イングランドサッカー協会、Googleクラウドをデータ分析ツールとして導入 

男女各年代で28の代表チーム 情報集約・コラボレーション促進

イングランドサッカー協会(The Football Association:FA)は、2019年5月、Googleとの4年間のパートナー契約の一環で、Googleクラウドがイングランド代表チームとナショナル・フットボールセンターであるSt. George’s Parkのオフィシャルクラウド&データ分析パートナーとなる契約を発表した。

GoogleドライブやGoogleハングアウトなどG Suiteのアプリケーションを中枢に据え、分断されがちな他部門との情報共有を円滑にし、コラボレーションを促す。イングランドは男女の各年代で28の代表チームがあることから、それぞれのコーチ陣がトレーニングや育成方法について一層効率的に情報共有できるようになる。アプリケーションは既に使われ始めており、今後、データドリブンなコーチングやトレーニングで、ピッチ上のパフォーマンスを一層向上させることを目指す。

FAの最高情報責任者(CIO)であるクレイグ・ドナルド氏は次のように語っている。

「St. George’s Parkでの変革の第一歩は、トレーニングと育成の方法を統一し、28の代表チームの生産性を向上させることだった。マネージャー陣が情報共有し、コラボレーションできる手段が必要であり、G Suiteはそれが可能だった。これがGoogleクラウドとのパートナーシップの最初の取り組みとなった」

今後FAはGoogleクラウドでさらに高度な分析をさせ、データからインサイトを見出すことで、試合をさらに変革することを目指す。

FAのチーム戦略及びパフォーマンス責任者であるデイヴ・ラディン氏は次のように述べる。

「テクノロジーは、28の代表チームの潜在的な競争優位性であると確信している。私たちはこれまでイングランド代表の勝利を推し進めるシステマチックなアプローチを積極的に構築しており、今後、Googleクラウドのテクノロジーを通して、インサイトと学びをパフォーマンス向上につなげていきたいと考えている」

プロセス改善からコンディション管理まで 広がるスポーツテック

England
soccer
football

Googleクラウドは、米NBAチームのゴールデンステート・ウォリアーズとも同様のパートナーシップを結んでいる。今年2月より「オフィシャル・パブリック・クラウド・パートナー」となり、Googleクラウドをデータ分析のプラットフォームとして、コーチ、フロントスタッフ、選手、ファンのニーズに応えていくことを発表している。

既にプロジェクトは始動しており、これまでのテストで、リアルタイムのデータ分析によりスカウティング・レポート作成に掛かる時間を50%に短縮している。ウォリアーズのアシスタントGMでありGSW Sports VenturesのVPであるカーク・ラコブ氏は、「現在、分析チームの時間の70%はデータの収集と形成に費やされており、分析にはたった30%しか使われていない。Googleクラウドと提携することで、データの収集を自動化し、リソースを解放し、インサイトをアクションに移すためにより多くの時間を費やすことができる」と語っている。

ゴールデンステート・ウォリアーズは楽天が複数年のパートナーシップを結んでおり、チームの中心選手であるステフィン・カリーは楽天のグローバル・ブランドアンバサダーに就任している。チームや選手のパフォーマンスは、楽天をはじめとする、スポーツを通したマーケティングやブランディングを目指すスポーツ・スポンサー企業の誘引力にもなる。

日本では、ユーフォリアなどの日系スポーツテック企業も興隆している。同社が提供する「ONE TAP SPORTS」は、ラグビー日本代表にも採用された選手のコンディションを可視化するアプリで、現在30競技の300チーム以上で採用されている。同社共同代表の橋口氏は以前のインタビューで、「筋肉系の怪我については、実は少しの予兆や不調を把握することで避けられるものは多い」と、テクノロジーの活用が選手のパフォーマンス維持・向上につながると説明している。

FAとGoogleも、業務プロセスの効率化だけでなく、コンディション管理の面からも、選手のパフォーマンス向上を目指す。現在FAがGoogleクラウドに保有する大量のデータは、BigQueryなどの解析ツールにより情報の抽出が可能であり、次のステップではGoogleクラウド上の独自ツール「プレイヤー・プロファイル・システム(PPS)」を通して、選手のパフォーマンスやフィットネス、トレーニング状況などをあらゆるレベルで計測することを目論む。

FAのアプリケーション開発責任者であるニック・シーウェル氏は、「スマート分析とデータ管理は、PPSにとって非常に重要だ。(代表チームのトレーニング・グラウンドである)St. George’s Parkの全ての作業は、全てGoogleクラウドで成り立っている」と語っている。

◇参照

Google

Google

FA

 
最新の
スポーツビジネス情報を
お届けします。
HALF TIME 無料会員登録特典

・イベント先行案内
・最新スポーツビジネス情報
・スポーツ関連プロジェクト求人案内

HALF TIME 無料会員に登録