テニスは、世界的に人気のある競技であり、錦織圭選手や大坂なおみ選手をはじめとする日本人選手の活躍により、日本のテニス界も盛り上がりを見せています。
そこで、日本や世界のテニス競技人口数はどれくらいなのか、調べてみました。
また、日本のテニス人口に起きている問題や、解決のポイントになる「あるもの」も紹介。
テニスの競技人口について理解が深まる内容なので、ぜひ最後までお読みください。
世界のテニス競技人口
全米オープン(アメリカ)やウィンブルドン(イギリス)、全仏オープン(フランス)や全豪オープン(オーストラリア)の4大大会で知られるテニス。
その、世界の競技人口数は約1,1億人といわれています。
世界人口が約77億人なので、約70人に一人の割合になりますが、これはバスケットボール、サッカー、クリケットに続いて4番目に多い数字です。
そして、上位3つのスポーツは団体競技であることから、個人競技のなかではテニスの競技人口数が最多といえるでしょう。
日本のテニス競技人口
2020年に公益財団法人 日本テニス協会が発表したデータによると、日本のテニス人口は、約343万人。
これは笹川スポーツ財団が実施した2017、2018年の調査結果と同じであり、2012年の調査時の結果と比較して30万人減少したことが分かります。
また、プレー頻度をみると、2018年の調査では全成人のうち、年1回以上テニスをプレーした人の割合は2.5%。
2016年は3.3%だったので、2年間でやや減少したことが分かります。
全体的な傾向から見ると2006年からの調査で最も低く、3%を割るのも2012年以来2回目となりました。
年1回以上テニスをプレーする人の割合
2006 | 2008 | 2010 | 2012 | 2014 | 2016 | 2018 |
3.3% | 3.9% | 3.8% | 2.9% | 3.0% | 3.3% | 2.5% |
以上のことから、テニス人口は減少傾向にあることがわかります。
テニス人口の増減とアニメ作品
競技人口の減少がすすむテニスですが、それに歯止めをかけるものとして、漫画やアニメがあります。
バブル時代終了と共に右肩下がりとなったテニスの競技人口ですが、1998年に放送開始されたテニス漫画、「テニスの王子様」によって、競技人口が増えます。
「テニスの王子様」は、当時の小中高校生に大きな影響を与え、放映開始から3年間に渡り、テニスの競技人口が増え続けました。
この流れはメディアにも取り上げられ、テニスブームが巻き起こったのです。
ブーム終了後、再び下降線をたどっていたテニスの競技人口ですが、2007年に連載がスタートしたテニス漫画「ベイビーステップ」と錦織圭選手がプロ転向したことによって、3年間に渡り、増加に転じました。
以上のことから、テニス人口の増加には漫画やアニメ作品が大きく影響するといえるでしょう。
都道府県別のテニス人口
日本のテニス競技人口は、地域によって差が大きいのも特徴です。
2016年に総務省が実施した社会生活基本調査によると、10歳以上のテニス人口が一番多いのは東京都で84万人。2位以下は、神奈川県の52.6万人、大阪府の38万人、愛知県35.4万人、埼玉県34.7万人と続きます。
10歳以上のテニス人口(2016)
順位 | 都道府県 | テニス人口 |
1 | 東京都 | 84万人 |
2 | 神奈川県 | 52.6万人 |
3 | 大阪府 | 38万人 |
4 | 愛知県 | 35.4万人 |
5 | 埼玉県 | 34.7万人 |
普及率の1位は東京都、そして、2位以降に神奈川県、千葉県、三重県、奈良県と続き、関東、東海、関西の都市部で盛んにプレーされていることがわかります。
テニスといえば、避暑地やリゾート地でプレーするイメージをもっている方もいるでしょうが、実際には都市部の人が集まりやすい場所の方が競技人口が多いといえるでしょう。
関東、東海、関西の実施率が高い一方、東北地方ではあまり普及していません。
25歳以上のテニス実施率をみると、山形県は47位、青森県は46位、宮城県は44位、秋田県は41位、岩手県は39位、そして、東北に近い新潟県は43位、福島県は36位となっています。
県民総数における25歳以上のテニス人口割合(2018)
47位 | 山形県 | 1.24% |
46位 | 青森県 | 1.25% |
45位 | 高知県 | 1.38% |
44位 | 宮城県 | 1.71% |
43位 | 新潟県 | 1.76% |
42位 | 長崎県 | 1.77% |
41位 | 秋田県 | 1.80& |
40位 | 沖縄県 | 1.83% |
39位 | 岩手県 | 1.87% |
38位 | 福井県 | 1.98% |
37位 | 熊本県 | 2.03% |
36位 | 福島県 | 2.05% |
