【ワールドカップ】海外サポーターへも広まりを見せ注目を集める「サポーターによるゴミ拾い」はいつから?

有名な選手たちの活躍に世界中が熱狂するサッカーのワールドカップ。
そんな選手たちの活躍の他に話題となるのが試合後のサポーターによるゴミ拾いです。日本人サポーターによるスタンドのゴミ拾いについて、耳にしたことがある方は多いと思いますが、近年では海外の複数の国のサポーターの間にもスタンドのゴミ拾いは広まっています。日本人サポーターによるスタンドのゴミ拾いはいつから始まったのでしょうか?この記事では、スタンドの清掃をするファンの姿について迫ります。

ワールドカップ敗戦後もゴミ掃除をする日本人サポーターの姿に注目が集まる

2018年に開催されたFIFAワールドカップロシア大会。

7月3日の日本対ベルギー戦では、強豪と言われるベルギー代表に2対3で敗退という結果に終わりました。

試合に負けて涙を流していた日本人サポーターも、この試合の後はやはりゴミ拾いを行い、ベルギーのサポーターに対してベルギーの勝利をたたえています。

また、ベルギーがこのあと対戦したブラジル戦の後も、日本人サポーターがスタンドのゴミ拾いをしている姿が報道されました。

ベルギー戦を突破してブラジルと対戦するのではないかと見込んだ日本人サポーターが客席の掃除をしたとされています。

この姿をとりあげた「ザ・サン」では、「彼らは日本戦の1試合1試合で一丸となって働き、最高のゲストとしての評判を確立した」「日本のサポーターは多くの称賛を受けている」と評しました。

敗退しても、変わらずゴミ拾いをする日本人サポーターの姿は、メディアから大きな注目を集めています。

日本人サポーターによる清掃活動は1995年のワールドカップメキシコ大会予選から

今では当たり前のように報道される日本人サポーターによるゴミ拾いですが、その始まりは、1995年に開催されたワールドカップメキシコ大会の予選大会です。

1995年のワールドカップメキシコ大会予選大会では、韓国との試合に勝利すればワールドカップへの初出場が決まるというところまで進みましたが、この試合に敗退。

この韓国戦敗退後、韓国人サポーターがスタジアムのゴミ拾いをする姿を目撃した「ウルトラス・ニッポン」のメンバーが、「サッカーでもサポーターとしても負けた」と感じたのがきっかけです。

そして、この試合後、日本人サポーター「ウルトラス・ニッポン」によるゴミ拾いが始まりました。

この「ウルトラス・ニッポン」のメンバーが始めたゴミ拾いは、サポーターの間で広まりを見せ、1997年に開催されたワールドカップフランス大会の最終予選の頃には、多くのサポーターに定着しました。

そして、応援に使用する青いごみ袋に、試合後はゴミを集めるサポーターの姿がスタジアムの観客席で見られるようになったのです。

海外各国のサポーターも日本人サポーターにならってゴミ掃除

2018年に開催されたFIFAワールドカップロシア大会では、日本人サポーターにならって複数の国のサポーターがゴミ拾いをする姿が報道されています。

メディアで紹介されたのは、日本代表と同じグループに所属していたセネガルのサポーターやウルグアイのサポータがゴミ拾いをする姿。

セネガルのサポーターはポーランドとの試合後にゴミ拾いをする姿が、そして、6月20日に行われたウルグアイ対サウジアラビアの試合後には、ウルグアイのサポーターが客席の下に落ちているゴミを拾い集める姿が伝えられました。

この報道の際、「日本人からアイディアを盗んだわけではありませんが、努力しなければならないことを学んだ」というサポーターのコメントも紹介されています。

また、6月19日に行われ、日本が勝利をおさめた日本対コロンビア戦では、日本人サポーターのゴミ拾いの様子だけでなく、コロンビアのサポーターがゴミ拾いをする姿が紹介されました。

試合に負けたにも関わらず、日本人サポーターにゴミ袋を分けてもらってゴミ拾いをする姿や、日本人サポーターに日本語で「おめでとう」と祝福の言葉を掛けてくれるコロンビア人サポーターの姿が「逆の結果で、僕らはできるだろうか?」というコメントとともに紹介されたTwitterには、「こういう姿を見ると、コロンビアの国も今後応援したくなります」などのコメントが多く寄せられました。

日本人サポーターのゴミ拾いの姿が高く評価され、海外のサポーターへと清掃活動の輪が広がっていくのはステキなことですね。

FIFAファン賞にもノミネート

FIFAワールドカップでは、スタンドのファンに贈られる「FIFA年間ファン賞」という賞があります。

2018年のFIFA年間ファン賞にノミネートされたのは、日本とセネガル、そして、ペルーのサポーターとチリ2部のサポーターであるセバスティアン・カレラ氏。

日本とセネガルのサポーターは試合終了後のゴミ拾い等が、そして、ペルーのサポーターは情熱的な応援が評価されてノミネートに至りました。

また、セバスティアン・カレラ氏は、アウェイの試合を観戦するために3000Kmを往復し、スタンドで1人応援する姿が評価され、ノミネートされました。

9月にロンドンで開催された「The Best FIFA Football Awards」でFIFA年間ファン賞に選ばれたのはペルーのサポーター。

36年ぶりに出場したワールドカップで見せたカラフルな景色と素晴らしい声援で世界中に感動を与えたことが絶賛されています。

日本代表のサポーターは、惜しくも受賞を逃しています。

まとめ

ワールドカップというと、フィールド上での選手たちの活躍やスタンドのサポーターの声援が目を引きます。

熱狂的な試合の後には、ついつい興奮してゴミを残してしまうこともあるかと思いますが、試合後のスタンドを日本人サポーターがキレイに清掃する姿が、感動を与えるものとして世界中から注目されています。

今、試合後にスタンドをキレイにする、という行動は日本サポーターから海外の複数の国のサポーターに広まりを見せています。

試合でピッチに立つ選手たちの活躍だけでなく、スタンドで応援するサポーターの姿にも注目したいですね。

(TOP写真提供 = Vietnam Stock Images / Shutterstock.com)


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