ゴルフにおいて、スタンスはスイングだけでなく、安定したショットを打つのにも大きく影響します。
また狙ったところにショットを打つためにも、スタンスは重要です。
本記事では、ゴルフにおけるスタンスをテーマに解説。狭いスタンス幅のメリットやデメリットなどについても紹介しています。
「ゴルフでスコアが伸びない」と悩んでいる方は、ぜひご覧ください。
ゴルフのスタンスとは
スタンスは日常生活でも頻繁に使われている言葉で、意味は「立場」「態度」です。
ゴルフでは、プレーヤーが打撃を行う際のストロークでの「足の位置」「右足と左足との幅」を指します。ゴルフのスタンスには、下記の3つの構え方があります。
- スクエアスタンス
- オープンスタンス
- クローズスタンス
それでは、詳しくみていきましょう。
スクエアスタンス
ゴルフでは、左右の踵を結んだラインが、ボールとターゲットを結んだ飛球線と平行になるように構えるのが「スクエアスタンス」。そして、まっすぐボールを飛ばすために、もっとも最適なのがスクエアスタンスだといわれています。その際のコツがこちら。
- 両膝が無意識に曲がらないように注意する
- 腰を曲げて前傾姿勢になる
- 胸を張るように意識する
- グリップの左手は垂直に下ろす
- 顔を少し右側に倒す
このように、構え方のコツを意識することは重要なポイントです。
オープンスタンス
利き手側の足を前に出し(右利きの場合は右足、左利きはその逆)、目標に対してやや体を開いて構えるのが「オープンスタンス」。ボールにスイングの力がしっかり伝わるため、バンカーショットで向いているスタンスです。
- 足だけでなく、上半身や太もももオープンにする
- フェースを調整する
- 利き足とは反対側の足の荷重で打つ
- ボールは普段より右寄りに置く
上記を意識するとよいでしょう。
クローズスタンス
スクエアスタンスより、右足を後ろに引いたような形(右利きの場合)で構えるのが「クローズスタンス」。クローズスタンスは、ボールにドロー回転がかかりやすくなるため、ボールが遠くに飛び、地面に落ちても転がりやすくランを稼ぐことができます。
- 目標ラインと肩や腰のラインは平行に構える
- 右足(右利きの場合)だけを後ろに引く
- 両肩を結んだラインや腰のラインが一緒に向かないよう注意する
- 体の正面でボールをとらえるように意識する
上記のように、構えるコツを意識しましょう。
スタンス幅の決め方と基本
スタンスの構え方については前述しましたが、他にも、重要なのが「スタンス幅」。
スタンス幅とは、ショットを打つ際の両足の幅のことです。ここでは、基本的なスタンス幅や、クラブによって変わるスタンス幅の決め方を紹介します。
基本的なスタンス幅
自分に合う幅で構えるのが基本です。しかし、一般的には自分の肩幅程度広げるのが基本幅だといわれています。
体重移動を活かしてスイングするタイプの方は、やや狭めの幅にした方がよいです。一方、スイングに体の回転を活かす傾向にある方は、幅はやや広めにとるとよいでしょう。
クラブごとのスタンス幅
使用するゴルフクラブによって、スタンス幅は異なります。
そもそも、ゴルフクラブは番手ごとに長さが異なるため、長さによって幅を調節した方がよいといわれています。
例えば、ドライバーのように長いクラブはスタンスを広く取るのが基本。一方、ショートアイアンのように、距離を求めない短めのクラブは幅を広く取る必要はありません。
ちなみに、ドライバーのスタンス幅は、両肩の外側から地面に下ろした垂線が自分の両足の内側に入るのが基本幅。そのため、スタンス幅は最大でも約35センチで、ボール位置はスイング最下点前後にしましょう。
また、ドライバー以外のウッドクラブは、ややスタンス幅を狭めてボール位置をスイング最下点から半個右にするのがおすすめです。さらに、ロング~ミドルアイアンは、両肩から下ろした垂線が両足の中央で、スタンス幅は約25センチがおすすめ。ショートアイアンは、両肩から垂線に下ろして両足の外側にし、スタンス幅を約20センチ確保しましょう。
スタンス幅が狭い時のメリット・デメリット
ここでは、スタンス幅を狭くした場合、どのようなメリットとデメリットがあるのか解説します。
スタンス幅を狭くするメリット
スタンス幅を狭くすると、下記のメリットがあります。
- 体が回転しやすい
- 股関節に体重をのせてスイングしやすくなる
- ミートする確率が上がる
狭いスタンス幅では、体が回転しやすくなり、軸が安定します。そして、軸が安定しているとクラブの芯に当たりやすくなるため、ミート率の向上にも繋がります。
体が硬くて上手く回転できない方やヘッドスピードを上げたい方、距離の短いショットをコントロールしたい方は、幅を狭めてみましょう。
スタンス幅を狭くするデメリット
一方、下記のようなデメリットもあります。
- 飛距離が下がる
- 距離を出そうとすると手打ちになる
- 体のバランスが不安定になる
体の回転がしやすい反面、ふわっとした威力のないスイングになってしまうことも珍しくありません。そのため、飛距離が下がってしまう可能性があり、場合によっては振り遅れを招きます。
また、スタンスが狭いと、距離を出そうとした際に手打ちになりやすいです。手打ちになると、フェースが開いてスライス気味のショットになってしまいます。
他にも、体のバランスが不安定になるので、注意が必要です。
両足の幅の広狭を比較すると、足をしっかり開くと体のバランスは安定します。
そのため、傾斜地やラフ・バンカーなどの足場が不安定な場所でショットを打つには、狭いスタンスは不向きといえるでしょう。
スタンス幅は狭い方がよい?それとも広い方がよい?
スタンス幅を狭めにとるメリット・デメリットについては前述しましたが、本当に狭い方がよいのでしょうか?
結論からいえば、状況に応じたスタンス幅の使い分けが最重要。
うまく体を回転させづらいゴルフ初心者は、スタンス幅は狭めに取るのがおすすめ。
そして、ゴルフが上達してきたら、ケース別にスタンス幅を使い分けるのがベスト。ちなみに、スタンス幅を狭くするとミート率が上がります。それに対して、幅を広くするメリットに、ヘッドスピードが上がり、ボールが飛びやすくなるということがあります。
まとめ
今回は、ゴルフにおけるスタンスについて、解説してきました。
スタンス幅は、自分が打ちやすければよいため、具体的に距離が決まっているわけではありません。
ただし、距離の短いショットをコントロールしたい場合はスタンス幅を狭くし、飛距離を伸ばしたい場合は広くした方がよいです。
ベストは、使用するクラブに合わせてスタンス幅を変えることなので、ぜひ練習してみてください。
本記事が、ゴルフにおけるスタンスについて知りたい方の参考になれば幸いです。
(TOP写真提供 = Courtney Cook / Unsplash.com)
《参考記事一覧》
「広いスタンス=飛ぶ」訳ではない!スタンスは狭いほうが速く振れる!(Gridge)