競技者を増やすためには、競技人口が少ない地方へのアプローチが求められるでしょう。
年代別・男女別テニス競技人口
続いて、年代別、男女別のテニス競技人口を分析していきましょう。
年代別に見るテニスの競技人口
成人のテニス競技人口における各年代の割合を見ると、男性では20代、女性は40代が一番多いことが分かります。
男女別テニス人口における年代割合(2001)
性別 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 |
男性 | 34.1% | 26.7% | 20.9% | 12.1% | 5.1% | 1.1% |
女性 | 39.4% | 27.5% | 19.8% | 10.0% | 2.7% | 0.6% |
男女別テニス人口における年代割合(2016)
性別 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 |
男性 | 31.1% | 17.7% | 21.7% | 12.7% | 9.8% | 7.0% |
女性 | 25.2% | 19.9% | 26.8% | 12.2% | 10.4% | 5.6% |
2001年のデータと2016年のデータを比較すると、50代以上の割合が、男性で2001年に18.3%だったのに対し2016年には29.5%と増加。そして、女性も2001年は13.3%から28.2%と倍以上になりました。
また、70代以上の割合も男性は1.1%から7%、女性が0.6%から5.6%とやはり増加しています。
以上のようなことから、テニスをプレーする人の年代が確実に上がってきているといえるでしょう。
男女別にみるテニス競技人口
男女別にテニス競技人口をみていきましょう。
総務省の「社会生活基本調査」によると、2016年の成人のテニス人口は男性が56.2%、女性が43.8%となっており、男性の割合が多いことが分かります。
また男性は20代が、そして、女性は40代のプレー人口数が多いことが分かります。
男性の年代別競技人口割合
年・年代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 |
2001 | 34.1% | 26.7% | 20.9% | 12.1% | 5.1% | 1.1% |
2011 | 29.9% | 17.6% | 22.1% | 15.0% | 10.9% | 4.4% |
2016 | 31.1% | 17.7% | 21.7% | 12.7% | 9.8% | 7.0% |
女性の年代別競技人口割合
年・年代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 |
2001 | 39.4% | 27.5% | 19.8% | 10.0% | 2.7% | 0.6% |
2011 | 25.8% | 21.4% | 26.6% | 14.3% | 9.5% | 2.4% |
2016 | 25.2% | 19.9% | 26.8% | 12.2% | 10.4% | 5.6% |
2001年からの年代別構成比の推移をみると、20代の競技者割合が男性は2001年の34.1%から31.1%と3%の減少したのに対し、女性は34.4%から25.2%と9%近く減少。 また、30代も男性が26.7%から17.7%へ、女性が27.5%から19.9%へと低下しており、女性の参加率減少が著しいことが分かります。
まとめ
世界的に人気のスポーツであるテニスですが、日本に目を向けると競技人口はやや減少傾向にあります。
競技人口の増加には、若い世代の参加と継続がポイントとなっているといえるでしょう。
(TOP 写真提供 = Mikael Damkier / Shutterstock.com)
《参考記事一覧》
ハンパじゃない。錦織圭「世界8位からの戦い」|テニス(集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva)
世界と日本でこんなに違う!スポーツ競技人口を英語で語ろう!(English Lab(イングリッシュラボ)┃レアジョブ英会話が発信する英語サイト)
統計データで確認! テニスの参加人口(にいがたの地域活性化を応援するブログ)
令和元年度 テニス環境等実態調査 報告書(公益財団法人 日本テニス協会)
テニススクールの集客にはどのような手法が有効なのか(集客を身近にする「キャククル」)
平成28年度 テニス環境等実態調査 報告書(公益財団法人 日本テニス協会)
平成29年度 テニス環境等実態調査 報告書(公益財団法人 日本テニス協会)
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