東京オリンピック・パラリンピックの成功を支えるボランティアスタッフ|気になる活動内容とは?

2020年に開催が迫る東京オリンピック・パラリンピック。大会の運営に向けて、ボランティアが集められました。東京オリンピック・パラリンピックのボランティアはどれくらいの人数にのぼるのか、そして、そのボランティアはどのような活動をするのか、詳しく紹介します。

東京オリンピックのボランティア総数は11万人超

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写真提供 = MAHATHIR MOHD YASIN / Shutterstock.com

2012年に開催されたロンドンオリンピックでは7万8千人、2016年に開催されたリオデジャネイロオリンピックでは5万人のボランティアが活躍しましたが、東京オリンピック・パラリンピックのボランティア総数はその2大会をはるかに超える11万人超が募集されました。

その内訳は、大会ボランティアが8万人、都市ボランティアが3万人となっています。

大会ボランティアと都市ボランティアはどういう違いがあるのか、見ていきましょう。

大会ボランティア

大会ボランティアは大会組織委員会が募集するボランティアであり、選手や大会関係者のサポートなど、大会の運営に直接関わることができる大会スタッフの1つです。

活動期間は、2020年4月以降で、連続して5日以内、合計10日以上の活動が基本となっています。

また、競技スケジュールや活動内容によって変動があるものの、活動時間は休憩や待機時間を含み、1日8時間程度です。

2002年4月1日以前に生まれた人で、日本国籍または活動期間中に日本に滞在する在留資格を有する人であればだれでも応募可能。

2018年12月21日に応募が締め切られ、8万人の募集定員に対して20万人超の応募が集まりました。

応募者の3分の1強は日本国籍外であるなど、日本国外からの関心の高さもうかがえます。

都市ボランティア

都市ボランティアは、東京オリンピック・パラリンピックの競技会場がある自治体が募集するボランティアスタッフです。

競技会場のある都道府県は、東京都をはじめ、神奈川県(横浜市・藤沢市)、千葉県(千葉市・一宮市)、茨城県、埼玉県(川越市・朝霧市・和光市・狭山市・新座市)、静岡県(伊豆市・小山町)、福島県。宮城県、北海道の9つ。

都市ボランティアの活動内容は、空港や駅、競技会場や観光地における観光案内がメインとなります。

オリンピックの成功にはマネジメントが欠かせない

オリンピックの運営をサポートする目的で、11万人を超える大会ボランティアと都市ボランティアが集められました。

一般的に、ボランティアスタッフは自発的な意思を持っているため、まとめるのが難しいとされています。

したがって、ボランティアスタッフをまとめてオリンピックを成功させるためには、マネジメントが重要です。

日本ボランティアコーディネーター協会の元代表理事で東海大の教授である妻鹿ふみ子氏によると、重要なのは

  1. 十分な研修が行われているかどうか
  2. 大会当日のサポート体制は十分かどうか
  3. 大会運営の請負事業者とボランティアの調整役がいるかどうか

の3つ。

総数11万人超のボランティアスタッフが活動する東京オリンピックでは、ボランティアスタッフと組織や団体との調整を図るボランティアコーディネーターによるマネジメントが欠かせないものとなるでしょう。

大会ボランティアの役割は?

大会ボランティアの役割は、大会の運営をサポートすること。

その活動分野は

  • 案内
  • 競技
  • 移動サポート
  • アテンド
  • 運営サポート
  • ヘルスケア
  • テクノロジー
  • メディア
  • 式典

の9つとなっています。

それぞれの分野の活動内容を簡単に紹介すると、案内の分野の活動内容は、競技会場や空港・ホテルなどで、観客や大会関係者の案内やサポートをすること、そして、競技の分野の活動内容は、競技会場や練習会場内で、競技に必要な備品の管理や競技の運営そのものに関わる活動をすることとなっています。

移動サポートの活動内容は大会関係者が会場を移動する際の移動をサポートするというものであり、アテンドは海外の要人等が日本で快適に過ごせるよう、接遇を行ったり、選手に対してコミュニケーションのサポート等を行います。

運営サポートは、競技会場や選手村でスタッフのユニフォームの配布やIDの発行、スタッフが活動を開始する際の受付等を行い、ヘルスケアはけが人の搬送サポートを行います。

テクノロジーは、通信機器の貸し出しや回収のサポート、競技会場内で競技結果の入力や表示を行い、メディアは国内外のメディアの取材サポートの他、記者会見の準備・運営等を行います。

そして、式典の分野は、各競技の表彰式で選手や大会関係者の案内や、メダル・記念品の運搬等を行います。    

One Teamで大会を作る

大会組織委員会のボランティア推進部、傳氏が重視しているのは「One Teamで大会を作る」ということ。

「誰かの指示を待つのではなく、自分で考えて動くことによって大会を作る」ということが、大会組織委員会が目指すボランティア像です。

したがって、東京オリンピック・パラリンピックでは、職員もボランティアも同じユニフォームを着用し、「フィールドキャスト」と呼ばれます。

職員がボランティアのシフト管理を行うものの、職員とボランティアに上下関係はありません。

また、ボランティアの中から「ボランティアリーダー」を選びますが、ボランティアリーダーの役割は出欠確認や現場での連絡のみ。

ボランティア間での上下関係もありません。

自発的な意思をもつボランティアスタッフと職員とが、コーディネーターによるマネジメントによって「One Team」としてうまく機能することが重要視されています。

まとめ

2020年に開催が迫る東京オリンピック・パラリンピック。

職員と11万人超というボランティアスタッフの活躍によって大会が成功に導かれるよう、テストイベントが重ねられています。

「One Team」として機能することができるよう、スタッフのマネジメントが重要です。

(TOP写真提供= kuremo / Shutterstock.com)


《参考記事一覧》

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