東京オリンピックのボランティアが着用するユニフォームデザインは、込み入った経緯を経てようやく決定しました。1回デザインの変更が行われるなど、時間と経費をかけて決まったのです。また、新しいデザインがダサいのではないかというデマも流れました。今回の記事は、そんなボランティアユニフォームについて理解し、東京オリンピックについて少しでも理解を深めてもらえる内容になっています。
東京オリンピックのボランティアユニフォームがダサい!?それはデマです!
一時期出回った「東京オリンピックボランティアユニフォームがダサい」という情報。ですが、出回った画像は加工されたものでした。コラ画像によってイメージが低下してしまったのです。
傘を被るコラ画像が出回ってしまったため悪評が!
実際にどのようなコラ画像が出回ったかというと、「トラベルWatch」というサイトに投稿された画像に、傘をかぶせてダサく見せたのです。この画像がツイッターに掲載されたことで、拡散されてしまいました。
リツイート数が27,000を上回るなど、多くの人がこの情報に触れました。今だに多くの人が東京オリンピックのボランティアのユニフォームはダサいものだと勘違いしています。ネットの拡散の凄さがうかがえる結果といえるでしょう。
コラに使われたあの傘の正体は?
この傘は、東京オリンピックの暑さ対策として発表されたものです。6月に完成予定と小池都知事が発表しました。実際の東京オリンピックのボランティアが、コラ画像のような格好をすることもありえるのです。
つまり、画像に使われた傘は、実際にオリンピックで着用する可能性のあるものということです。もちろん、ボランティアスタッフも使用予定。あながち関係ないともいえませんね。
オリンピックの新旧デザインを比べてみました
オリンピックのボランティアユニフォームは、1回変更になっています。ここでは、新デザインと旧デザインを比較し、それぞれの情報を記載します。どちらのデザインも甲乙つけ難いですが、今は新デザインになっています。
デザイナーは誰?
まずは、新デザインを創作したデザイナーを紹介します。
新しくデザインを手掛けたのはコシノヒロコさんというデザイナー。現在の日本ファッション業界を引っ張る方です。経験年数50年の超ベテラン。世界を相手に活躍するファッションデザイナーで、国内3つの大学の客員教授も務めています。
旧デザインを手がけたのは、藤江珠希さん。若手を対象にしたコンペを行い厳正な審査によって選ばれた方です。
藤江さんは、アントワープ王立芸術アカデミー(ベルギーの超名門ファッション学校)を卒業、2013年には、独自のブランドを立ち上げた若手実力派のファッションデザイナーです。
旧デザインは、お世辞にも評価が高いものではありませんでした。その理由について、コンペの基準が挙げられます。オリンピックボランティアユニフォームのデザイン基準として、
- 男女兼用で4サイズ展開のポロシャツと帽子、バッグを製作
- 街を歩く人と同じようなデザインはだめ
- ポロシャツでもボランティアスタッフと認知されやすいこと
- なおかつ正装感を出すこと
- ポロシャツの後ろにはボランティアチームの名前がプリントされる
これらの要望を東京都がつよく依頼していたらしく、それに応えようと藤江さんも尽力しました。しかし、国民からの支持が得られず、チェンジになってしまったのです。
この件について、藤江さんは「権利の問題などで一部変更になりましたが、私なりに精一杯デザインしました」とコメントしています。変更前のデザインも気になるところですね。
このようなバックがありながら、新デザインが決定しました。ちなみに、新デザイン選考委員には、多くの著名人、デザイナー、アスリートが関わっており、中には、香取慎吾さんなどの芸術的センスをもった芸能人も名を連ねました。
総経費はいくらかかったの?
旧デザインから新デザインへの変更が行われました。ところが、旧デザインの時点で総額3,015万円ほどのお金がかかっています。
実は、旧デザインのユニフォームはすでに制作されていて、ポロシャツなど全4種類、3,735着もすでに作られた状態でした。1着8000円で制作され、デザイン料が約100,000円です。合計すると3,015万円。3000着以上も制作されたのにもかかわらず、実際に使用されないまま終わってしまったのです。
ボランティアの人数や、配布数がまだ決定していないので、新ユニフォームがいくら掛かるかはわかりません。しかし、ユニフォームの経費として3,015万円という数字は経費として確定しています。
東京オリンピックのボランティアユニフォームのコンセプトは何?
実際に着用される新ユニフォームには、3つのコンセプトがあります。
1.DIVERSITY(多様性と調和)
オリンピックの基本コンセプトの一つです。さまざまな違いを互いに認め合いながら、成長していこうということです。社会が共に生きていくきっかけとなる大会にしようという願いが込められています。
2.CONDITIONING(猛暑対策)
近年、東京では、猛暑が続いています。そんな猛暑の中でも快適にボランティア活動ができるように、工夫されたデザインなのです。
3.SUSTAINABILITY(持続可能性への配慮)
持続可能性への配慮は、運営計画の指針になっています。一時の効果ではなくその取り組みが長期間持続可能かどうかをしっかりと考えるというものです。
このような3つのコンセプトを軸に東京の持つ「伝統」と「革新」を「市松模様」と「QRコード」で表現したのが現在のデザインです。
新デザインの候補の中でも注目度の高かった法被デザインがかわいいと評判!
新デザインも、コンテストを行い決定したものです。その中には、評判がよく支持を集めながら惜しくも採用されなかったものが多々あります。その筆頭が法被デザインです。
実際このような声を集めました。
- 日本ならではのデザインでかつ夏開催に相応しい
- 涼やかで、素晴らしいデザイン
- 日本の伝統衣装「法被」なら外国人にも人気が出る
このような意見が集まりましたが、惜しくも落選してしまいました。こういった優れたデザインの中から現在採用されているものが選ばれているのです。
まとめ
オリンピックでは、多くの観戦客が集まります。日本国内はもちろん海外からも大勢の人々が東京に来るのです。
そういった方々をサポートするボランティアスタッフ。彼らが着用するユニフォームは、まさに、オリンピックの象徴ともいえます。
たくさんのボランティアスタッフが着用するので、会場付近では必ず見ることができそうです。そういったところにも注目しオリンピックを楽しみましょう。
(TOP 写真提供 Ned Snowman / Shutterstock.com)
《参考記事一覧》
東京オリンピックボランティアのダサいユニフォームの新旧デザイナーは誰?(オリンピック2020)
【東京オリンピック】ボランティアの新・旧ユニフォームを比較!(愛Tソリューション|現代社会の『気になる情報』を徹底追求)