Bリーグと選手会はいかにコロナ禍に立ち向かったか?日本バスケットボール界の弛まぬ挑戦【SBJオンラインセミナー第4回】

先月に6年目のシーズンが開幕したBリーグ。昨年から続くコロナ禍という未曾有の事態に直面しながら、このバスケットボール界全体の危機をリーグや選手はどのように乗り越えてきたのか?「スポーツビジネスビジネスジャパン オンラインセミナー」で、スポーツ番組でも活躍してきたフリーアナウンサー 神田れいみ氏が、秋田ノーザンハピネッツの選手で2019年より日本バスケットボール選手会会長を務める田口成浩氏に聞いた。

「右も左もわからない」未曽有の環境で起きた変化

「バスケを止めない! 選手会会長が語る withコロナのB.LEAGUE」と題されたセッションでは、まず田口氏がコロナ禍の影響を振り返った。Bリーグではこれまで選手が企画する被災地でのチャリティーイベントなど多くの社会貢献活動を行ってきたが、同氏が会長になって間もなく新型コロナで活動が軒並み停止に。

選手たちはリーグの試合やチーム練習もできないという状況も一時余儀なくされたが、この間、良い変化もあったという。それは、選手会とリーグとの関係性だ。

選手の安全と試合再開の見通しについて議論を繰り返す中で、両者の意思疎通がこれまでになく図られたという。「選手会としても、こんな感じで(綿密に)コミュニケーションを取っていいんだというのを知ることができました。リーグからも『何かあったら声をかけてください』と」と話す田口氏は、コロナ禍というこれまでにない難局に立ち向かえたのは、リーグと選手がひとつになったことが大きな要因だったと説明した。

セッションの後半では、神田氏が選手会の協力の下、自身の修⼠論⽂研究として実施したコロナ禍のメンタルヘルスへの影響調査の結果も踏まえて、選手たちのコロナ禍への向き合い方や意識の変化などについても議論を深めたのち、田口氏がバスケットボール界の今後についても展望。

質疑応答では受講者から多くの質問があがり、選手のセカンドキャリアについてや選手会会長になってからの新たな発見などについて田口氏が直接回答した。

次回テーマは「地域スポーツクラブの可能性」

次回となる第5回のテーマは「地域×スポーツクラブは、いかに日本のスポーツのあり方を変え得るか?」

経済産業省が立ち上げ、検討を重ねてきた「地域×スポーツクラブ産業研究会」による第1次提言をもとに、同研究会で座長をつとめる早稲田大学科学技術院教授の間野義之氏のモデレートで、政策立案者、スポーツクラブ、保護者、研究者のそれぞれの立場から有識者が議論を交わす。

日本では歴史的に企業スポーツや部活動がスポーツの発展を担ってきたが、近年は企業スポーツの衰退や、部活動での教員の過重労働、体罰といった問題が露見してきており、大きな改革が目されている。今後のスポーツ界を考える上で注目のトピックとなる。

第5回セミナー概要

開催日時:2021年10月25日(月)  18:30-20:00/オンライン

参加費:無料(事前申込)

申込方法:公式Webサイトより https://www.sportsbusiness.jp/onlineseminar/20211025/

参加人数:300名(先着順)

登壇者:
浅野 大介氏(経済産業省 商務・サービスグループ サービス政策課長)
菅 文彦氏(大阪成蹊大学 准教授 スポーツマネジメント学科長/スポーツイノベーション研究所 研究員・事務局長)
原山 麻子氏(一般社団法人日本ハンドボールリーグ理事/株式会社乃村工藝社 執行役員)
榊原 孝彦氏(NPO法人ソシオ成岩スポーツクラブ マネージングダイレクター)
間野 義之氏(早稲田大学スポーツ科学学術院 教授/地域×スポーツクラブ産業研究会 座長)

主催:日本スポーツ産業学会、株式会社コングレ

メディアパートナー:HALF TIME株式会社

公式Webサイト:https://www.sportsbusiness.jp/onlineseminar/20211025/

※セミナーのスポンサー企業も募集中。問い合わせは公式Webサイトより

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