バスケットボールは、1891年、アメリカで生まれたスポーツです。
攻守目まぐるしく交代するスピーディーな展開で、世界的に多くのファンがいます。
日本でも人気の高いバスケットボール。
その歴史と競技人口数について紹介します。
アメリカ発祥のバスケットボール。その歴史は
バスケットボールは、1891年に、国際YMCAトレーニング・スクール(YMCA)教師のアメリカ人ネイ・スミス氏によって、冬の間に体育館でできるスポーツとして考案されたスポーツです。
桃を入れるかごをゴールとしていたことからバスケットボールと名付けられました。
本場アメリカでは、ストリートバスケの3on3や1on1など、身近なスポーツとして親しまれています。
YMCAの留学生によって世界に広まる
アメリカで始まったバスケットボールは、YMCAに学びに来ていた世界各国の留学生たちが、母国にバスケットボールを持ち帰ったことをきっかけに世界に広がりました。
1932年には、国際バスケットボール連盟(FIBA)が発足。2020年現在、スイスのミーに本部が置かれているFIBAの加盟国は213か国に上ります。
バスケットボールの最大のイベントは、FIBAが主催し、4年に1度開催される世界選手権です。
予選は、アメリカ・ヨーロッパ・アフリカ・アジア・オセアニアの大陸ごとに行われ、上位24か国が世界選手権本大会に出場。
優勝チームにはネイスミス・トロフィーが贈られます。
日本でのバスケットボールの歴史
日本にバスケットボールが伝わったのは、1908年のこと。
YMCAへの留学から帰国した大森兵蔵氏が東京YMCAで紹介したとされています。
その後、1913年にアメリカ人のブラウン氏が京都、大阪、神戸のYMCAで指導したことから、普及していきます。
日本におけるバスケットボール協会は、1930年に大日本籠球協会として発足し、1976年に法人化したことによって財団法人日本バスケットボール協会(JABBA)が、そして、1995年にはバスケットボール日本リーグ機構(JBL)が発足しました。
2007年には日本協会の略称がJABBAからJBAに改称され、2012年、JBAは公益財団法人に移行しています。
世界のバスケットボール競技人口数
アメリカで始まり、世界各国で親しまれているバスケットボール。
その競技人口は、全世界で約4.5億人といわれています。
この数字は、バスケットボール連盟に登録している競技人口数であり、競技スポーツでは世界1位となっています。
ちなみに、競技人口数の2位はサッカーで約2.5億人、3位はクリケットで約1.5億人、4位はテニスで約1.1億人、5位はゴルフで約0.65億人です。
小学生から親しまれ、男女ともに人気があるのが競技人口数が多い要因といえます。
日本のバスケットボール競技人口数
全世界に4.5億人いるとされるバスケットボールの競技人口ですが、日本のバスケットボール競技人口はどれくらいでしょうか?
ここでは、日本バスケットボール協会(JBA)への登録人数と登録者数の多い都道府県上位5位、18歳以上の年1回以上および月1回以上プレーする実施者数をご紹介します。
JBAへの登録者年度推移
JBAへの登録者数は、約60万人。
2016年度の約63.7万人をピークに漸減しています。
2019年度は60万人を切るまで減っていますが、これは、中学生・高校生の減少が大きい要因です。
週1回以上のバスケットボール実施者数を調べた別の調査でも、2018年は約62万人となっており、これはJBA登録人数にほぼ符合しています。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | |
U-12 | 148,667 | 152,782 | 155,003 | 155,085 | 153,143 |
U-15 | 247,289 | 234,459 | |||
(うち中学生) | 258,307 | 256,174 | 253,900 | (244,525) | (225,810) |
U-18 | 152,169 | 143,729 | |||
(うち高校生) | 163,748 | 160,131 | 157,778 | (152,169) | (143,729) |
一般 | 66,265 | 68,162 | 66,202 | 67,963 | 66,044 |
競技人口数 | 636,987 | 637,249 | 632,883 | 622,506 | 597,375 |
注:2018年度から集計表のカテゴリーが変更。U-15と中学生の人数の差はクラブチーム等選手数。
バスケットボール都道府県登録者数(2019年度)
