【選書】レッドブル流スポーツマーケティング、アスリートのSNS活用…ブランドとアスリートの「価値共創」を学ぶ2冊

企業も個人も発信力、そしてストーリーテリングが重要になる現代、今月のHALF TIMEの推薦書籍は「ブランド」と「アスリート」に着目。マイナースポーツと共にブランド価値を高めてきたレッドブルを題材にした一冊に、現代のアスリート向けに書かれた「SNSの取扱説明書」を加えれば、ブランドとアスリートがいかに価値を創っていけるかヒントを得られるはずだ。マーケターやプランナー、そして現役アスリートまで、ぜひチェックしてみてほしい。

『アスリート×ブランド 感動と興奮を分かち合うスポーツシーンのつくり方』

『アスリート×ブランド 感動と興奮を分かち合うスポーツシーンのつくり方』(長田新子著、宣伝会議)

エアレース、BMXフラットランド、フリースタイルモトクロスなど、競技人口の少なかったアクションスポーツ、エクストリームスポーツをその創成期から支え、ブランド価値を高めてきたエナジードリンクの雄「レッドブル」。

同社で10年以上にわたり、ブランディング及びコミュニケーションを手がけてきたのが、著者である長田新子氏だ。同氏は、日本でのエナジードリンクというカテゴリー自体の啓発からレッドブルの市場浸透まで、スポーツマーケティングの第一線で活躍してきた。

本書では、ブランドが持つべきビジョンとその価値の高め方、アスリート支援の実際、イベントの主催・協賛する際の留意点やメリット、イベントを通じたコミュニケーションの切り口、そしてコミュニティ醸成・社会との接点づくりなどについて、同氏のレッドブル時代の経験と、現在携わるプロジェクトから紐解く。

■目次

第1部

第1章 ブランドのビジョンを見つめ直す

第2章 アスリートと組んでブランド価値を高める

第3章 アスリート支援の実際

第4章 イベントを主催する

第5章 イベントを通じたコミュニケーションの切り口

第6章 シーンとコミュニティのこれから、社会との接点

第2部

対談1 室屋義秀さん(レッドブル・エアレース・パイロット/エアロバティック・パイロット) 「共鳴し、周囲を巻き込む、アスリートとブランド担当者の熱量」

対談2 木村弘毅さん(株式会社ミクシィ 代表取締役社長) 「支援を始めた企業から見たスポーツとアスリートの可能性」

対談3 金山淳吾さん(渋谷区観光協会 代表理事/渋谷未来デザイン プロジェクトデザイナー/EVERY DAY IS THE DAY クリエイティブディレクター) 「アイデアとクリエイティビティで変革できる、従来型のゴールとルール」

対談4 塚田邦晴さん(ファーストトラック株式会社 代表取締役社長) 「互いの熱量で心を揺さぶり合う、企業とアスリートの理想的な協働」

まとめ 全てに共通する私の哲学

あとがき

◇著者=長田新子
AT&T、ノキアにて情報通信及び企業システム・サービスの営業、マーケティング及び広報責任者を経て、2007年にレッドブル・ジャパン入社。最初の3年間をコミュニケーション統括責任者、2010年から7年半をマーケティング本部長(CMO)として、日本におけるエナジードリンクのカテゴリー確立及びレッドブルブランドと製品を日本市場で浸透させるべく従事し、独立。現在は2018年4月に設立された一般社団法人渋谷未来デザインの理事、事務局次長。その他、NEW KIDS株式会社代表として、企業ブランド・コミュニティ・アスリート・イベント関連のアドバイザー、講演活動やマーケターキャリア協会にてマーケター向けキャリア支援活動も行っている

『アスリートのためのソーシャルメディア活用術』

『アスリートのためのソーシャルメディア活用術』(五勝出拳一・飯髙悠太・江藤美帆、マイナビ出版)

本書は言わば、現代を生きるアスリートにとって強力な武器となるソーシャルメディアの「取扱説明書」。現在、株式会社Reviveでアスリート向けにSNS活用をアドバイスする五勝出拳一氏、株式会社ホットリンク執行役員CMOの飯髙悠太氏、そして栃木SCマーケティング戦略部長の江藤美帆氏が、アスリートのソーシャルメディア活用に関する基礎知識や実践方法について紹介する。

陸上・大迫傑選手、サッカー・都倉賢選手など現役アスリートや、バスケットボールBリーグのレバンガ北海道などクラブチームの情報発信術も幅広く収め、競技に関わらず実践できる「再現性」もポイントだ。

■目次
第1章 アスリートのソーシャルメディアは武器になる
第2章 アスリートがソーシャルメディアを活用する理由
第3章 事例から学ぶソーシャルメディア投稿術
第4章 SNSマーケティングのプロに聞く「アスリートはソーシャルメディアとどう向き合えばいいのか」
第5章 炎上しないソーシャルメディア発信術
第6章 Twitter Japan スポーツ担当者に聞く「アスリートのソーシャルメディア運用とは?」

◇著者=五勝出拳一、飯高悠太、江藤美帆、編者=澤山モッツァレラ、甲斐雅之
・五勝出拳一
株式会社電通テック・電通ライブを経て、株式会社ReviveにてPR Managerを務める。現在はアスリートのSNS活用や事業開発のサポート等、アスリートの価値と選択肢の拡大を目的として活動。特定非営利法人izm理事。

・飯髙悠太
株式会社ホットリンク執行役員CMO。自著に『僕らはSNSでモノを買う』。2014年、株式会社ベーシックのWebマーケティングメディアferret立ち上げに創刊編集長として参画。2017年、同社執行役員。2019年より現職で、支援企業のSNSコンサルティングを実施。

・江藤美帆
株式会社栃木サッカークラブ取締役マーケティング戦略部長。米国の大学を卒業後、大手IT企業勤務、起業などを経て、広告代理店在籍中にSNSマーケ特化型Webメディア「kakeru」を立ち上げ初代編集長に。同社にてスマホで写真が売れるアプリ「Snapmart」を企画開発後、事業譲渡し、スナップマート株式会社代表取締役就任。2018年5月より現職。Jクラブのマーケティング責任者として選手にSNSの使用法をレクチャーしている。

・澤山モッツァレラ
編集者/コピーライター。スポーツを中心に、15年の編集者経験後フリーに。現在は複数企業のブランディングサポートに加え、大手企業のPR案件を担うなど幅広く活躍。

・甲斐雅之
株式会社ベーシックにてフォーム作成管理サービス「formrun」のプロダクトオーナーを務める傍ら、Webメディア編集長、ソーシャルメディアを軸としてマーケティング支援に携わる。


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