【オリンピック】4年に1度なのはなぜ?開催時期が決められた理由とは

夢と希望に溢れたスポーツの祭典「オリンピック」。世界中が注目し、アスリートたちがそれぞれの想いをのせてしのぎを削ります。現在、オリンピックは4年に1度開催されていますが、以前は少し違ったようです。オリンピックが4年に1度開催されるようになったのはいつからなのか、なぜ4年に1度になったのか、調べてみました。オリンピックの持つ意味についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

古代オリンピックは「平和の祭典」ではなく「宗教行事」として開催

Olympics
Torch
Ancient Olympic games
写真提供 = Ververidis Vasilis / Shutterstock.com

「オリンピック=平和の祭典」と認識している方が多いと思います。

しかし、古代オリンピックはオリンポス12神として崇められていた主神ゼウスに捧げる大会であり、宗教行事としての意味あいが強かったといわれています。

古代オリンピックでは神々を称えるための4つの大競技祭が催されていましたが、このうち、エリス地方のオリンピアで行われていた競技祭が、後のオリンピックとして継承されたといわれています。

ご存知の方が多いと思いますが、1896年に第1回近代オリンピックが開催された都市はギリシャのアテネです。このオリンピックの目的は世界平和であり、宗教的な考え方は存在していませんでした。

古代と現代のオリンピックでは、考え方や目的が異なっているといえます。

古代オリンピックは8年ごとの開催。開催時期は?

前述したように、古代オリンピックと現代オリンピックでは考え方・目的が異なっていますが、古代オリンピックは8年に1回の開催でした。

この8年という年月は暦が関係しています。

古代ギリシャでは、太陽暦と太陰暦を活用していましたが、太陽暦での8年は太陰暦では8年3か月となります。

つまり、8年で3か月の「ズレ」が生じていたことから、この期間を利用してオリンピックが開催されていたのです。

しかし、この3か月という期間は長すぎたため、4年目に1ヶ月間、さらに4年が経過した時に2か月という流れで、季節のズレを調整するようになりました。

これが、現代のオリンピックの開催時期の原型であり、4年に1度オリンピックが開催されるようになった理由です。

このとき、オリンピックの開催時期も「夏至後の2度目か3度目の満月の日」と決められました。

開催時期が決められた理由は、当時のギリシャの事情が関係しています。

当時、ギリシャは1000を超える「ポリス」という独立国家の集合体で作られていました。

ポリスで活用される暦はそれぞれ異なるものであったため、「夏至後の2度目か3度目の満月の日」と決めることによって、オリンピックの開催時期が分かりやすいようにしていたといわれています。

オリンピックは一度無くなった!?

4年に1度開催されるオリンピック。初めてオリンピックが開催された時期は紀元前9世紀頃といわれていますが、古代には、オリンピックが無くなった時期もありました。

オリンピックが無くなってしまった理由は、紀元前146年、当時繁栄を極めていたローマ帝国が古代ギリシャを征服したためです。ギリシャがローマ帝国に征服されたことによりキリスト教が国教となり、宗教行事として崇められていた古代オリンピックの開催が難しくなったためです。

古代オリンピックとして復活したのは、紀元前776年。当時繁栄していた都市国家エリスのイヒテス王によって復活されました。過去に催されていたオリンピックのルールや進行方法など、全く記録に残されていなかったため、イヒテスは初めからオリンピックのすべての事柄を見直したとされています。

オリンピックは、1896年に近代オリンピックの父、ピエールの提唱により近代オリンピックとして復活しますが、近代オリンピックも3度の戦争で中止されています。

1度目は、1916年のベルリンオリンピック。第1次世界大戦が勃発していたため中止となりました。

2度目は1940年の東京オリンピックです。このとき、日本は中国との間で激しい戦争を繰り広げていました。後に語り継がれる日中戦争です。そして、3度目は1944年のロンドンオリンピックです。第2次世界大戦が勃発したことによって中止されました。

このように、オリンピックが無くなった時期もありましたが、現代まで受け継がれてきた経緯として、オリンピックが単なるスポーツの祭典というわけではなく、世界の平和を象徴するための祭典であることを世界中の人々が望んだからでしょう。

オリンピックがうるう年に開催されるのには理由がある?

オリンピックはうるう年に開催されていますが、この開催年がうるう年になっていることは偶然に過ぎません。オリンピックがうるう年に開催されるようになったのは、古代の王イヒテスがオリンピックを復活させる際に定めた開催時期がうるう年であったためです。

イヒテス王は、オリンピックの開催時期を4年に1度、そして、太陰暦で49か月と50か月ごとに、それぞれ1度ずつ開催するという内容で決定したといわれています。

オリンピックが4年に1度開催されることとうるう年が4年に1度ということが偶然に重なって、現代のうるう年にオリンピックが開催されるようになったのです。

まとめ

近代オリンピックの父とよばれたフランスのピエールは、スポーツを通して世界が平和であることを望み、世界平和を提唱しました。

この考え方は、国際オリンピック委員会(IOC)によって現代でも受け継がれています。

古代オリンピックの競技種目は競歩のみだったといわれていますが、年月を経るごとに規模も競技数も増え、現代のオリンピックでは、さまざまな競技が実施されます。

2020年には東京で開催されるオリンピック。

オリンピックが4年に1度になった背景やオリンピックの目的を知ることで、また違った楽しみ方ができそうです。

(TOP写真提供 = EQRoy / Shutterstock.com)


《参考記事一覧》

オリンピックが四年に一度の理由、古代は周期が違った(雑学.com)

4年に一度 オリンピックが開かれる理由(一般社団法人 数理暦学協会)

4年に1度開催されるのはなぜ?意外と知らないオリンピックの成り立ち(OLYMPIC CHANNEL)

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