近年、国内選手の活躍によって人気の高まりをみせるバドミントン。
でも実はバドミントンのこと、あんまり知らないという人も少なくないでしょう。
そこで、今回はバドミントンの人口や市場規模など、最新情勢について紹介します。
この記事を読めば、あなたのバドミントンのイメージが変わること間違いなしです!
バドミントンの競技人口は右肩上がり
バドミントンの競技人口は年々上がっており、実は、日本ではサッカーよりも多いほど。
意外に思われる方も多いかもしれませんが、多くの人に人気のバドミントンについて、いったいどのようなスポーツなのか、そして、どのような歴史があるのか紹介していきます。
そもそもバドミントンってどんなスポーツなの?
バドミントンは、ラケットを用いて1対1もしくは2対2でシャトルを打ち合い、得点を競うスポーツです。
非常に激しいスポーツで、「球速が最速のスポーツ」としてギネスにも登録されています。
その記録はマレーシアのタン・ブンホン選手が出したスマッシュで球速493km/h。
ラケットでシャトルを打ち返す、というと、誰でもできる簡単なイメージを抱きがちですが、素早いフットワークが必要となるとても激しいスポーツといえるでしょう。
バドミントンの歴史 発祥から現在まで
バドミントンの起源は1820年代とされていますが、その始まりは諸説あるとされています。
有力な説は、インド発祥のものとするものと、イギリス発祥とするものの2つ。
まず、1つ目のインド発祥説ですが、これは、インドで行われていたプーナという遊びがイギリスに伝わったのが始まりとする説です。
プーナは皮でできた球をラケットで打ち合う遊びですが、イギリスに伝わる際、シャンパンの栓に鳥の羽を刺したものを球としていたとされています。
そして、このプーナが伝えられたのが、イギリスのバドミントンハウスであったことから「バドミントン」と呼ばれるようになったといわれています。
2つ目は、イギリスで行われていたバトルドア·アンド·シャトルコックという遊びが始まりとする説。
バトルドア·アンド·シャトルコックは、現在使用されているものと似た球を使用する遊びであり、当時、バドミントン・バトルドアと呼ばれていたのが「バドミントン」となったといわれています。
現在有力なのはインド発祥説ですが、バトルドア・アンド・シャトルコックは現在のバドミントンと共通するものが多く、どちらが本当の説なのか、ということの結論は出ていません。
バドミントンは、1860~1870年代にイギリスに普及。
1893年には英国バドミントン協会が設立され、ルールが整えられます。
その後、1934年に世界バドミントン協会がイギリスに誕生し、1992年、オリンピックの正式競技となりました。
日本のバドミントンの市場規模
日本でも大人気のバドミントン。
その競技人口は、実はサッカーや野球よりも多いんです!
日本のバドミントン競技人口と市場規模を紹介していきます。
日本のバドミントン人口
2019年の日本バドミントン協会に加入している競技人口は、約30万人。(2019年)
2009年からの推移を見ると、年々増加傾向にあることがわかります。
趣味として楽しんでいる人も含めると約970万人以上というデータも。
ちなみに、同データによると、サッカーは約800万人、野球は約740万人と、バドミントンの方が多い結果となっています。
日本のバドミントン用品の市場規模
日本のバドミントン用品市場は2020年度の予測値で約161億円。(矢野経済研究所 2019年のスポーツ用品国内出荷金額は前年比102.1%の1兆5,691億円の見込〜市場規模の大きいスポーツシューズやアウトドア用品などご引き続き好調に推移の見通し〜)
スポーツ用品市場の中では1%の市場ですが、前年比101.8%となったスポーツ用品国内市場規模に合わせて、バドミントン用品の市場規模も前年比100.8%と増加しています。
新型コロナウイルスの感染拡大によるスポーツイベントの中止・延期など、打撃はありましたが、緊急事態宣言の解除に伴い、スポーツの需要も高まっています。
屋外でも簡単に遊ぶことの出来るバドミントン用品の国内需要も今後高まることが期待されています。
日本バドミントンの人気の秘密
バドミントンは、日本でも親しまれてきたスポーツですが、現在では、民放テレビ局での放映も増えています。
その人気の高まりの要因として挙げられるのが、日本人選手の国際大会での活躍です。
