2018年に開幕した卓球のTリーグ。
開幕した当初からSNSによるプロモーションに取り組んでいることがとりあげられるなど、スポーツビジネスの面からも注目されています。
Tリーグとはいったいどのようなリーグなのか、そして、どのようにSNSを活用しているのかなど、卓球Tリーグにみるスポーツビジネスについて迫ります。
2018年10月にTリーグが発足
2018年10月24日、両国国技館で開幕した卓球「Tリーグ」。
スタート時のメンバーに世界ランキング50位以内の選手が女子で13人、男子で16人参加するなど、高いレベルを誇るリーグとしても知られています。
Tリーグが発足した背景には何があるのか、また、ドイツの卓球リーグを手本として作られた仕組みとはいったいどのようなものなのか、Tリーグが掲げている理念とはどういうものなのか、分かりやすく解説します。
発足の背景
Tリーグの発足の背景には、2008年の北京オリンピックがあるとされています。
北京オリンピックでは、男女ともに卓球の種目でメダルを逃しました。
その結果を受けて、「メダルをとるためにはプロリーグのようなものが必要なので はないか」という声が上がったことがTリーグ設立の背景にあります。
その後、2010年に「日本卓球トップリーグ発展ステディチーム」が発足、そし て、2012年に「プロリーグ設立検討委員会」、2015年に「プロリーグ設立検討準備 室」が立ちあげられ、2017年に一般社団法人Tリーグが設立されました。
ドイツの卓球リーグを手本とした仕組みづくり
Tリーグ設立に際し、手本とされたのがドイツの卓球リーグです。
ドイツの卓球リーグは1部から8部に分けられるピラミッド型となっています が、その中でも1部と2部については、「ブンデスリーガ」と呼ばれています。
「ブンデスリーガ」は、男女ともに1部に10チーム、2部に北部・南部にそれぞ れ11チームずつが所属。
総当たり戦で順位を決定します。
シーズン終了時、1部リーグの下位2チームが2部リーグに降格し、2部リーグ の1位2チームが1部リーグへ昇格する仕組みです。
各国から選手が集まるため、高いレベルのリーグとしても知られています。
この仕組みをお手本としたTリーグは、男女4チームずつ、各チーム6名以上の 選手での構成。
ワールドツアーや世界選手権といった大会と重複しないよう、リーグの開催 期間は1月の選手権開催期間を除く10月から3月と定められています。
Tリーグの掲げる3つの理念
Tリーグはその理念として
・世界No.1の卓球リーグを実現する
・ 卓球のスポーツビジネス価値を高める
・卓球を通じて人生を豊かにする
の3つを掲げています。
この理念には、世界トップレベルの選手の参加によって、レベルの高い試合を 行うということ、そして、卓球をみることによって感動体験を作り、あらゆる年代 の方に実際に卓球を楽しんでもらうことで健康寿命を延ばすという意図が込められ ています。
SNSを活用
Tリーグは、リーグ開幕当初からSNS企業と提携してSNSプロモーションに取り組んでいます。
そのプロモーションの手段として使用されているのは、公認アプリのTik TokやTwitter、インスタグラムなど。
それぞれの方法でどのようなプロモーションをしているか、詳しく紹介します。
公認アプリTik Tokを利用したプロモーション
公認アプリに認定されているTik Tokとは、スマートフォン向けのショートムービーアプリです。
Tik Tokではパンフレット動画や試合の見どころ、選手のオフショットといった情報をみることができます。
また、Tリーグの観戦チケットプレゼントキャンペーンなどをおこなうなど、Tik Tokを利用したさまざまな取り組みがなされています。
Twitter・インスタグラムを利用した情報発信
Tリーグでは、公認アプリのTik Tokを利用した情報発信に加え、Twitterやインスタグラムを利用した情報発信をおこなっています。
Tリーグ公式のアカウントもありますが、SNSによる戦略が上手なのがT.T彩たまです。
大会の結果をはじめ、イベントの様子などを情報を1日1回以上投稿しています。
日常を垣間見ることができる内容となっていて人気です。
卓球競技を身近に感じる複合型卓球スペース
Tik TokやTwitter、インスタグラムの利用によってTリーガーを身近に感じ、卓球への親しみを持つ方を増やすプロモーションに取り組んでいるTリーグ。
Tリーグ以外にも、さまざまな年代の方が卓球を身近に感じて楽しめるスポットが次々に出現しています。
T4 TOKYO
「T4 TOKYO」は、2017年6月に渋谷にオープンした卓球の複合型施設です。
T4 TOKYOには、レストランやバー、卓球スクールなどが併設されていて、卓球はもちろん、様々な楽しみ方ができます。
T4 TOKYOの卓球スクールでは、元日本リーガーによる指導を受けることも可能です。
中目卓球ラウンジ
中目卓球ラウンジは、卓球部だったオーナーが始めた目黒川近くにあるバーです。
卓球場としてスタートした中目卓球ラウンジですが、現在では卓球をしながらバーでお酒も楽しめるお店として人気があります。
渋谷卓球倶楽部 PINGPONG×Café
渋谷卓球倶楽部 PINGPONG×Caféは、渋谷にある卓球スポットです。
店内にあるCaféで、軽食やデザートからお酒まで楽しむことができます。
まとめ
Tik TokやTwitterなどのSNSを利用したプロモーションにより、親しみやすさを感じられる存在として人気の高いTリーグ。
そして、Tリーグの取り組み以外にも、複合型の卓球施設の存在によって、あらゆる年代に卓球を身近に感じてもらう取り組みが進められています。