例年なら3月20日に開幕するプロ野球ですが、新型コロナウイルスが猛威を振るう真っ只中、2020年の開幕は特別ルールのもと、6月19日に開幕しました。
本記事ではそんな2020年のプロ野球特別ルールと結果を紹介していきます。
3か月遅れ・特別ルールで開幕した2020年のプロ野球
例年、3月に開幕するプロ野球。
しかし、2020年は新型コロナウイルス感染症が猛威を振るいだしたことを受け、その開幕が見送られました。
そして、3ヶ月遅れの6月19日、新型コロナウイルス感染症への対策を講じて開幕したのです。
設けられた特別ルールのひとつが無観客試合というもの。
密を避けるという意味では非常に有効ですが、プロスポーツリーグで観客を入れることが出来ないということは球団とっては非常にダメージの大きいものでした。
オンライン配信やバーチャル歓声など、さまざまな対策が講じられましたが、「打球音や、捕球音がよく聞こえて良い」、「選手の声が聞こえてよい」などのポジティブな意見がある一方で、「バーチャル歓声、バーチャル観客が気持ち悪い」などのネガティブな意見もありました。
現在は、徐々に観客動員数を増やしていますが、今後、ウィズコロナの時代にはプロ野球の見せ方、見方が帰路に立つかもしれません。
2020、プロ野球公式戦の日程
2020年のプロ野球は試合日程が短いため、特別ルールで行われました。
リーグ戦
リーグ戦の試合数は例年143試合。
しかし、2020年は120試合に減らしてのリーグ戦となりました。
また、できる限り移動を制限するためにセ・リーグでは「集中開催方式」を採用。「集中開催方式」とは開幕時は首都圏の球場で試合を行い、その後西日本の球場で試合を行うというものです。
これによって選手、その他スタッフの移動を制限しました。
パ・リーグでも同一カードの連戦をできるだけ日程に組むなどの対策が採られました。
CS
セ・リーグは、限られた試合数の中でレギュラーシーズンの試合数を確保するため、クライマックスシリーズの開催を断念。
ドーム球場が少なく雨天中止となる試合も多く、試合日程の確保が必要だったのです。
一方、パ・リーグは試合数は制限したもののクライマックスシリーズを開催。
例年は2位,3位のファーストステージとその勝者対1位のファイナルステージに別れて行いますが、2020年は4試合制で1位と2位が争い、3勝先取で日本シリーズに進むというルールで行われました。
日本シリーズ
2020年の日本シリーズは11月21日に開幕。
例年のルールにならい、7戦4勝先取方式で行われています。
2020年のプロ野球特別ルールとして、新型コロナウイルスの影響で続行不能となった場合、その時点で勝利数の多いチームが優勝となります。
チーム勝敗・成績
2020年のリーグ戦におけるチーム成績は下記の表の通りです。
セ・リーグ | パ・リーグ | |
1位 | 巨人 勝利数67 | ソフトバンク 勝利数73 |
2位 | 阪神 勝利数60 | ロッテ 勝利数60 |
3位 | 中日 勝利数60 | 西武 勝利数58 |
4位 | DeNA 勝利数56 | 楽天 勝利数55 |
5位 | 広島 勝利数52 | 日本ハム 勝利数53 |
6位 | ヤクルト 勝利数41 | オリックス 勝利数45 |
セ・リーグのリーグ優勝は巨人。そして、パ・リーグのリーグ優勝はソフトバンクでした。
また、現在、日本シリーズで巨人とソフトバンクがプロ野球2020優勝を争っています。
個人成績
セ・リーグ、パ・リーグの打撃・投球・守備、それぞれの個人成績について紹介していきます。
個人打撃成績
セ・リーグ | パ・リーグ | |
1位 | 佐野 恵太 (デ) .328 | 吉田 正尚 (オ) .350 |
2位 | 梶谷 隆幸 (デ) .323 | 柳田 悠岐 (ソ) .342 |
3位 | 青木 宣親 (ヤ) .317 | 近藤 健介 (日) .340 |
セ・リーグで打率1位に輝いたのはプロ4年目25歳の佐野恵太。
佐野はMLBへ移籍した筒香の後釜として、今年からDeNAのキャプテン及び4番打者に就任しましたが、開幕戦からの9試合連続安打やホームスタジアムである横浜スタジアムでの3試合連続本塁打を記録するなど、大活躍。
