バドミントンの競技人口が増加!日本と世界の競技人口はどれくらい?

遊びとして手軽にプレーすることができ、身近なスポーツの1つであるバドミントン。

1992年のバルセロナオリンピックで正式競技になって以来、世界を舞台にした日本選手の活躍により、日本でのバドミントンの競技人口も増加しています。

日本におけるバドミントンの競技人口はどれくらいなのか、世界の競技人口や他競技と比較しつつ解説します。

増加する日本のバドミントン競技人口数

増加傾向にある日本のバドミントン競技人口数。

近年のバドミントン界における日本選手の活躍と日本におけるバドミントン競技の歴史、日本のバドミントン競技人口について紹介します。

近年のバドミントン界での日本選手の活躍

近年、バドミントンの競技人口が増加していますが、その背景にあるのが日本選手の活躍です。

活躍した日本人選手とは?と聞かれて多くの方が思い浮かべるのが、「オグシオ」でしょう。

「オグシオ」は、2008年北京オリンピックでベスト8となった小椋久美子・潮田玲子ペアのことですが、この「オグシオ」ペアに続いて、北京オリンピックでベスト4となった末綱・前田(スエマエ)ペア、2012年ロンドンオリンピックで銀メダルを獲得した藤井・垣岩(フジカキ)ペア、2016年リオオリンピックで金メダルを獲得した高橋・松友(タカマツ)ペアなどが知られています。

この他にも、2019年の全英と世界選手権シングルスで優勝し、2020年7月現在世界ナンバー1の地位にいる桃田賢斗選手、2015年全日本総合選手権と2016年全英オープンで優勝し、2016年リオデジャネイロオリンピックで3位、2017年世界バドミントン選手権で優勝した奥原希望選手など、東京オリンピックでメダルが期待される選手が多くいます。

日本におけるバドミントンの歴史

今や、手軽に楽しめるスポーツとして多くの人に親しまれているバドミントンですが、その歴史は、1921年、横浜YMCAに米国人からバドミントン用具1式が寄贈されたのが始まりと言われています。

その後、大阪や名古屋など、日本各地に広まり、1946年に日本バドミントン協会(NBA)が設立されました。

翌年の1947年には、日本初の全日本選手権大会が開催され、1952年に国際バドミントン連盟であるIBF(International Badminton Federation:現在のBWF:Badminton World Federation)に加盟しています。

日本のバドミントン競技人口数

日本選手の世界での活躍に伴い、増加傾向にある日本のバドミントン競技人口数。どの範囲までを人数に含めるかで数字が違ってきますが、公式試合に参加せず楽しんでいる人たちも含めるとバドミントンの競技人口数は約800万人と言われています。

総務省の2016年度調査データによると、競技スポーツとしてのバドミントンの競技人口は約755万人。

これは、6位にあたる人数であり、サッカーの約677万人、テニスの約562万人をしのぐ人口となっています。(表1)

  種目 行動者数(千人)
1 ボウリング 14,334
2 水泳 12,430
3 ゴルフ 8,900
4 野球 8,143
5 卓球 7,664
6 バドミントン 7,559
7 サッカー 6,770
8 テニス 5,625
9 バレーボール 5,136
10 バスケットボール 4,864

(平成28年社会生活基本調査 総務省データから)

また、笹川スポーツ財団が2年に1度行っている調査データによると、バドミントンの年1回プレー実施者数は、2018年度では約520万人。

同データのサッカーは約430万人、卓球は約580万人となっています。(表2)

年度 2010 2012 2014 2016 2018
バドミントン 706 520 550 551 519
卓球 467 489 457 447 581
サッカー 478 582 415 353 436

(笹川スポーツ財団 年1回のスポーツ実施人口データから)(単位:万人)

各世代の競技人口数  

写真提供= Byjeng /  Shutterstock.com

NBAは、毎年、協会会員登録選手数を発表していますが、それによると、2019年度時点の会員登録者数は303,743人。

5年前に比べて約3万人増となっています。

NBAのホームページから会員登録者数と高校生・中学生の登録者数をそれぞれ抜き出して、以下の表に示してみましたが、この表から、中学校や高校で多くの人がバドミントンをプレーしているということが分かります。

中学・高校生に競技人口が多い理由として、中学校・高校には体育館があり、体育の授業としてバドミントンを取り入れている学校がある、ということが関係しているようです。(表3)

年度 会員登録者数(人) うち高校生(人) うち中学生(人)
2015 275,250 104,130 78,981
2016 286,034 106,826 84,043
2017 298,574 112,377 87,371
2018 300,135 114,736 85,495
2019 303,743 116,992 86,915

