サッカーワールドカップで動く巨額のスポンサー料とその行方とは

4年に1度開催されるサッカーワールドカップは、世界中の一流プレーヤーが顔を揃える大会です。世界で200億人以上が試合を見守ると言われていて、そこにビジネスチャンスを見出す企業が多くあります。例えば、日本がワールドカップに初出場したのは1998年ですが、それ以前から日本企業はFIFAとスポンサー契約を結んでいました。そして、今FIFAとスポンサー契約している企業で存在感を表しているのが中国企業なのです。

サッカーワールドカップのスポンサーの種類は?

サッカーワールドカップを主催しているのはFIFA(国際サッカー連盟)で、世界のサッカーを統括する立場にあります。大会の主催、サッカーの普及やルールの策定など、多くの役割がありますが、最も大きなイベントというとサッカーワールドカップです。世界200カ国以上の国でTV中継されるこの大会には、多くのスポンサー企業がついています。

FIFAパートナー

FIFAは多くの企業とスポンサー契約を結んでいます。その中でもトップのランクが「FIFAパートナー」です。ワールドカップだけでなく、FIFAが主催するすべての大会やイベントを活用したビジネスが可能です。2019年7月時点でのパートナー契約は6社、「adidas」「VISA」「Coca Cola」「HYUNDAI」「大連万達集団」「Qatar Airways」となっています。かつて「FIFAパートナー」には日本企業も名を連ねていました。特にソニーは、2007~2014年の8年で330億円という巨額のスポンサー契約を結んでいましたが、自社の経営不振による構造改革から契約の更新はありませんでした。

ワールドカップスポンサー

「ワールドカップスポンサー」はFIFAパートナーに次ぐランクのスポンサー契約です。ワールドカップに直接かかわることができるスポンサーで、ロシアW杯では「Anheuser-Busch InBev」「McDonald’s」「海信集団」「蒙牛乳業」「Vivo」の5社が契約を結んでいました。

リージョナルサポーター

FIFAパートナー、ワールドカップスポンサーに次ぐランクが「リージョナルサポーター」です。ヨーロッパ・北米・南米・中東・アジアという5つの地域において、チケットの配分が優先されたり、ブランド広告権が与えられたりします。例えば、ロシアW杯のときは、ヨーロッパ地域で「アルファ銀行・アルロサ・ロステレコム・ロシア鉄道」の4社、 アジア地域で「帝牌・LUCI・雅迪」の3社、アフリカ地域で「エジプト政府観光局」が契約を結んでいました。

ワールドカップのスポンサー料はいくらか?

TV中継を含めたワールドカップを観戦する人は、世界200カ国以上に200億人を超えると言われており、当然そこで動くお金も巨額です。

スポンサー料の合計はロシアW杯で1600億円

2018年に行われたロシアW杯で、FIFAが受け取ったスポンサー収入は1600億円だと言われています。2014年ブラジルW杯のときは1800億円とも言われていたため、大幅に下落しているのです。2015年から2018年にかけてはスポンサー獲得に向けてとても厳しい状況だったということでしょう。ちなみに、「FIFAパートナー」は複数年契約であるため、企業ごとで契約金に大きな開きがありますが、「ワールドカップスポンサー」の年間契約料は10億~25億円、「リージョナルサポーター」の年間契約料は5億~10億円だと言われています。

スポンサーは1業種1社

特に大きなお金が動くとされているのがFIFAパートナーです。契約年数や契約料は企業によって異なりますが、ほとんどの企業が複数年契約を結び、年間20億円を超えるスポンサー料を各社が支払うと言われています。また、FIFAパートナーになれる企業は1業種につき1社と定めらいます。例えば試合に使われる公式ボールはFIFAパートナーであるアディダス社であるなど、大きなビジネスチャンスとなっているのです。

ワールドカップのスポンサー料の使い道とは?

