ピッチャーの反則行為の1つ、「ボーク」。
野球の試合中に耳にしたことがあるけれど、一体どういうものなのかは知らない、という方も少なくないのではないでしょうか?
この記事では、ボークとは何か、どういうペナルティが与えられるのか、分かりやすく解説します。
ぜひ、最後までご覧ください。
ボークとは?
ボークとは、ピッチャーがバッターやランナーに対してボールを投げる動作をして騙すことで、盗塁やヒット、ヒットエンドランを阻むことを防ぐために設けられたもの。
ルール化されたのは1899年と、長い歴史があります。
ボークの種類
ピッチャーの反則行為であるボークがとられるのは、
- ランナーが塁にいる場合に、ピッチャーがセットポジションで静止しなかった場合
- ピッチャーが投球動作を途中で止めた場合
- 投球板に触れている間にボールが落ちた場合
- 投球板に触れた状態で1・3塁へ偽投した場合
- 投球板に触れたままランナーを牽制する際に、牽制する塁の方向へ足を踏み出さなかった場合
- ランナーが塁上にいるのに偽投または送球した場合
- 足が投球板に触れることなく投球動作を行った場合
- ボールを持たずに投球板に触れたり跨いだ場合
- セットポジションの状態から、投球・送球を除いてボールを片手から離した場合
- (故意四球の場合)ピッチャーがボールを投げるより早くキャッチャーの足がキャッチャーボックスから離れた場合
- バッターと正対しないうちに投球した場合
です。
それぞれのポイントについてみていきましょう。
ランナーがいる場合にピッチャーがセットポジションで静止しなかった場合
野球では、塁にランナーがいる場合、ピッチャーがとる投球姿勢をセットポジションといいますが、セットポジションとは、ピッチャーが自分の体の前で合掌をした状態で静止すること。
この際に、静止する時間が短い、または、静止することなく投球を行った場合、ボークとなります。
静止時間ははっきりと決まっていませんが、目安は1秒です。
ピッチャーが投球動作を途中で止めた場合
ピッチャーが投球動作を途中で止めた場合、ボークになります。
ピッチャーは、投球動作に入ったら、いかなる場合でも投球しなくてはなりません。上手くフェイクしたつもりでも、ルール上ペナルティを受けることもあります。
投球板に触れている間にボールが落ちた場合
投球板(プレート)に足が触っている際に、ピッチャーがボールを落としてしまった場合、ボークとなります。
ちなみに、投球板とはピッチャーマウンドの中央にある白い板のことであり、プレートとも呼ばれます。
ピッチャーは、投球動作に入る際には必ず投球板に触れていることが求められます。
投球板に触れた状態で、1塁3塁へ偽投した場合
ピッチャーが投球板に触れたまま、塁へ偽投した場合、ボークとなります。
ただし、2塁にいる走者に対しては、投球板に触れたままでもボークをとられることはありません。
投球板に触れたままランナーを牽制する際に、牽制する塁の方向へ足を踏み出さなかった場合
ピッチャーが偽投や送球をする際に、牽制する塁の方向へ足を踏み出さなかった場合、ボークになります。
軸足がブレて上手く踏み出せなかった場合でもペナルティを受けることがあります。
この際のポイントが、投球板に触れている状態であるということ。
投球板に触れていなければ、ボークをとられることはありません。
ランナーが塁上にいるのに偽投または送球した場合
ランナーが塁から離れていないのに、ピッチャーが偽投や送球をして試合の進行を遅らせた場合、ボークになります。
この行為が繰り返された場合、退場を宣告されることもあります。
足が投球板に触れることなく投球動作を行った場合
ピッチャーが投球する場合、足が投球板に触れていなければなりません。
つまり、投球動作の際には、投球板に足が触れていることが大切ということ。
投球動作に入る際には、必ず投球板に触れるようにしましょう。
ボールを持たずに投球板に触れたり跨いだ場合
ピッチャーがボールを持っていない状態で、投球板に触れていたり跨いでいたりするとボークになります。
無意識に投球板に触れることでボークとなることも。
ボールを持っていない時に投球板に触れないよう、注意しましょう。
投球・送球を除き、セットポジションの状態でボールから片手を離した場合
セットポジションの状態から、ボールを投球・送球以外の行為で離してしまうと、ボークになります。
(故意四球の場合)ピッチャーが投球するより早くキャッチャーの足がキャッチャーボックスから離れた場合
故意の四球の際に、キャッチャーの足がピッチャーが投球する前にキャッチャーボックスから離れた場合、ボークとなります。
ただし、このルールは事実上スルーされています。
バッターと、正対しないうちに投球した場合
ピッチャーは、ランナーだけでなくバッターやベンチからの指示など、あらゆる情報を把握しなければなりませんが、バッターがまだ構えていない状態にもかかわらず、ピッチャーが投球した場合もボークになります。
バッターに集中できていない場合に起こしがちなミスといえるでしょう。
ボークに対する審判の心構え
これまで解説してきた通り、ボークの違反行為はきちっと定義されていますが、ボークかどうかを判断するのは難しく、審判がボークと判断した際にチームが納得しないことも。
プロでもボークかどうかの意見は分かれますが、抗議を受けて判定を覆すと、収拾が付かなくなります。
判断基準は審判にあるので、一度ボークとジャッジしたら判定を変えないことが大切です。
ボークのペナルティ
ピッチャーがボークを宣告されてしまうと、すべてのランナーに1つの進塁権が与えられ、1塁ランナーであれば2塁へ、2塁ランナーであれば3塁へ、3塁ランナーであれば本塁へ進みます。当然ながら、本塁に戻って来た場合は、1点加点されます。
ちなみに、ピッチャーが投球したボールがボークであっても、そのボールをバッターが打ち、ヒットであった場合、試合はそのまま続行され、ボークは宣告されませんが、バッターが打った打球でアウトになってしまった場合はボークが宣告され、ランナーに進塁権が与えられます。
まとめ
野球のボークとは何か、解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
盗塁やヒット、ヒットエンドランを防ぐためにピッチャーが送球することは試合中よく見かける行為ですが、ルールに則って送球しなければ、反則行為となるもの。
どういう行為がボークとなるのかを知り、野球を楽しんでみてください。
(TOP写真提供 = tammykayphoto / Shutterstock.com)
《参考記事一覧》
ボークの種類!投手編~間違えやすい野球のルール(野球情報をピックアップ)