サッカーにおけるスポーツビジネスについて紹介

日本のプロスポーツのマーケット規模は、野球とサッカーを合わせても年間2000億円程度と言われています。

過去10年間を見ても、ほぼ横ばいで推移していると言うのが現状。

世界を見ると、サッカーだけでイギリス4000億円、ドイツ2800億円、イタリア2400億円、フランス1600億円とけた違いに大きく、今後も大きく伸びることが予想されています。

日本のプロスポーツビジネスは、現在は「ビッグビジネス」とは言われませんが、今後の創意工夫があれば、努力次第で、ヨーロッパ諸国と肩を並べる時期が来るでしょう。

今回はサッカーにおけるスポーツビジネスのあり方についてご紹介していきます。

Jリーグのサッカー収入源は?

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1993年、日本初のプロサッカーリーグ「Jリーグ」は開幕しました。

いわゆるJリーグ元年です。

当時の参加チームは10チームで「オリジナル10」と当時も、現在も呼ばれています。

またこの時、初年度から加盟を予定していた「ジュビロ磐田」はスタジアムの収容人数が、基準の1万5000人をみたさないこともあり、加盟を断念しています。

スポーツビジネスとして先発のプロ野球が抱える問題点や、組織だった運営で成功しているドイツのブンデスリーガを参考に下ことも後の成功へと導いたと言えそうです。

日本のプロスポーツだけでなく、海外にまで大きな影響を与えたJリーグですが、設立から20余年、これまで様々なことが起こりました。課題は?収入源は?

まず、収入源ですが、広告料や入場料、物販の三本柱で支えているのが現状です。これらをバランスよく増やしていくのが課題となってきます。

Jリーグの興行収入について

1993年のJリーグ発足1年目の1試合当たりの平均観客動員数は、1万7976人で、それまでの日本サッカーリーグ時代の27年間に及ぶ其れの3972人を大きく上回る人気となりました。

設立2年目には、現在でも1試合の平均観客動員数の最高となっつている1万9598人を記録したのです。

しかしそれを境に、その後は低下していきます。設立5年目には、1万131人まで落ち込むことに…。

こうした観客動員数が落ち込むだけでなく、商業収入と言われている、広告収入や、テレビの放映権収入にも影響してきたのです。

この年、清水エスパルスは、経営危機を迎え、また横浜フリューゲルスは、メーンスポンサーの全日空が赤字に陥り、さらには出資会社の佐藤工業も経営不振となり、撤退を表明するなどして横浜マリノスに吸収されました。

しかし、Jリーグ業界に新たな風が吹きました。それは、2017年の事業収入ランキングで明らかになったのです。

スポーツ配信サービス「DAZN(ダゾーン)」との契約によるものも大きいのですが、広告料収入が106.7%、入場料収入が105.3%を記録するなど、各チームの営業努力も強調されました。

