
また、海外のサッカーのレフェリーを経験してグローバルなレフェリーとして通用することができるよう、海外研修制度もおこなっています。
まとめ
プロサッカーの審判は、実力に応じた階級制度であり、いい加減な人選がなされているわけではありません。
しかし、プロフェッショナルレフェリーと呼ばれる精鋭の審判でも、時に誤審は起こってしまう可能性があります。
リプレイ映像でジャッジができるようになれば審判の負担も減り、より正確なジャッジによって楽しくサッカー観戦ができるようになるかもしれません。
(TOP写真提供 = Alizada Studios / Shutterstock.com)
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