「転職活動を始めるのは、早ければ早いほどよい」
といわれますが、これは間違いではありません。
しかし、転職活動を始めるには、タイミングも重要です。
「あと2カ月早く始めればよかった」「もっと短期間で終えられたのに」と後悔しないようにするために、転職活動を始めるタイミングは転職活動のゴール(内定)と期間から逆算することが大切です。
本記事では、転職活動を始めるタイミングについて、分かりやすく解説します。
転職活動を始めるタイミングは内定をもらうより3ヶ月前
マイナビ転職によると、転職活動の期間は約3ヶ月。(詳しくはこちら)
つまり、多くの人が「よし、今日から転職活動に着手しよう」と活動し始めてから、3ヶ月後には内定の通知を受けている、といえます。
つまり、転職活動を始めるには約3ヶ月の期間がかかるとあたまに入れておくと良いでしょう。
転職活動の期間が長くなると、「このまま決まらないのではないか」と不安になったり、「今の会社でもいいかな」と思えてきたりするなど、転職活動がダラダラしたものになることも。
3ヶ月で集中して頑張る、という意識を持つようにしましょう。
意中の企業がいつ内定を出すのか探る
転職活動を始めるタイミングは内定をもらう3ヶ月前である、と述べました。つまり、自分が転職したい企業が8月1日に内定を出すのであれば、5月1日が転職活動開始タイミングになります。
「今の会社にいたくない、転職したい」と思ったら、まずは意中の企業の内定日を調べましょう。
内定日をどのように調べたらよいか「電話をしよう」
求人票に内定日を明記している企業もありますが、書いていない求人票もあります。また、求人票に「即入社可能」や「よい人材を3人採用できた時点で採用活動を終了します」と書いている企業もあるでしょう。これでは、確実な内定日がわからず、転職活動開始タイミングがつかめません。
転職活動開始タイミングがつかめないと、「ダラダラ転職活動」になってしまいかねません。
その場合、意中の企業に電話をして、人事担当者に内定日を尋ねてみるといいでしょう。
●と申します。自分は●歳で、●関係の仕事をしています。転職を検討していて、御社の求人票をみつけました。 求人票に内定日が記されていなかったのですが、いつごろを予定しているのでしょうか。その日に照準を合わせて、今の会社の退職や転職活動のスケジュールを立てたいと思っております。 |
などのように尋ねれば、大体の目安について教えてもらうことができます。なぜなら、内定日が外部に漏れても、企業にダメージはないからです。
もしこのように尋ねても、正確な内定日を教えてくれなかったり、もしくは「そのようなことを、いきなり電話をかけて尋ねるとは失礼な」と叱責されたりしたら、その企業を受けるかどうか再考したほうがよいでしょう。
内定日がわからないと、求職者は不安定な状態で転職活動をすることになります。そのようなことが起きないように配慮できない企業は、社員に対しても配慮が欠けている可能性があります。
内定日がわかったら、その3ヶ月前の日時を調べ、転職活動の準備を始めましょう。
その日までに時間がある場合、意中の企業が求めるスキルを獲得する、ということもおすすめです。
転職活動の流れ
転職活動は大体、
1:自己分析などの事前準備
2:意中の企業の情報収集と応募
3:面接
4:内定と退職の手続きと入社手続き
という流れをたどります。
それぞれのポイントについて解説していきます。
1:自己分析などの事前準備
転職活動を始める際には、まず、自己分析をしましょう。
中途採用を考えている企業の人事担当者は、よい企業でよい仕事をしている人を採用したいと思っています。そのため人事担当者は採用面接のときに、求職者に「なぜ、これほどよい企業でこんなによい仕事をしているのに、うちの会社に入りたいのですか」と尋ねるはずです。
自己分析ができていないと、このとき「○○だから、今の会社を辞めて、御社に入りたいと思いました」と言うことができません。
自己分析では
- 自分の最終目標は何か
- 今の会社ではなぜ、最終目標を達成できないと考えたのか
- 意中の企業であればなぜ、最終目標を達成できると考えたのか
- 最終目標を達成するために、今まで何をしてきたか
ということを洗いだしましょう。
2:意中の企業の情報収集と応募