実際にはスポンサー料だけでなく、入場料やW杯関連グッズなどの売り上げもあるため、スポンサー収入以上の金額が動くサッカーワールドカップですが、いったいこれらのお金は何に使われているのでしょうか。最も大きく占めるのは、ワールドカップ出場国に支払われる分配金です。ロシアW杯では32カ国がワールドカップに出場しましたが、たとえグループリーグで敗退したとしても、日本円に換算すると約9億円という分配金が出場国のサッカー協会に支払われます。勝ち進めば金額も上がっていき、ベスト16だと13億円、ベスト8で18億円、4位で24億円、3位で26億円、準優勝で31億円、そして優勝すれば42億円の分配金がスポンサー料などから支払われるのです。

スポンサーから消える日本企業、台頭する中国企業

ワールドカップの歴史の中で、長きに渡りスポンサーを続けている企業もあれば、消えていく企業もあります。日本企業も日本チームがワールドカップ初出場を果たす前から、多くの企業がスポンサー契約を結んできましたが、2015年以降は1社も契約を結んでいません。代わりに台頭してきているのが中国企業です。

存在を確かなものにする中国企業

FIFAパートナーは複数年契約を結ぶことが一般的ですが、2016年~2030年という長期契約を結んだのが「大連万達集団」、中国企業です。もともとは不動産業から大きくなった企業ですが、映画・金融・ITなど多くの業種に手を広げています。ワールドカップスポンサーにおいても、「海信集団」「蒙牛乳業」「Vivo」は中国企業です。中国チームのワールドカップ出場は2002年のみであるのにもかかわらず、ワールドカップスポンサーとしてFIFAと巨額の契約をしているのは、大きなビジネスチャンスだと捉えているからでしょう。また、中国の習近平国家主席の趣味はサッカーだと言われておりその影響力から、今後ますます中国企業がワールドカップにかけるお金は増えていくと見られています。

消えた日本企業

かつて複数の日本企業も、FIFAとスポンサー契約を結んでいました。日本チームがワールドカップに初出場したのは、1998年フランスW杯のときです。しかし、それ以前である1982年から日本企業はFIFAのスポンサー企業として名を連ねていたのです。その企業とはキャノン・富士フイルム・日本ビクター・セイコーそしてソニーなど日本を代表する一流企業であり、それらの企業とFIFAが深く結びつくことで、日本にサッカーが普及し、Jリーグ発足につながったのだと言われています。しかし、2015年以降、FIFAとスポンサー契約を結ぶ日本企業はなくなりました。ソニーは8年間で330億円という巨額な契約を結んでいたのですが、2014年ブラジル大会終了後は契約更新をしなかったのです。

また、FIFAが集めるスポンサー料などの資金は動きに不透明な部分も多く、問題視する声も上がっています。それでも世界中のサッカー熱は衰えることがなく、スポーツビジネスとしての市場価値は高いものです。今後日本企業がワールドカップのスポンサーというビジネスチャンスをどう捉えていくかが注目されています。

まとめ

サッカーワールドカップでは200億人以上がTVなどで試合を観戦すると言われています。そして、主催しているFIFAは多くの企業とスポンサー契約を結び、巨額な資金を得ているのです。日本企業もかつては契約を結んでいましたが、2015年以降は1社も契約をしていません。代わりに台頭してきたのが中国企業です。まだ決して強いとは言えない中国サッカーですが、スポーツビジネスのチャンスを逃すまいと中国企業は考えているのでしょう。


<参考>

あらゆる数字から見る『FIFAワールドカップ』の大会価値(Brabo!)

変わりゆくW杯スポンサー事情7社ある中国企業に対して日本企業は?(VICTORY)

ロシアW杯の主要スポンサーは中国が最多 ゼロの日本とついた差(livedoorNEWS)

SONYに代わってHISENSEついに日本企業がいなくなったFIFAパートナー(WITHOUT BREATHING)

FIFAのスポンサーは中国企業が席捲(国際メディアサービスシステム研究所)

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