昨今、東京オリンピックの種目にゴルフが採用されたこともあり、ゴルフに関わる仕事をしたいと思っている人もいるのではないでしょうか。
ゴルフに関わる仕事としては、ゴルフ場への就職も選択肢の1つですが、競技で使用する道具をつくるメーカーでの仕事に就くという方法もあります。
しかし、今、ゴルフ業界自体の将来も危ぶまれています。
一体ゴルフ業界でなにが起こっているのでしょうか。
この記事では、業界を取り巻く環境と他業種の仕事内容などについて詳しく紹介します。
ゴルフ業界を取り巻く環境は?
現在、ゴルフ業界では、かつて市場に参入していたアディダスやナイキといったメーカーの多くが撤退しています。
多くのメーカーがゴルフ市場から離れ、ゴルフ用品の生産を止めてしまった理由には「クラブに使用される素材が進歩し、飛距離が伸びやすくなった」ためということがあげられます。
今のゴルフクラブは、どのクラブを使っても長い飛距離を出せるようになっているため、ルールとしてボールをあえて「飛ばなくする」ための規制が設けられているほど。
つまりは「クラブを買い替えても同じ」「クラブを買い換える必要性がない」と消費者が認識しているということです。
これによって、商売としての利益が見込めず、将来性があまりないと判断した各種メーカーがゴルフ市場から撤退し、アディダスもゴルフ用具ブランドの「テーラーメイド」他社へ売却しました。
ゴルフ用具の市場は、今後さらに縮小されていくと予想されています。
市場規模
先述したように、ゴルフ用具の市場は、素材や技術の進歩によって縮小傾向にあります。
2011年には、アメリカのフォーチュン・ブランズ社が、ゴルフボールの製造で世界No.1のシェアを誇っていたタイトリスト社を12億ドルで売却していますが、アディダスも自社が保有していたゴルフ用品の3ブランドを、かつての買収額の4分の1程度の価格で売却。
ゴルフ市場から大手メーカーが次々と撤退していく中、各社は自社の負担になりうるゴルフ用品ブランドをいかに切り離すかに躍起になっています。
つまりゴルフ市場は、今後、規模がさらに縮小していく可能性が予測されます。
しかし、以前より規模が小さくなっているとはいえ、まだまだ大きい市場であることは確かです。
先行きに閉塞感が漂っていることは確かなので、「いつどうなるか分からない」ということを念頭に入れておいた方がいいとは思われますが、「現状に賭けてみたい」という人は、ゴルフメーカーへの就職もいいでしょう。
「ゴルフに関わりたいが、市場規模が縮小傾向にあるゴルフ業界は嫌だ」という方は、メーカー以外の就職先も考えておきましょう。
ゴルフ業界にはどんな仕事がある?
ゴルフ関連事業には
- ゴルフ用品メーカー
- ゴルフインストラクター
- 予約代行業
などの仕事があります。
それぞれの仕事について、簡単に紹介します。
ゴルフ用品メーカー
ゴルフ用品メーカーは、クラブやボールなど、ゴルフ用品を製造している会社です。
先述した通り、ゴルフ用品メーカーの市場規模は縮小傾向にあり、先行きに閉塞感があります。
ゴルフインストラクター
ゴルフインストラクターは、ゴルフで飛距離を伸ばす方法や基本知識について教える職業です。
レッスン以外にも施設やショップの経営などが必要なところもあります。
インストラクターだけに絞って仕事をしたい、という方は、インストラクター専門業務で載っている求人へ応募しましょう。
予約代行業
予約代行業は、ゴルフ場の予約を代行するサービスです。
入社難易度が高い代わりに、待遇は良好。
出世次第では、年収1000万円も可能です。
ただし、この業種はウェブでの予約サイトを運営するので、長時間労働は避けられず、仕事上ではゴルフ場よりも弱い立場にあります。
有名選手が使っているゴルフ用品はどこのメーカー?
では、ここで少し話題を変え、各有名選手が使用しているゴルフ用品はどこのメーカーが作っているのかを見ていきましょう。
松山英樹
松山英樹選手が使用しているクラブは、ピンやキャロウェイゴルフ、クリーブランドといった各種ブランドが製造しているウェッジやドライバーもありますが、フェアエイウッドやアイアンの多くがダンロップやテーラーメイド製です。
タイガー・ウッズ
タイガー・ウッズは、ナイキのゴルフ用品をメインで使っています。
彼がトラブル続きで伸び悩んだ時でも決して見捨てなかった企業としてナイキは有名になりました。
ナイキが市場から撤退した後はテーラーメイドと契約して、同社のクラブを使用しています。
石川遼
「ハニカミ王子」として有名になった石川遼。
彼は現在、おもにキャロウェイのクラブを使っています。
2019年のSMBCシンガポールオープンでは、各種クラブのセッティングが明らかになっています。
ゴルフ業界で働くメリットは?
ゴルフ業界で働くには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ひとつずつ見ていきましょう。
有名選手と関わるチャンス
ゴルフの各選手は、契約しているメーカーが製造したクラブを使用しています。
そのため、メーカーで働いていれば、有名選手と関わる機会があるかもしれません。
無料または社員価格でラウンドが可能
ゴルフ場で勤務する場合、勤め先で無料、または社員価格でラウンドすることができます。
仕事上の立場としては強い
ゴルフ場には、ゴルフ用品メーカーをはじめ、食品メーカーなど多種多様な業者が出入りしています。
そして、ゴルフ場は彼らから営業を受ける立場にあるため、仕事上の立場としてはそれなりに強い立場にあります。
努力した分が返ってくる
予約代行業は、ゴルフ関連業種のなかで最も利益を上げている仕事であると考えられています。
完全な実力主義で回っているので、力をつけて出世していきたい方に、おすすめです。
まとめ
以上、ゴルフメーカーからゴルフ関連業種の解説をしてきました。
先述したように、現在のゴルフ用品の市場は縮小傾向にあります。
もしゴルフに関わる仕事で将来性も考えるのであれば、練習場や予約代行などを検討するといいでしょう。
「長時間労働は嫌だ」といった方で、業界の将来性をあまり重視しないのであれば、練習場やメーカー勤務という選択肢があります。
どれが自分に合っているか、どの職に就きたいかをよく考えて、仕事を選ぶようにしましょう。
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