京都府亀岡市が、サンガスタジアムの活用を促進する実証事業を公募。スポーツで地域創生目指す

京都府亀岡市は、今年度より、オープンイノベーション事業である「サンガスタジアム by KYOCERA・イノベーション・フィールド実証事業」を開始。地域の核となるスタジアムをより活用し、集客につながる実証実験案を全国のスタートアップ企業などから募集する。

「サンガスタジアム by KYOCERA・イノベーション・フィールド実証事業」公式Webサイト

スタジアムで地域課題の解決へ

亀岡市は京都市や大阪への通勤通学のしやすさから住宅地としての人気が高く、豊かな自然と住環境が共存した「トカイナカ」といえるエリア。しかし、2000年をピークに人口が減少し続けていて、高齢化も進行している。特に、進学や就職に伴って市を離れる、10歳から30歳代にかけての若年層の転出超過が多いことが大きな課題となっている。

全国的に、人口減少等の少子高齢化による地域の衰退は大きな課題だ。その解決に向けて、近年、様々な自治体で地域の資源をフックに、地域外のベンチャー企業と連携して地域に新しい活力を生み出そうとする流れが生まれている。

亀岡市でいえば、京都府内唯一の球技専用複合型スタジアム「サンガスタジアム by KYOCERA」が地域資源のひとつ。これを活用して、全国のベンチャー企業からスタジアムの集客力向上、集客機会増加につながる実証事業案を募集するオープンイノベーション事業をスタートする。

海外では、ロサンゼルスで年間250のイベントで400万人を集客するステイプルズ・センターや、ロンドンで数千人の雇用創出に貢献したウェンブリー・スタジアムなど、スタジアムを核としたまちづくりが進んでいる。スタジアムは、多様な人が集う交流拠点として、地域活性化の起爆剤となり得ることが期待されている。

亀岡市が先導するオープンイノベーション

2020年1月にオープンしたサンガスタジアム。最新鋭の設備を誇る。

今回、亀岡市が行うオープンイノベーション事業で募集するテーマは以下の4つ。スタジアムの施設や設備を使って、実証が可能だ。

  • テーマ1:こどもから高齢者まで楽しめるスタジアムの活用
  • テーマ2:スタジアムの利用者の満足度向上(利用体験向上・アクセス改善等)
  • テーマ3:スタジアムを核とした地域コミュニティ創出
  • テーマ4:その他、スタジアムの集客力向上・集客機会の増加、賑わいの創出

【利用可能施設】
フィールド、スタンド、会議室、SKY-FIELD(eスポーツゾーン、VR/フィットネスゾーン、コワーキングゾーン)、スポーツクライミング、フードコート、3×3バスケットボールコート、外部デッキ、足湯

【利用可能設備】
フィールド内大型映像装置、リボンボード、芝生保護材、5G(KDDI)、Wi-Fi、24台の常設4Kカメラ及び分析サービス

実証事業に対しては、亀岡市から最大で150万円(事業費総額の50%を上限)の補助金が支給される。もちろん審査などがあるが、サンガスタジアムという最高のフィールドを使って自社の事業の実証ができる上に、資金的な援助も受けることができるのは、これからビジネスを発展させていこうという企業にとっては大きなメリットとなるだろう。

亀岡市 桂川孝裕市長もこの実証事業には大きな期待を寄せている。

「亀岡市は、嵯峨嵐山駅から電車で約10分と京都や大阪など都市圏へのアクセスが良い地域でありながら、豊かな自然に恵まれています。さらに最先端施設であるサンガスタジアムが亀岡駅北口すぐにオープンし、スタジアムを地域活性化の拠点として位置づけた『にぎわいのあるまちづくり』に市を挙げて取り組んでいます。

本事業では、亀岡市と共に地域の魅力を向上することができる柔軟な発想を期待しています。私たちがみなさまをサポートしますので、ぜひイノベーションを創発するプロジェクトに挑戦してください」

昨年完成した最新鋭スタジアム

「サンガスタジアム by KYOCERA」は、2020年1月に完成したJリーグ京都サンガF.C.のホームスタジアム。サッカー、ラグビー、アメフトなどの球技専用フィールドで、国際試合の開催も可能な規模を誇る。ピッチと客席が近く、臨場感あふれる観戦ができる。

スタジアムでは5G環境が完備され、ピッチを囲む24台のカメラで試合を撮影し、リアルタイムに分析できる国内初の自由視点サービスも導入。さらに2021年3月にはeスポーツ、VR/フィットネス、コワーキングの設備も完成した。

さらにスタジアムにはスポーツクライミングやフードコート、足湯、保育園、ドローンサッカーなどの施設が付帯しており、地域交流の場となる潜在的な魅力を持っている。

スポーツが人と地域を結び付ける

都市部にも程近いながら自然あふれる亀岡。にぎわいのあるまちづくりに向けて、スポーツに期待がかかる。

かつての「ハコモノ行政」は、せっかく作った施設や建物の活用をおろそかにしてきてしまった。魅力のある施設は、上手に使ってこそ真価を発揮する。亀岡市が取り組むこの実証事業は、その活用法を広く募集していく施策だ。

スポーツビジネスは政府も将来的に日本の基幹産業とすることを目指す、潜在的な価値を秘めたジャンル。それは、スポーツが人を惹きつけ、そこに集う人々を連帯させる力を持っているからに他ならない。

実証事業を担当する亀岡市の商工観光課主査 駒田あゆみ氏は、この事業を通して亀岡市の魅力を全国の人たちに、そして何より亀岡市民に知ってほしいと述べる。

「この実証事業をきっかけに新たなビジネスを積極的に取り入れることにより、イノベーションが創発するまちとして、ベンチャーコミュニティーに対しても亀岡市の知名度が向上することを目指しています。魅力ある企業や起業家たちが亀岡市を活動拠点に選ぶ機運が高まれば、若者が転出せず、むしろ流入してくるようなまちづくりも実現できるでしょう。

亀岡市には、新たなチャレンジの場となるサンガスタジアムがあること、そして新たなビジネスに挑戦するためのサポートやコミュニティがあることを、特に若い世代の市民が誇りに思うようになってほしいですね」

「サンガスタジアム by KYOCERA・イノベーション・フィールド実証事業」は、サンガスタジアムの有効活用、亀岡市の魅力発信、実証事業を行う企業のチャレンジという3つの課題解決を目指す。本当の意味での地域創生を実現するために、官民双方が力を結集させる取り組みだ。スポーツが持つ力を活用するだけでなく、地域のコミュニティとしての働き、さらには地元の魅力を再発見する機会を得ることを目論んでいる。志のある企業の応募があることを期待したい。

■応募はこちらから
「サンガスタジアム by KYOCERA・イノベーション・フィールド実証事業」公式Webサイト

#Sponsored:本事業は亀岡市から委託を受けて、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社が運営しています。