ゴルフの打数の数え方にはパー、バーディー、ボギー、イーグルなどさまざまなものがありますが、特徴的なのはバーディーやイーグルなど鳥にちなんだ用語が多いこと。
本記事では、「パー」の意味とパーの決め方、パープレイをするためのコツなどについて説明します。
ゴルフのパーとは
パーという言葉は、「平均」「通常の金額や状態」という意味を持つ言葉。
ゴルフの1ラウンドは基本、18ホールですが、各ホールそれぞれ、ティーショットを打って、カップに入れるまでの規定打数が3から5打の範囲で決められています。この規定打数のことをパーと呼びます。
日本では、パー3をショートホール、パー4をミドルホール、パー5をロングホールと呼びますが、例えば、パー3のショートホールでは、ティーショットから3打でカップインすればパーになります。ちなみに、規定打数パーより1打少ない場合はバーディー、2打少ない場合はイーグル、1打多い場合はボギー、2打多い場合はダブルボギーと呼びます。
ゴルフを始めたばかりでは、1ラウンドにパーがひとつ取れるかどうかですが、初心者の方は、まずはひとつでもパーを取ることを目指してラウンドを回るといいでしょう。
パーの決め方
規定打数のパーの決め方は、1999年まではゴルフ規則に「パーの算定に際しての参考距離表」という表が掲載されていましたが、2000年のルール改定で削除され、現在、目安となるものはありません。ここでは、以前掲載されていた表から、パーの打数と男女別の距離についての基準を紹介します。
打数 | 男性 | 女性 |
パー3 | 250ヤード以内 | 210ヤード以内 |
パー4 | 251~470ヤード | 211~400ヤード |
パー5 | 471ヤード以上 | 401~575ヤード |
パー6 | なし | 576ヤード以上 |
パーの算定には距離を基にしますが、画一的に適用するものでなく、地形や難易度、特異性やハザードの厳しさが考慮されます。自然の地形を利用したコースの場合、距離は短くても難易度を考慮してパー5のホールや、距離が長くてもパー4のホールも存在します。
パープレイをするには
パープレイとは、各ホールをパーで回ること。
パープレイをするには、難易度の高そうなホールでは我慢してパーでしのぎ、チャンスのホールではバーディを狙う、という「コースマネジメント」の考え方で各ホールをパーで回ることが大切ですが、これにはカップインから逆算して考えることが必要です。ここでは、パープレイの3つのコツを紹介しましょう。
①パーオンを目指す
パーオンとは、パーを取るために、パーから2打引いた打数でグリーンに乗せることを言います。
例えばパー3でのパーオンはグリーンへの1オンすること。ただし、必ずしも1オンしなくても、2オン1パットでできる距離にセカンドショットを正確に乗せるという方法でも構いません。
また、距離の長い、パー5でのパーオンは、3打でグリーンに乗せることを言いますが、距離を3つに割って2パットと考えると多少気楽になります。
飛距離を飛ばすより、正確なトラブルのない位置にボールを運び、着実なゴルフをすることがパープレイにつながります。
最終的にはグリーン上に1パットで入る位置に付けることが理想ですが、まずはパーオン2パットを目指しましょう。
②我慢するホールと勝負するホールを区別する
ゴルフのコースでは、パー4のミドルホールが一番多く設計されていますが、ミドルホールの難易度は高いもの。そこで、難易度の高いホールは我慢し、勝負しやすそうなホールは勝負するという攻略法を考えておくことがおすすめです。
一方、パー3のショートホールやリカバリーのしやすいパー5のロングホールでは、悪くてパー、できればバーディーを狙うなど、ホールによって区別をつけるといいでしょう。
③スコアメイクを意識する
スコアメイクとは、好成績を残すために戦略でスコアを上げること。
自分がどういうプレーが苦手なのかを理解して、クラブを使い分けながら好成績を目指すことが大切です。
そのためには、グリーン周りのアプローチショットとパットの練習を行い、この距離ならパットが入る、といったパットの自信を付けることも欠かせません。
また、アイアンショットでは、この距離であればアイアン何番手できっちり打てる、といった自信をつけると気持ちが楽になります。
アイアンは10ヤード刻みで打ち分けることができるものですが、同じ番手でも力加減で距離が打ち分けられるようになると、なおよいでしょう。
OBやペナルティエリアでの余計な罰打や打数は、極力避けることが大切です。
2019年のルール改正以降、バンカーは2打罰で外に出せるようになりましたが、バンカーが苦手な人や、状況・場合によっては、罰打を払っても外に出すことを戦略として考えてもよいかもしれません。
パーおじさんとのゴルフ
かつてアメリカに「ゴルフの球聖」と呼ばれたボビー・ジョーンズという名プレーヤーがいました。
彼は著書の中で繰り返し「パーおじさん(old man par)」という架空の人物を登場させて、「ゴルフは対戦相手との戦いではなく、ホールごとに現れるパーおじさんとの戦いである」と解説。
相手との戦いでは冷静を欠くことが多いものですが、(自分の中にいる)パーおじさんとの戦いであれば、落ち着いて対処できるというこの考えは、ゴルフプレーでのコツのひとつといえるでしょう。
まとめ
ゴルフのパーの意味と、パーの決め方、パープレイのコツについて説明しました。
各ホールにいる「パーおじさん」と戦うという、ボビー・ジョーンズの考え方を採用すれば、冷静に戦えるようになるかもしれません。
自分の得意なプレー・苦手なプレーを理解し、スコアメイクをしながら、パープレイを目指してみてください。
(TOP写真提供 = Thomas Park / Unsplash.com)
《参考記事一覧》
今さら聞けないゴルフ用語 !「パー」を徹底解説(ゴルフの学校)
ゴルフコースの距離とコース改造 (日本ゴルフコース設計者協会)