シーズン終盤の10/25対広島戦で左肩を負傷し、選手登録を抹消されるものの、そこまでの成績からリーグ首位打者のタイトルを獲得しました。
パ・リーグで首位打者となったのは、吉田正尚。
8月には打率.430という好成績を残し、月間MVPも獲得しています。
シーズンを通して好打率を維持し、最終的には打率.350で首位打者のタイトルを獲得しました。
平成生まれでの打率.350代での着地は史上初の快挙です。
2017には腰痛の再発に悩まされていましたが今のところは心配なさそう。
来シーズンも期待が出来そうです。
個人投球成績
セ・リーグ | パ・リーグ | |
1位 | 大野 雄大 (中) 1.82 | 千賀 滉大 (ソ) 2.16 |
2位 | 森下 暢仁 (広) 1.91 | 山本 由伸 (オ) 2.20 |
3位 | 菅野 智之 (巨) 1.97 | 有原 航平 (日) 3.46 |
セ・リーグで最優秀防御率を獲得したのは、大野雄大。
開幕戦では4回8安打6失点で降板したものの、7月以降は安定感のある投球で、2年連続での受賞となりました。
9/15対広島戦〜10/22対DeNA戦まで連続イニング無失点記録を「41」とし、球団新記録を達成。最終的に45イニング無失点で着地しました。
防御率は1.82と自己ベストを達成。最多奪三振も獲得し投手2冠を達成しました。
パ・リーグでは千賀滉大が最優秀防御率を獲得。
最終的な防御率は2.14、勝利数11、奪三振数149とそれぞれでリーグトップとなり、投手3冠を達成しました。
持ち前の速球とお化けフォークに磨きがかかり、昨年に続き絶好調です。
育成選手からの生え抜きということでこれからの活躍が期待されます。
個人守備成績
セ・リーグ
一塁手 | 二塁手 | 三塁手 | 遊撃手 | 外野手 | 捕手 | |
1位 | ビシエド(中) .999 | 菊池 涼介(広) 1.000 | 高橋 周平(中) .982 | 坂本 勇人(巨) .991 | 青木 宣親(ヤ) 1.000 | 西田 明央(ヤ) .998 |
2位 | 中島 宏之(巨).995 | 吉川 尚輝(巨) .993 | 大山 悠輔(神) .976 | 木浪 聖也(神) .980 | 山崎晃大朗(ヤ) .994 | 木下 拓哉(中) .997 |
3位 | 村上 宗隆(ヤ) .991 | 阿部 寿樹(中) .991 | 宮﨑 敏郎(デ) .974 | 京田 陽太(中) .977 | 松原 聖弥(巨) .993 | 大城 卓三(巨) .996 |
セ・リーグでは広島の菊池涼介とヤクルトの青木宣親が守備率10割を達成。
メジャー帰りのベテランの力がまだまだ見られそうです。
パ・リーグ
一塁手 | 二塁手 | 三塁手 | 遊撃手 | 外野手 | 捕手 | |
1位 | 井上 晴哉(ロ) .995 | 外崎 修汰(西) .992 | 鈴木 大地(楽) .978 | 中島 卓也(日) .992 | 大田 泰示(日) .995 | 甲斐 拓也(ソ) .997 |
2位 | 浅村 栄斗(楽) .990 | 安田 尚憲(ロ) .976 | 藤岡 裕大(ロ) .986 | 栗原 陵矢(ソ) .992 | 若月 健矢(オ) .996 | |
3位 | 中村 奨吾(ロ) .985 | 松田 宣浩(ソ) .968 | 源田 壮亮(西) .983 | 西川 遥輝(日) .990 | 田村 龍弘(ロ) .991 |
「甲斐キャノン」の異名で知られるソフトバンクの甲斐拓也が.997の守備率をあげ、今季も大活躍しました。
バッテリーである千賀滉大も防御率1位を獲得しており、日本を代表するバッテリーといえます。
まとめ
新型コロナウイルスで不安定な情勢な中で行われた2020プロ野球。
その日程や成績について紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
今後、ウィズコロナの時代となる中、重要な意味を持つシーズンであったといえるでしょう。
(TOP写真提供 = EFKS / Shutterstock.com)
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