サッカーやラグビーと比べると、野球のルールはそれほど難しくないものの、それでも「野球のルールって難しい」と思っている方は少なくありません。
野球観戦時、ルールをもう少し知っていれば、もっと楽しめただろうと思ったことのある方や、野球を始めたばかりで、基本的なルールが分からない方が、今以上に野球を楽しめるように、基本的なルール等について解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
野球の基本的なルール
まずは、野球の試合時間や得点方法について紹介します。
試合時間は?
サッカーやラグビーなどとは異なり、野球の試合時間を定めたルールはありません。(今年度は、コロナ対策として延長戦を行わず、9回で打ち切りとなっています。)
野球の試合は、基本的に、9回が終了した時に得点を多く獲ったチームが勝利するスポーツです。ただし、9回表が終了した時点で後攻チームの方が得点が勝っている場合、9回裏は行われません。また、9回の表裏が終了した時点で両チーム同点だった場合には、延長戦となりますが、この延長戦は、どちらかが1点でも多く取って表裏のイニングが終了したら、得点の多いチームが勝利となります。
攻撃と守備をそれぞれ9回繰り返しますが、それぞれの回のことを「イニング」と呼び、イニングで先に攻撃するのが「表」、後から攻撃するのが「裏」となります。
1イニングは攻撃側が3つのアウトを取られてしまうと終了します。
野球の出場選手数と得点方法
野球の試合に出場するのは1チーム9人。日本のプロ野球の試合では、ベンチ入りができる人数は、レギュラーと控え選手合わせて最大25人までとなっています。また、ベンチ入りするためには、出場選手登録が必要となっており、この出場選手登録数は最大29人です。
ただし、指名打者(DH)制のあるリーグでは、攻撃時に投手に代わって打席に立つ指名打者(DH)の選手がいるため、スターティングメンバーは1チーム10人と定められています。
得点方法は、攻撃側の選手が順番に打席に入り、ホームラン、もしくは投手の投げた球を打ち一塁、二塁、三塁に出塁。これらのランナーやフォアボール(四球)・デッドボール(死球)などで出塁したランナーが本塁に戻ってきた場合に加算されます。
守備側は9人の選手がそれぞれのポジションに位置し、相手チーム打者の放った打球を捕り、攻撃を防ぎます。
野球のポジション
野球で守備時につくポジションは、以下の9つです。
- ピッチャー(投手)
- キャッチャー(捕手)
- ファースト(一塁手)
- セカンド(二塁手)
- ショート(遊撃手)
- サード(三塁手)
- レフト(左翼手)
- センター(中堅手)
- ライト(右翼手)
それでは、各ポジションの役割やルール、守備位置を詳しく解説していきます。
ピッチャー(投手)
ピッチャーの役割は、マウンドに立ち、打者にボールを投げることです。
投球によって、アウトをとり、失点を最小限に抑えるのが主な役割ですが、投球を終えた時点で5人目の内野手として守備をするのも役割です。
キャッチャー(捕手)
キャッチャーは、身体を保護するためのキャッチャーミットやプロテクターを着用し、投手の投球を受けたり、相手チームの走者から本塁ベースを守るポジションです。
全体を見渡せる位置にいることから、司令塔の役割を担うポジションといえます。
ファースト(一塁手)
ファーストは、一塁ベース周辺を守るポジションてす。
相手打者からの一塁ベース方向への打球を受けたり、他の野手が捕球したボールを受け、一塁ベースで相手チームの走塁をアウトにすることが主な役割です。
送球を受ける機会が非常に多いポジションであるため、確実に捕球する能力が不可欠。一塁手の使用するグラブは、捕球のためのポケットが深くできるなど、他の野手とは異なる仕様となっています。
セカンド(二塁手)
セカンドの基本的な守備位置は、一・二塁間。
遊撃手と連携してピッチャーの後方や、センター(中堅手)やライト(右翼手)中堅手の手前の守りも行います。
打球処理以外にも、一塁走者の盗塁企図や併殺プレイにおける二塁のベースカバー、バントの時の一塁ベースカバー、外野からの返球の中継など、役割も多いポジションでもあります。
ショート(遊撃手)
ショートは、二・三塁間を基本的な守備位置とするポジションです。
セカンドよりも、内野ゴロの送球に要する時間が短く、加えて深い位置からの送球も多いことが特徴です。
また、打球が飛来してくる確率も高いため、ショートのポジションは「守備の華」と称されています。
サード(三塁手)
三塁ベース周辺を守るのがサードです。
一塁に送球をするために、捕球能力の確実性と肩の強さ、正確な送球能力が求められるポジションです。
レフト(左翼手)
本塁から見て、グランドの奥(外野)左側を主な守備位置とするのがレフトです。
草野球や少年野球は、右打者の数が多く、また打球を引っ張ることも多いので、外野手のなかでは、打球が飛んでくることが多いポジションの1つです。しかし、プロ野球の場合は、左打者の数が増え、右打者も意図的に右方向へ打つ場面も多くみられます。
そのため、プロ野球では、打撃は優れているが、守備は苦手な選手をレフトにつけることもあるようです。
センター(中堅手)
センターは、レフトとライトに挟まれた、外野中央部を守る野手です。
