BMXとは、ロードバイクを巧みに操ってレースをしたり、様々な技を繰り出したりする競技のこと。
世界的に人気がある競技であり、注目が集まっています。
本記事では、そんなBMXについて、競技の概要や発祥、日本人の有力選手やスポンサーなど幅広く紹介します。
BMXとは
BMXとは、バイシクルモトクロス(Bicycle Motocross)の略で、専用の自転車を使ってレースや様々な演技をする競技のこと。
1970年代のアメリカでオートバイのモトクロス競技に憧れていた子供達が自転車で真似をしたことから生まれたとされています。
BMXに使用する自転車は、
- リアブレーキのみ
- 20インチの小さなホイール
- 特徴的なハンドル
と、かなり特徴的なもの。
オフロードの短距離レースや激しいジャンプ、スタントプレイに特化しており、サスペンションや変速ギアは基本的にありません。
BMXの種類は大きく分けて2つ
BMXの競技は、スピードを競うレースと、多彩な演技をするフリースタイルの2つに大きく分けることができます。
ちなみに、レースはオリンピックの正式種目となってり、フリースタイルのパークも東京オリンピックから正式種目として採用されることになっています。
レースとフリースタイルのそれぞれの特徴について見ていきましょう。
レース
レースは、アスファルトや土で作られた一周300mから400mのコースで行われるもの。
パームと呼ばれるすり鉢状のカーブやリズムセクションと呼ばれる小さなこぶが連続するゾーンなど、多くの障害物が設けられており、最大8人の選手が速さを競います。
競技の最低年齢は5歳で、年齢能力別にクラス分けされています。
フリースタイル
多彩なテクニックで次々と演技を披露するフリースタイルは、ストリート、ダート、ジャンプ、フラットランド、パーク、ヴァートの5種目に細分化されます。
このうち、パーク種目が2020年東京オリンピックから正式種目となりました。
フリースタイル競技の勝敗は、技の完成度や難易度、オリジナリティを加点していき、総合得点によって決定されます。
ここからは、それぞれの種目について紹介します。
パーク
パークは、基本的にスケートパーク施設で行う種目です。
設置されている大きめのジャンパーを使ってジャンプしながら技を繰り出し、構成や完成度、独創性やジャンプの高さ、そしてスピードなどで総合的に評価されます。
ジャンプが演技のメインになるため、軽さを求めたバイクに改良することが多いようです。
ストリート
ストレートは街中でのライディング。
街中にある手すりや縁石、壁など、建物や設置物を使って自由に技を出すのが特徴です。
具体的な演技としては、壁を走ったり、階段の手すりにペグをひっかけて滑ったり、段差を利用して飛んだりするなどがあります。
身近な用具を使った派手な技が見られる競技といえます。
BMXフラットランド
BMXフラットランドは、舗装された平らな場所でライディングをする競技。
足が地面につかないようにバランスを取りながら技を連続して出していきます。
ちなみに、地面に足がつくと、減点になったり大会によっては演技を終了しなければならないことも。
車輪の左右に装着したペグに乗ったり、ハンドルやシートを様々な体制で制御したりするなど、まるで自転車と踊っているかのように見える競技ですが、近年評価される技として、バイクやハンドルを空中で回転させる「フリップ」や、ステップの上で体の向きを変える「バリアル」などがあります。
使用するバイクは全体的にコンパクトに作られており、細やかな動きができるようになっているのが特徴です。
ダート
ダートは、河川敷や森に土を盛ってジャンプ台を作り、駆け抜ける競技です。
大自然がBMXと融合し、迫力があります。
フィールドはレースで使うものと似ていますが、ダートでは、スピードではなく技の完成度やジャンプの高さなどを競います。
ヴァート
ヴァートは、スノーボードのハーフパイプを使った競技。
高くジャンプし、空中で技を披露していきます。
高さがあり技も派手なので、見応えのある種目といえるでしょう。
BMXのスポンサー企業
日本のフリースタイルを管理する「一般社団法人BMX全日本フリースタイルBMX連盟」には、連盟のある岡山県の企業の他、ミズノや国民共済などの大きな団体がスポンサーとなっています。
世界に目を向けてみると、エクストリームスポーツへ積極的にスポンサー参加している「レッドブル」、ロンドンの閉鎖したプール施設をBMXパークとして蘇らせた「NIKE」などがBMXのスポンサーとして名を連ねています。
また、有名選手には、アパレルやスポーツ関係だけでなく、旅行会社などの様々な企業がついています。
BMXで注目される選手
BMXで注目される日本人選手として、長迫吉拓選手・中井飛馬選手・畠山紗英選手・丹野夏波選手・中村輪夢選手・高木聖雄選手・大池水杜選手などが挙げられます。
長迫吉拓選手はレース男子で全日本選手権5連覇、最近のワールドカップで日本人最高位の総合23位を獲得。中井飛馬選手は全日本やアジアのジュニア大会を制し、ジュニア世界ランキング1位を獲得した選手です。
畠山紗英選手は10歳、12歳、13歳のクラスで世界選手権を優勝し、直近の世界選手権で日本人最高位の15位を獲得。丹野夏波選手はフリースタイルユースオリンピックで銅メダルを獲得し、年齢別クラスで世界大会3年連続優勝した選手です。
中村輪夢選手は、フリースタイル男子の日本のエースで、Xゲームズで日本人初の銀メダル、ワールドカップで年間王者に輝いた世界的にも有名な選手であり、高木聖雄選手は2011年の全日本コンテストで優勝、2018年には国際大会で2連勝し、オリンピックのメダル候補に名前が挙がっています。
そして、大池水杜選手は中国で行われたUCIワールドカップで5位、UCIアーバンサイクリングで4位に入り、注目が集まっています。
まとめ
特徴的な自転車を使う競技であるBMX。
日本ではまだまだマイナーなスポーツではありますが、世界的に人気のあるスポーツであり、You Tubeなどのプラットフォームには、いろいろな大会の動画が数多く上がっています。
東京オリンピックでも競技として採用されているので、ぜひ注目してみてください。
(TOP写真提供 = Brian Matangelo / Unsplash.com)
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