都道府県別競技人口数

NBAでは、都道府県別の競技人口(会員登録者数)も発表しています。

1位から10位まで抜き出したのが以下の表です。

2位に北海道が入っていますが、上位5位までは、バドミントン発祥の地と言われる横浜がある神奈川県を含む関東が占めていることが分かります。

また、6位の愛知県は、一般の登録者数が東京に次いで2位であり、大人になってからも競技が盛んであることを示しています。

日本のバドミントンは、横浜、名古屋、大阪、神戸のYMCAから普及したという歴史を持っていますが、現在でも根強く普及活動が続けられているといえるでしょう。

9位には新潟県がランクインしていますが、新潟県で競技人口数が多い理由として、積雪の多い土地ゆえ屋内スポーツが盛んなこと、そして、県内にバドミントン用具製造から立ち上げた世界的なラケットメーカーの生産拠点があることがあるようです。(表4)

  都道府県名 登録人数(人)
1 東京都 24,532
2 北海道 21,838
3 神奈川県 20,437
4 千葉県 14,839
5 埼玉県 14,694
6 愛知県 13,938
7 大阪府 10,887
8 兵庫県 10,815
9 新潟県 9,275
10 福岡県 8,265

(NBAホームページから、2020年3月31日現在)

世界のバドミントン競技人口数はどれくらい?

日本のバドミントン競技人口数や年代別・地域別の競技人口数について紹介してきましたが、ここからは世界のバドミントンの競技人口数や世界におけるバドミントンの歴史について紹介していきます。

世界におけるバドミントンの歴史

バドミントンの始まりについては、色々な説がありますが、バドミントンの前身といわれるのは、「プーナ」というインドの遊びです。

「プーナ」は、皮の球をラケットで打ち返す、というものですが、この遊びがイギリスに伝わった際に、その邸宅の名前をとって「バドミントン」となったといわれています。

細かいルールが定められず、羽根をラケットで打ち返す遊びとして楽しまれていたバドミントンですが、1893年に英国バドミントン協会が設立された際に、ルールの統一が図られます。

バドミントンが世界各国に広まったきっかけは、1899年に開催された第一回全英バドミントン選手権大会。

1921年にカナダ、1930年にフランス・オランダ・デンマークでバドミントン協会が設立されたことを受け、1934年にはイギリスに世界バドミントン協会が誕生します。

バドミントンの世界大会の歴史を紐解くと、1972年のミュンヘンオリンピック、1988年のソウルオリンピックなどで公開競技となったものの、国際バドミントン連盟の分裂などによって正式競技となるのが遅れ、オリンピックの正式競技となったのは、1992年に開催されたバルセロナオリンピックでのこと。

古い歴史を持つバドミントンですが、競技となってからはまだ約30年しか経っていないというのは意外な事実といえるでしょう。

1934年に設立された国際バドミントン連盟(IBF)ですが、2006年に世界バドミントン連盟(通称BWF)と改称され、2016年、その加盟国数は183カ国に上ります。

世界でのバドミントンの競技人口

世界各国でプレーされているバドミントンですが、その競技人口は50百万人以上とされています。

なかでも、強豪国が多いのは、アジアです。アジアの中でも東南アジアに強豪国が多くありますが、これは、バドミントンの発祥国であるイギリスの旧植民地であった国々でバドミントンが広まったことを示しているといえるでしょう。

BWFの本部は2005年にマレーシアに移されましたが、インドネシアとマレーシアでは国技となっています。

中国や韓国、タイやシンガポールも強豪国として知られていますが、ヨーロッパでは、発祥の地であるイギリスよりもデンマークで盛んに行われており、デンマークには世界ランキングプレーヤー上位選手も多くいます。

他競技の人口と比較すると、バスケットボールの4.5億人、サッカーの2.5億人、テニスの1.1億人に比べると少ないものの、ゴルフの6,500万人に並ぶ人口数で、世界的にも人気のあるラケットスポーツといえるでしょう。

 ちなみに、バドミントンは世界最速の球技としてギネス登録されています。

バドミントンの試合の醍醐味であるショットのスマッシュは、男子で平均時速450キロ、女子でも時速370キロの初速があると言われるなど、瞬発力と持久力が必要となるタフな競技です。

 まとめ

バドミントンの競技人口について、バドミントンの歴史や他競技との比較とともに紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

日本ではコアな競技人口が約30万人、年1回以上プレーする競技人口は約520万人のスポーツであり、世界的にも約5,000万人以上がプレーする人気競技であるバドミントン。

東京オリンピックでは、桃田選手、奥原選手など、注目選手の活躍から目が離せません。

(TOP写真提供= DONGSEUN YANG /  Shutterstock.com )


《参考記事一覧》

【統計で確認】日本のバドミントン人口!(にいがたの地域活性化を応援するブログ)

バドミントンの競技人口はどのくらい?バドミントンの歴史も徹底解説

会員登録数の推移・バドミントンの歴史(公益財団法人日本バドミントン協会ホームページ)

種目別にみた運動・スポーツ実施状況 その1(笹川スポーツ財団ホームページ)

社会生活基本調査 / 平成28年社会生活基本調査 / 調査票Aに基づく結果 生活行動に関する結果 生活行動編(全国) スポーツ (統計でみる日本)

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