外野の中央部分が主な守備位置ですが、セカンド・ショートの後方だけでなく、ときにはレフトとライトのカバーをしなければなりません。
そのため、外野のなかでも守備範囲が広いポジションといえます。
ライト(右翼手)
本塁から見てグランドの奥右側を守るのがライトです。
ファーストやセカンドの後方に飛んできたフライを捕球するのがライトの役割。ランナーが三塁を目指している場合、アウトを取るために三塁へ正確に送球することが求められますが、ライトから三塁までの距離は遠いため、強靭な肩が必要です。
アウトの取り方
野球では、1つのイニングに3つのアウトをとると、攻・守が交代します。
守備側が攻撃側がアウトを取る方法に、打者からアウトを取る方法と走者からアウトを取る方法の2つがあります。
打者からアウトを取る方法と走者からアウトを取る方法については、下表にまとめます。
打者からアウトを取る方法 | 走者からアウトを取る方法 |
・打者が3回空振りする ・打者がストライクゾーンに入った投球を3回見逃す ・空振りと見逃したストライクゾーンに入った投球の合計が3回 ・打球をダイレクト(ワンバウンドなし)で捕球される ・バウンドした打球を捕球され、打者・走者が塁に着く前に送球される、もしくはタッチされる ・ボールを打った後、その球がバットに当たる ・バッターズボックスから片足でも出て球を打つ | ・ベースを踏んでない走者がボールを持った野手にタッチされる ・走者が出塁しなければならない塁にたどりつく前に、その塁を踏んでいる野手に送球される ・出塁・走塁時に野手の守備を妨害する ・塁と塁を結ぶ直線のベースラインから左右3フィールドの間の走路から一定距離で走った |
スコアボードの見方
野球のスコアボードとは、試合をしているチーム名やイニング毎の得点を表示しているボードのこと。アウトカウントやバッター毎のボール・ストライクのカウントなども表示されます。
そのため、スコアボードの見方が分かれば、野球の試合状況を即座に知ることができるため、野球観戦がさらに面白くなるでしょう。 ちなみに、スコアボードの表示は、そのほとんどが略してあります。
いくつかの例を、下表にまとめました。
スコアボードの表示 | 概要 |
B | 打席に立っている打者のボールカウント |
S | 打席に立っている打者のストライクカウント |
O | イニングのアウトカウントです。 |
H | 打った打球がヒット |
E | 野手にエラー |
R | 得点 |
野球のスコアボードの選手名の横に表示されている数字やアルファベットは、その選手の守備時のポジションで、表示されている順番が攻撃時の打順です。
そして、守備時のポジションを示している数字・アルファベットは、下記の意味を持ちます。
- 「P」「1」=ピッチャー
- 「C」「2」=キャツチャー
- 「1B」「3」=ファースト
- 「2B」「4」=セカンド
- 「3B」「5」=サード
- 「SS」「6」=ショート
- 「LF」「7」=レフト
- 「CF」「8」=センター
- 「RF」「9」=ライト
- 「DH」=指名打者
ちなみに、攻撃時に「H、PH」と表示された場合、その選手がピンチヒッター・代打を意味し、「R、PR」はピンチランナー・代走を意味します。
野球でよくあるプレー
野球のプレーには、さまざまな名称がついています。そうした名称がついているプレーのなかでも、野球の試合でよくあるプレーをいくつか紹介します。
プレーの名称 | 概要 |
バント | 投手が投げた球をスイングせず、意識的に打球が内野をゆるく転がるようにバットでミートする打撃方法 |
犠牲バント | 野球で、打者がアウトになる代わりに、走者を進塁させることを目的としたバント |
盗塁 | 走者が、安打、刺殺、失策、封殺、野選、捕逸、暴投、ボークによらずに1個の塁を進むプレー |
併殺 | ダブルプレー、もしくはトリプルプレー |
エンドラン | ヒットエンドランのこと。 |
タッチアップ | 守備側がフライをキャッチするのと同時に、走者が進塁する走塁戦術 |
牽制 | 塁にランナーがいる際に盗塁の阻止、もしくは盗塁させにくくするため、ピッチャーが該当する塁にボールを投げること |
押し出し | 満塁の状態で、投手が打者に四球・死球を与えてしまい、相手ームに得点が入ること |
犠牲バントは、走者を次塁に送ることから「送りバント」とも呼ばれますが、三塁走者を本塁に生還させる犠牲バントは、「スクイズ」もしくは「スクイズプレー」と呼び、別のプレーとして区別されています。
また、盗塁は「スチール」 とも呼ばれ、二塁への盗塁をセカンドスチール、三塁への盗塁をサードスチールと呼びます。さらに、本塁への盗塁をホームスチールと呼んだり2人の走者が同時に盗塁することを重盗(ダブルスチール)と呼んだりします。
まとめ
野球はルールが複雑で難しいと思っている方も多いようですが、野球のルールはいたってシンプルなもの。
そして、ルールを覚えれば、野球を観るのもするのも、より面白くなってくるはずです。
本記事で紹介した基本的な部分を、ぜひ覚えてみてください。
(TOP写真提供 = Keith Johnston / Unsplash.com)
《参考記事一覧》
【野球の基本的なルールまとめ】初心者でも10分で完璧に!?どこよりもわかりやすく解説!(We Love Baseboll)