JBAへの登録者数を都道府県別に上位5位までを調べたのが下記の表です。
関東エリアと大阪・愛知の登録者数が多いことが分かりますが、これは、中学生・高校生などの学生世代が多く在住する地域であることが要因として考えられます。
順位 | 都道府県 | 登録者数 (人) |
1 | 神奈川県 | 40,168 |
2 | 大阪府 | 33,264 |
3 | 東京都 | 33,059 |
4 | 千葉県 | 31,695 |
5 | 愛知県 | 30,565 |
年1回以上プレーする実施者数
年1回以上、バスケットボールをプレーする人口数は、2018年で約218万人。
他競技と比較するとサッカーが約436万人、バドミントンが約519万人、卓球が約581万人であることから、やや少ない人数となっています。
年代別で比較すると、20歳代が最も多く、年代が上がるにつれてプレーする人数が減っています。
これは、バスケットボールが団体競技であること、そして、体力的にハードで接触プレーの多い競技であることが理由だと考えられます。
2010年度 | 2012年度 | 2014年度 | 2016年度 | 2018年度 | |
バスケットボール | 208 | 208 | 208 | 218 | 218 |
サッカー | 478 | 582 | 415 | 353 | 436 |
バドミントン | 706 | 520 | 550 | 551 | 519 |
卓球 | 467 | 489 | 457 | 447 | 581 |
バスケットボール競技人口が増え続ける3つの理由
現在、2016年をピークに漸減している日本のバスケットボール競技人口数ですが、今後、増加すると予想されています。
その理由として
①低年齢および女子の競技人口が多い
②NBAに日本人選手が所属
③Bリーグの盛り上がりと、ナショナルチームの活躍
の3点が挙げられます。
それぞれの要因について、1つずつ見ていきましょう。
①低年齢および女子の競技人口が多い
バスケットボールは、小中高校の体育授業で採用されているスポーツでもあることから、若い時期にプレーする機会が多く、今後、競技人口が増えることが予想されています。
また、最近ではインターネットでの動画配信に伴い、全国どこにいてもバスケットボール大会が観戦できることから、同年齢や上の世代の選手たちの活躍する試合を見て、興味を持つ人が増えています。
②NBAに日本人選手が所属
アメリカのプロバスケットボール連盟NBA。
NBAは世界のトップリーグですが、2019年、NBAのドラフトで日本人選手、八村塁が指名されました。
NBAのドラフトで日本人選手が指名されたのは史上初めてのことであり、多くのメディアで取り上げられました。
彼は現在ウィザーズに所属していますが、NBAで活躍する日本人選手は日本のバスケットボール競技選手たちの憧れとなっています。
③Bリーグの盛り上がりと、ナショナルチームの活躍
Bリーグは、2016年に開幕した日本国内の男子プロバスケットボールリーグです。
Bリーグが開幕する前、日本には複数のバスケットボールリーグがありましたが、FIBAから改善の勧告を受けてJBAが組織改革され、Bリーグをトップとする選手強化と育成の環境が整ったのです。
Bリーグの公式試合は動画配信もされていますが、地方の体育館で行われることが多く、他の競技に比べて近距離で観戦する機会が多くあります。
臨場感あふれるライヴでの試合を見ればファンが増え、競技人口も増えることでしょう。
日本代表男子バスケットボールチームは、2019年FIBAワールドカップにおいて自力で予選を勝ち抜き本戦に出場。
本選で1ラウンド敗退となりましたが、自力での出場は1998年大会以来、21年ぶりの快挙であり、今後に期待できる内容でした。
まとめ
世界に約4.5億人、そして、日本に約60万人いるバスケットボールの競技人口。
低年齢層のプレーする機会の拡大やNBAでの八村選手の活躍、さらに、盛り上がりを見せるBリーグと、ファンや競技人口が増えることが予想されています。
東京オリンピックでも注目されるバスケットボール競技の今後の動向に注目が集まります。
(TOP写真提供 = taka1022 / Shutterstock.com)
《参考記事一覧》
東京五輪で2種目採用!バスケットボールの競技人口を徹底解説!(SPOSHIRU)
【競技人口No.1】バスケットボールの人気が広がり続ける理由(MISCブログ)
登録者数推移(公益財団法人日本バスケットボール協会ホームページ)
バスケットボールのひみつ(MOLTEN NEWS LETTER)
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