抜群のルックスで写真集やメディア出演と話題になったオグシオペアは、2007年の世界選手権で銅メダル、そして、2008年北京オリンピックでは5位の成績を収める活躍。
そして、NTT東日本所属の桃田賢斗選手は、2019年、日本人初の全英オープン優勝、世界選手権連覇を成し遂げ、2019年度の最優秀選手に選ばれました。
マレーシアで交通事故に巻き込まれ重傷を負ったことは記憶に新しいですが、東京オリンピック日本代表に内定しており、活躍が期待されています。
世界のバドミントンの市場規模
バドミントンは世界で約5000万人の人々に楽しまれているといわれています。
同じラケット競技のテニスの競技人口数が1.1億人であるのに比べると少ないものの、ゴルフの競技人口数が6500万人であることを考慮すると、バドミントンも世界的にも人気のあるスポーツであることがわかります。
強豪国が多いのは、中国・韓国・タイ・マレーシアなど、東南アジアの地域です。
なかでも、マレーシアはバドミントンが国技であり、2005年にはBWF(世界バドミントン連盟)の本部がイギリスチェルトナムから移されています。
バドミントン用品分野の主要メーカー3選
バドミントンで必要不可欠になのが、ラケットやシューズ、ユニフォームやシャトルなどの用品です。
ここからは、バドミントンに必要なラケットやシャトルを揃えるのに最適なバドミントン用品メーカーを紹介します。
1.ミズノ
ミズノは、いわずと知れた日本の総合スポーツメーカーです。
2016年に女子全英オープンで優勝した奥原希望選手が所属。
ミズノのラケットの特徴は日本人に合ったバランス型のラケットを打ち出していること。
総合スポーツメーカーの強みを活かした商品開発が強みとなっています。
2.YONEX
YONEXは、バドミントン業界でシェアNo.1を誇るバドミントンメーカーです。
世界に先駆けて、軽量でよくしなるカーボン製のラケットを打ち出しました。
現在、このカーボン製のラケットが主流になっています。
3.バボラ
バボラは、フランスのリヨンに本社を置く老舗スポーツメーカーです。
ラケットスポーツを専門にしており、バドミントンの発展にも大きく寄与しています。
ラケットスポーツ専門メーカーとしては最も歴史の古いスポーツメーカーです。
競合企業が強いミズノの取り組み
スポーツ用品業界では有名なミズノですが、バドミントンにおいては新商品を普及させていくことは難しいもの。
というのも競合企業のシェアが強く、どうしても目を向けて貰いづらいためです。
そこで、ミズノのとった戦略が「オフラインでのプロモーション」。
つまり、販売店やユーザー向けの試打会というオフラインでのプロモーションを強化することで、買って貰いやすくしようとしたのです。
この戦略の利点は2つ。
1つは、実際に使ってみることでしか分からない良さを伝えることができること。
オンラインで見ただけや、言葉で伝えられただけだとどうしても使いやすさなどを、感じるのは限界があるものですが、試打会を設けることで、製品の良さをリアルに体感してもらうことが出来たのです。
2つめは生の声の拡散です。
プロモーションを行うことで、商品を実際に体感し、その生の声をクチコミとして拡散させることを狙いました。
元々、バドミントン専門誌は1つしかなく、中高生の情報入手経路は販売店とSNSのみ。
そこに試打会をすることで、クチコミによる情報の拡散をすることが出来たのです。
これらの取り組みは、奥原希望選手と共同開発をした「ULTIUS」のプロモーションに活かされています。
まとめ
日本と世界の競技人口やバドミントンの市場規模について紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
最近注目を集めているバドミントンですが、実はよく知らなかった、という人も多かったのではないでしょうか。
趣味として行っている人も合わせるとサッカーや野球よりも競技人口が多いバドミントン。
東京オリンピックも控えるいま、バドミントンの動向から目が離せません。
(TOP写真提供 = DONGSEUN YANG / Shutterstock.com)
《参考記事一覧》
2019年のスポーツ用品国内出荷金額は前年比102.1%の1兆5,691億円の見込|株式会社屋の経済研究所
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