情報通信業大手のNTTドコモ。スポーツ業界への参入は、IT企業の中でかなり積極的といえます。NTTドコモのスポーツビジネスは、スタジアムコンテンツだけでなく、コンテンツ配信の側面でも充実させようとしているのです。この記事では、NTTドコモのスポーツビジネスを紹介し、どのようなことに高レベルの技術を使っているのか解説します。
実はもともと深い関係にあった!?NTTドコモとスポーツビジネス!
NTTドコモと、スポーツビジネスは、実は深い関係にありました。様々なコンテンツを提供、また、色んなチームとのスポンサー契約を結んでいます。
「DAZN(ダ・ゾーン)」との協力
NTTドコモのCMで、DAZNについて流れていたのは記憶に新しいところでしょう。DAZNは、スポーツ配信国内最大のサイトです。Jリーグはもちろんプロ野球、テニスなど様々なスポーツを定額で見ることのできるサービスを展開しています。
スポーツ映像配信最大「ダゾーン」は、通常月額1,750円で、あらゆるスポーツを観戦できます。この素晴らしいサービス、ドコモユーザーは、980円になっています。約半額でスポーツ観戦が楽しめるのです。
結果、開始から1年1ヶ月で会員数100万人突破。その後も着実に利用者を増やし続けています。
Jリーグとのトップパートナー契約
NTTドコモは、大宮アルディージャのトップパートナーとして、支援を行っています。パートナーとしてだけでなく、本拠地の「NACK5」スタジアムのスマート化を進めているのです。
スマート化のコンセプトは、「ひろがる、つながる、楽しめる」です。スタジアム内でのインターネット利用を快適にするのをスタートにしています。スタジアムに来た観戦客を楽しませるコンテンツを配信。
ゴールとしては、観戦客の興味を、スタジアム周辺地域まで広げることです。
デジタル技術を駆使し、選手や試合の魅力を発信。スタジアム来場を推進し、地域との結びつきをより強固なものにしていくことを目標としています。
ラグビーでもパートナー契約
NTTは、ラグビーチームも所持しています。大阪をホームとするチームです。
最初は、NTTドコモ関西が所持していましたが、2009年からNTTドコモ本体が所持しています。
2010年度には、トップウエストAリーグで優勝、その後トップリーグに進出していました。その後、成績が振るわずトップウエストに降格していますが、最高峰の舞台で戦えるポテンシャルを秘めたチームです。
Jリーグのチケットがドコモのケータイで支払えるサービスも開始されていた!
NTTドコモの施策として、Jリーグチケットサイトで、dポイントを使用可能にしたことが挙げられます。
dポイントを使うことによって、チケットをお得に買えるようにしたのです。さらに、全国210のドコモショップをJリーグ応援店舗にし、本格的にJリーグを応援するというスタンスを明らかにしました。
現在主流となっているデジタル決済。それらを活用し、チケットを購入できるようにして、売上アップを図っているのです。
スポンサー契約だけじゃない!NTTドコモとスポーツはケータイの特性を生かしたビジネスへ!
NTTドコモのスポーツビジネスは、スポンサー契約だけではありません。スポーツ&ライフビジネス推進室という部署を設置。スポーツとの融合をもっと広げようとしています。
これらの取り組みは、2020年のオリンピックを皮切りにはじまるスポーツビジネスの発展に期待したものです。
オリンピックという世界最大のスポーツ大会が開催されるため、国内のスポーツビジネスは今後さらに盛り上がることでしょう。その流れに期待し、乗っていこうと考えています。
5Gの特性を活かすスポーツビジネスとは?
NTTドコモの高速通信網5G。スポーツビジネスにおいてもそのシステムを活用し、様々なコンテンツ開発とサービス提供をしようとしているのです。
たとえば、8K映像中継。超高速通信技術で、8Kの超高画質放送を可能にしています。
また、スタジアムの高速インターネットとアプリ開発を行っています。
どういうシステムかというと、スタジアムにいるそれぞれの人が違う映像をみたり、リアルタイムにいろいろな情報を拾えるといったものです。
また、観客のSNS発信を支援し、観戦客からの情報発信を活発化させることで、巨大コンテンツにしようという流れがあるのです。
試合を楽しむところに目を向けると、リプレイを見るのもスマホで…しかも動画で見えるようにすることで、観戦をよりスムーズにできるようにしようとするものです。
また、現地での観戦のネックである、解説のなさを解決するために、解説をリアルタイムに発信させ、ライトファンにも来場してもらえるようにすることも目標としています。
フードやトイレに並ばなくてもいいように
高速情報通信システムによってできることは、観戦の充実だけではありません。例えば、座席でフードや応援グッズを注文すると、席にとどけてくれるサービスの展開も考えられています。
実施例では、大宮アルディージャのホームで、予約制のファストレーンを設置。優先的に買い物できるようにすることで、顧客満足につなげています。
そして、5G技術を使い、将来的には、トイレを並ばずに入れるようにするといった目標があるようです。
NTTドコモがJリーグと共にVR世界に挑戦!新時代のスポーツ観戦方法!
NTTドコモは、JリーグとともにVR開発を行っています。狙いは、スタジアムの臨場感とテレビ観戦の手軽感を合わせたコンテンツを提供することで、もっとサッカーを楽しんでもらうことです。
VR空間でのJリーグ観戦は、ゴーグルとタブレット専用アプリで試合観戦が可能です。現場では、8台のカメラで試合を中継。色んな角度からの映像を組み合わせて観戦が可能になります。
VR機能の特徴として、スタジアムに来ている人よりも選手を近くで見れることも挙げられます。選手の近くでみれることで、より迫力のある観戦が可能になります。
さらに、視点を自由に変えられるので、没入できるのもポイントです。お気に入りの視点で観戦することで試合にのめり込むことができるのです。
また、試合情報を発信。生観戦では得られない選手と試合の情報をキャッチできるので、より詳しく試合を観戦できるのです。
そして、アバターを使って会話しながら観戦できるので、友人や仲間と盛り上がれる観戦スタイルでもあるのです。
そのうえ、出前の注文も可能にすることで、サッカーを見る楽しみをより多様化できるシステムを開発しています。
まとめ
情報通信事業の国内最大手の「NTTドコモ」は、かねてより、DAZNと連携するなど、スポーツビジネスへの参入には積極的でした。
現在は、スタジアムコンテンツの充実のための高速情報通信システムだけでなく、VRによる観戦技術も開発しています。
NTTドコモの技術が、今後のスポーツ観戦に大きな影響を与えることは間違いなさそうです。
《参考記事一覧》
NTTグループによる「スマートスタジアム」サービス 第一弾(NTT)
5Gでスポーツがもっと楽しくなる? 8KやVRだけじゃない、トイレ待ちも解消!?(AVwatch)