転職活動の「理想は」1社に絞ることですが、それではリスクが大きすぎます。そこで「現実的な」思考を持ち、複数社を選んで挑戦しましょう。
意中の企業が増えると、その分、情報収集に手間と時間がかかりますが、ここをしっかりこなしておかないと、転職後に「前の会社のほうがよかった」となりかねないので、企業の情報収集は徹底的に行うことが大切です。
意中の企業の情報収集で注視したいのは、「絶対に譲れない労働条件」が、現在の会社より改善されるかどうかということ。
転職ですべての労働条件が改善することはありません。
転職を成功させるには、自分で絶対に譲れない労働条件を設定し、それをクリアできる企業を探すこと。絶対に譲れない条件以外の労働条件が現在の企業に比べて低いと思っていても「よしとする」姿勢が大切です。
意中の企業が決まったら履歴書・職務経歴書などを送るなどして応募活動に入ります。
3:面接
中途採用ではまず、求職者から送られてくる履歴書・職務経歴書を基に書類選考を行います。そして、書類選考で合格した求職者に対して面接を実施します。
企業の会議室で対面での面接をする企業もある一方、ネット会議システムを使って面接をするところもあります。応募した企業がどういう形態での面接を行うのか、によって、面接の練習をすると良いでしょう。
転職での面接内容は、新卒就職での面接とまったく異なり、即戦力になるかどうか、自社の社風になじむかどうかをみます。
したがって、求職者はこれまでの実績をしっかりアピールするとともに、なぜその企業に入りたいのかを明確に述べられるようにしておくとよいでしょう。
4:内定と退職の手続きと入社手続き
内定をもらった際に在職中である場合、退職の手続きに入らなければなりません。
退職の時期に関し、法律では、労働者は勤務先に2週間以内に退職の意向を伝えればよいことになっています(*1)。
しかし、重要な仕事をしている人が、退職の表明から2週間でいなくなってしまったら、その企業は困るでしょう。2週間退職は違法ではありませんが、退職後も、退職した会社と良好な関係を維持したいのであれば、退職表明日から最終出勤日まで1ヶ月はあけるようにしましょう。
もし、内定をもらった転職先企業から「すぐに入社してほしい」と言われた場合は、まず、内定をもらった企業に「今までお世話になった会社に不義理はできないので、1ヶ月は待ってほしい」と伝えてみてください。
内定を出してくれた会社が、よい企業であればそれを承認してくれるはずです。
一方、内定を出してくれた会社から「1ヶ月も待てない。2週間後には入社してほしい」と言われた場合、本当にその会社がよい会社なのかどうかを吟味してみてるといいでしょう。
ここまでの考察は、転職先企業から内定をもらったあとに現在の会社に退職の意向を伝える、という段取りを前提にしていますが、勤務先に退職意向を伝えてから内定を待つこともできます。その場合、退職後も転職先が決まっていない可能性がありますが、先に退職の意向を伝えると「背水の陣」を敷くことによって、転職活動に力が入ります。
内定をもらってから退職を表明するか、退職意向を伝えてから内定を待つかは、じっくり考えてから決めてください。
*1:https://jsite.mhlw.go.jp/miyagi-roudoukyoku/library/miyagi-roudoukyoku/window/img/kiso_04.pdf
転職活動の期間は延びることもある
転職活動は大体3ヶ月と述べましたが、これはあくまで目安であり、これより長くなることも珍しくありません。
そもそも、転職したい企業が求人を出していなければ転職活動を始めることはできないのでじっくり転職に取り組むようにしましょう。
転職活動の期間が延びた場合でも、転職後をにらんで今の業務のなかで人脈を広げたり、語学を学んだり、資格取得の勉強を始めるなど、その期間にできることはたくさんあります。
3ヶ月以内に決めないといけない、と固定すること無く、柔軟に考えるようにしましょう。
まとめ
転職はタイミングが重要です。
希望する企業が中途採用の募集をしているかどうか、こまめにチェックし、計画的かつ戦略的に転職活動を展開してください。
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