サッカーは世界各国で人気のスポーツですが、その市場規模はどれくらいなのでしょうか?
Jリーグの市場規模と海外のサッカーリーグの市場規模、そして、今後の予想について解説していきます。
Jリーグの市場規模は右肩上がり
国内サッカーリーグ、Jリーグ。
開幕は1993年と、まだまだ歴史は浅いですが、J1・J2・J3に所属するチーム数は、全部で55チームあり、日本のプロスポーツリーグの中で、2番目の売上規模を誇ります。
Jリーグが開示している情報によると、2017年度の売り上げは1,106億円。翌2018年度の売り上げは1,257億円。そして、2019年度の収益は1,325億円と、右肩上がりです。
Jリーグは地域密着を理念として地元を支援する活動を行っており、Jリーグ各チームの活躍で地域に経済波及効果がもたらされることが期待されています。
また、2017年にはDAZNが10年間、約2100億円の契約でJリーグの試合の生中継を行うことが決定。
ファンがいつでも、好きな時に観たい試合を観ることができる様になり、さらなるファンの増加が期待できます。
世界のプロサッカーリーグ、トップ20の収益は106億米ドルを突破
世界のサッカーリーグに目をむけてみると、世界トップ20の収益を誇るプロサッカークラブの2018年度の合計収益は106億米ドル(約1.1兆円)。
その収入はチケットやグッズ販売、広告収入や放映権料によるものですが、その44%を占めるのが放映権料です。
放映権料が多額となる理由として、テレビやネットにより、世界のどこからでも気になる試合を観戦できるようになったことが挙げられます。
欧州勢が好調
サッカーの発祥の地ということもあり、サッカーそのものが文化として定着している欧州。
世界トップ20のチームには、スペイン・イギリス・ドイツ・フランス・イタリアとワールドカップでも強豪国といえる欧州勢が揃っています。
ブラジルやアルゼンチンといったサッカー大国の国内リーグにもスター選手が揃っていますが、欧州トップクラスのクラブチームは世界有数の大企業がスポンサーとなっており、クラブチーム最高峰の戦いといえるチャンピオンズリーグや欧州最強国を決めるUEFA EURO(欧州選手権)、それぞれの国内リーグにカップ戦と、多くのファンが注目する熱い戦いが繰り広げられていることも熱狂的なファンが多い理由といえるでしょう。
マルチメディア戦略の展開でビジネス化に成功
欧州サッカーは、チケット販売による収入だけでなく、放映権料や広告収入、グッズ販売など、マルチメディア戦略を展開しています。
このマルチメディア戦略を展開したことが欧州サッカーのビジネスの成功につながったといえます。
チームの強化やブランド価値を高めることで収益が増え、その利益でより高額の契約金でスター選手を引き抜くことが可能に。
その結果、チームの強化が図れるようになったのです。
欧州サッカー界の移籍シーズンには、多くの人の注目が集まります。
たとえば、2017年にFCバルセロナからパリ・サンジェルマンに移籍したブラジル代表のネイマールの移籍金は290億円。
パリ・サンジェルマンは、強大な資金力を背景にネイマールというビッグネームを手にしたことで、ブランド価値をさらに上げることに成功しました。
一方、FCバルセロナは2013年にサントスからネイマールを約70億円で獲得しているので、ネイマールの移籍金、約290億円を手にしたことは、ネイマールの獲得に要した資金の4倍もの収益を得たこととなります。
ネイマールはブラジルのスーパースターであり、FCバルセロナでもメッシやスアレスと3トップを組んで絶大な人気を誇って活躍したので、その額も高額でしたが、その他の選手の移籍にも大きな金額が動いているのです。
今後の予想
Jリーグでは、欧州サッカーチームのような高額の移籍金を展開するのはまだ難しい状況です。
しかし、2019年シーズンにワールドカップやトップクラブで活躍したスター選手、A・イニエスタやF・トーレス、D・ビジャ、L・ポドルスキといったプレーヤーがピッチに立つなど、Jリーグの市場規模に興味を持つ外国人選手も増えています。
中でも、A・イニエスタは、移籍当時、スペイン代表選手でもあり、移籍直前までワールドカップのピッチに立ち、FCバルセロナではメッシやネイマールらと試合に出場していた世界最高峰の1人です。
その有名選手がJリーグに参入したことで、世界においてJリーグの注目度が一気に高まったといえるでしょう。
Jリーグは、DAZNと2017年から2026年までの10年間、約2,100億円の放映権契約を締結しましたが、2020年の新型コロナウイルスの影響で契約を延長し、その放映権料は2028年までの12年間で総額約2,239億円に上ります。
この放映権料を手に、Jリーグも大物外国人の招致やサポーターが満足していけるような仕組みを作っていくことが可能となるでしょう。
DAZNにはさまざまなチャンネルがあるため、これまでJリーグの試合を見なかったユーザーが、DAZNでJリーグの試合を視聴しJリーグに興味を持つ、という集客効果も期待できます。
まとめ
国内プロスポーツとしてまだまだ歴史の浅いJリーグですが、2019年には過去最高となる1,325億円の収益を上げています。
欧州ではチームのブランド力を高めることによって収益を上げ、トップクラブは巨額の移籍金を支払える資金力を持つほど。
Jリーグも大物外国人の獲得によって海外からの注目度が上がっています。
DAZNと高額の放映権料で契約したことを受け、今後、その市場規模はさらに拡大していくことが予想されます。
(TOP写真提供 = Sonpichit Salangsing / Shutterstock.com)
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