さらに、この年は浦和レッズが79億7100万円の興行収入を記録し、Jリーグチームの中で1位に輝きました。

商業収入について

人気が低迷したJリーグは、2002年開催されました「日韓ワールド」をきっかけとして再び人気が急上昇します。

この時期、大きく変わったのは、ワールドカップ誘致のため、FIFAの基準に適応するため、日本国内各地に、巨大なサッカースタジアムが建設されたのです。

このスタジアムが建設され、観客動員数が急速に膨らみ始めるのです。

現在では1試合平均の観客動員数は、1万7000人程で推移しています。

そしてこれまで低下する一方だった商業収入もアップするようになったのです。

運営会社が、赤字や経営不振に陥った要因は、人気低迷による入場料や、広告収入、放映権などの収入源です。

こうした商業収入がアップ傾向となり、その上、選手の年棒も抑えられる傾向が見え始め、クラブも経営に乗り出し、Jリーグの体質もかなり様変わりしてきました。

放映権収入

スポーツがなければメディアは成立しません。

逆にいえば、メディアの協力がなければスポーツは成立しません。

このメディアを効果的に利用することがスポーツイベントやチームに成功をもたらすことにつながることは確かです。

いわばスポーツとメディアは、相互扶助の関係にあると言えましょう。

そこに一番大切な放映権という問題が浮上してきます。

2016年までは、スカパーが毎年40億円を払っていたため、NHK以外でも見ることができたのです。

それが2017年からDEZAとJリーグが契約したため、それが大きく変わってきます。

Jリーグの放映権とは、Jリーグの試合を放送する権利のことです。

これはJリーグの底上げする大きなメリットがありますが、飛び抜けた営業収益を持てるクラブが現れないデメリットもあるということです。

Jリーグの放映権は、2016年には、J1平均4.74億円、J!総額で40.42億円、雅2017年には、2倍以上の85.33億円と大幅に膨れ上がっています。

Jリーグのクラブは、赤字経営が多いのは? その理由について

J1リーグにおいてのクラブ赤字経営は、ここ数年膨れ上がっています。

それは毎年悪化していると言っても過言ではないでしょう。

(勿論クラブによっては大きく違いますが)理由としては、Jリーグ規約の厳しさにあると多くの人は指摘します。

規約の厳しさは、他のスポーツも同じですが、Jリーグにおいてはその影響をかなり受けているようです。…それがリーグを結束している要因とも言えますが。

その代表的と言えるのがチームの名前に、企業名を冠することを厳しく禁止していることと言えましょう。

これでは、スポンサー企業としてのメリットは半減するので、二の足を踏むこととなります。

経営改善委は、「収入を増やす」「費用を抑える」のどちらかをドラスチックに行うことが一般的ですが、それも限度があり難しい所といえますね。

DAZNとの契約によるコンテンツ価値の向上

DAZN[ダ、ゾーン]とは、イギリスに本拠を置く、世界最大級のスポーツコンテンツを提供しているパフォームグループという会社の発信するライブストリーミングサービスです。

最近ではNTTドコモがこのサービスを始めたので耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

サッカーを始め、野球、テニス、ラグビー様々な試合や、番組の提供を行っています。

Jリーグは、2016年イギリスのDAZNと放映権について、10年間で総額2100億円と言う大型契約を締結しました。これは画期的な出来事と言えましょう。

この契約で、コンテンツの価値が向上することは確かで、スマホ、タブレットでもスポーツの試合、番組を見ることができます。

サッカー以外の事業に参入!大いに活躍している鹿島アントラーズ、湘南ベルマーレ

Jリーグにおいて、Jリーグ以外の事業で、地域や子供たちのために活動しているのが、「湘南ベルマーレ」「鹿島アントラーズ」です。

湘南ベルマーレは、1968年前身藤和不動産サッカー部、フジタ工業サッカー部で、2000年湘南ベルマーレと改称しました。

ベルマーレはラテン語で美しいという意味です。Jリーグのチームを始め、ビーチバレー、トライアスロン、サイクリング、フットサル、ラグビー、ビーチサッカー、子どもたちのスポーツ座学など多方面で活動しています。

鹿島アントラーズは、1947年、住友金属蹴球団として創部、1975年茨城県加島町閉店しました。

ナビスコカップ、天皇杯全日本選手権、Jリーグの三冠王を獲得するなどJリーグの王者的存在。茨城県鹿島アントラーズのスタジアムを地域のために開放、地域住民とともに、共存しています。

まとめ

サッカーは、世界最大のスポーツです。サッカーほど世界のどの国でも広く行われているスポーツは、ほかにありません。

国際サッカー連盟(FIFA)に加盟している国と地域は、200を超しています。

世界に比べると、日本でサッカーが流行したのは東京オリンピック後と、少々遅めではありましたが、今では日本のサッカーも世界に負けないほどの強さを誇っています。

サッカー業界におけるスポーツビジネスの今後に期待の念を抱いている人も少なくないと考えています。


【参考文献】

スポーツビジネス最高の教科書 平田竹男 東洋経済新報社


【参考サイト】

Jクラブ経営を支える“3本柱” サポーターも知っておくべき収益構造の基礎知識

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