面接でよくある質問はある程度パターン化されています。
今回は面接でよくある質問と、それに対する考え方について紹介します。
面接は、その場で聞かれたことをただ答える、というものではありません。
何故その質問がされるのかを考え、しっかり準備することが大切です。
面接では採用担当者が「なぜその質問をするのか」を理解することが重要
よく「面接でよくある質問」はある程度パターン化されているため、質問例やその質問に対する回答例をまとめた本も出されています。
それらの内容を見て面接対策をすすめる人は少なくないでしょう。
しかし、「面接でよくある質問」に対する回答例を覚えておくだけでは意味がありません。
面接対策で重要なのは、その質問の意図を把握しておくこと。
なぜこの質問が出されるのか、面接担当者の質問の意図を考慮して回答できるようにしましょう。
「なぜその質問が出されるのか」を考えれば、予期していなかった質問が出された時も焦らずに対応することができます。
質問の項目別、よくある質問
面接でよくある質問には
- 自己紹介
- 自己PR
- 志望動機
- 将来の夢・キャリアプラン
- 働く条件
- 逆質問
- 役員質問
などに分けられます。
それぞれの質問の意図と、回答例を紹介していきます。
自己紹介編
面接の初めに「自己紹介をしてください。」といわれることはよくあることですが、この質問は、応募者のコミュニケーション能力や経歴を聞くことで、自社で活躍できる人材かどうかを把握するために出されるもの。
自己紹介で使える時間は大体60秒程度なので、要点をまとめて簡潔に答えることが大切です。
自己紹介で自分に対する興味を持ってもらうために有効なのが、学生時代または前職でどういう活動をしたのかということ。実績やスキルをアピールすると良いでしょう。
この質問に対しては「○○と申します。前職ではアパレルメーカーのマーケティング職としてキャンペーンの企画などに携わり、その企画の1つである○○で前年対比■■%の売上を達成しました。今後は、その経験を活かし、潜在顧客にアピールできるマーケティングを実施していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。」
「〇〇と申します。前職では5年間保険の営業をしていました。1年前には社内の特別賞を受賞しました。グループマネージャーも兼任し、自分の営業力の向上のみならず、グループ全体の営業スキル向上に寄与してきました。今後はより幅広いマネジメントに挑戦したいと考え、様々なクライアント様と取引をしている御社に応募させていただきました。本日はどうぞよろしくお願いします。」などの回答をすると良いでしょう。
自己PR編
自己PRは、自分の長所や短所、この会社で活躍できる、ということを面接官に伝えることが重要なポイントです。
ただ単に長所・短所を述べるのではなく、その長所の根拠となるエピソードやどう仕事に活かせるのかを伝えるようにしましょう。
何をPRすれば良いか分からない人は、自分の特性や得意なこと、苦手なことや経験を書き出して客観的にまとめることで自己分析をしてください。
自己分析で行き詰まった際には、第三者に自分の印象などを聞く他社分析もおすすめです。
自己PRでは「私の長所は粘り強く最後までやり抜くことです。前職では、営業としてアポイントが取りにくいお客さまに対し、粘り強くお客さまのための提案をし続け、最終的に、大口の案件として受託することができました。一方で短所は、熱中しすぎてしまい、周囲が見えなくなることがある事です。周囲の声が聞こえなくなることがあるので、今後は一度冷静になり、周囲をみながら仕事を進めて行きたいと考えています。」などと回答すると良いでしょう。
志望動機編
志望動機では「なぜこの会社を選んだのか」、「この会社でなければならないとどれくらい思っているのか」や「自社で長く働いてくれるかどうか」をチェックしています。
したがって、志望動機を聞かれたら、他の企業ではなくこの企業に応募した強い思いを伝えるといいでしょう。
そのために重要なのが企業研究です。会社のホームページを読み込んでおくことはもちろん、求人情報などにも目を通すことで、志望動機との乖離やミスマッチを防ぐことができます。
自分の就職活動の軸と会社の情報を合わせて志望動機の回答例を作ることによって、自分だけの志望動機を魅力的なものとして伝えることができるでしょう。
「前職での経験を生かし、国内外で事業展開している御社でマーケティング業務に携わりたいと思い、志望させていただきました。
私は前職で営業を経験したのちに、マーケティングを担当してまいりました。そして、現場の声を吸収しつつ、日々変化する情勢に臨機応変に対応していました。情勢を把握しながら最善の手を打つのは大変でしたが、過去の事例を参考に日々学びながら売り上げアップに貢献できたと考えております。
今後、国内だけでなく海外市場にも力を入れている御社で力を発揮できればと思います。」などと回答すると良いでしょう。
将来の夢・キャリアプラン編
将来の夢やキャリアプランを聞かれる理由は「自主性やエネルギーを知りたい」ということと「その人の夢が企業で叶えられるかどうか」ということ。
例えば「言われたことのみをする受動的な人間」と「自ら主体的に目標に向かって行動する人間」ではどちらの方が採用したいと考えるでしょうか。おそらくほとんどの人が後者と答えるでしょう。
つまり、企業側は「自分で目標設定をして主体的に取り組む人」が欲しいのです。
ポイントは仕事に関する夢かどうかという点と、その企業だから夢が叶うのかという点です。
具体的かつ現実できる案であるかどうか、そしてその夢に向かって行動を起こしているかどうかに留意しながら答えるようにしましょう。
将来の夢を聞かれた場合、「私の夢はお客さまにとって一番最初に相談される担当者に成長し、会社及びお客さまの発展に貢献することです。貴社の顧客第一主義という理念のもと、顧客を第一に、職務に取り組みたいと思っています。」など、仕事を通じてどう貢献したいか、を伝えられる回答をすると良いでしょう。
働く条件編
働く条件についての質問は、残業や休日出勤、年収に関するもの。
この質問をする意図は、「採用する際の目安にするため」、そして、「応募者の自己評価や価値観を知るため」の2つです。
企業には採用予算というものがあります。優秀な人材であったとしても企業にとって高すぎる希望年収で合った場合には採用が見送りされることも少なくありません。したがって、企業側が最終的に内定を出すかの判断材料として、希望年収について尋ねられるのです。
また、この質問は、業種や経験、スキルなどを客観的に判断し、自信過剰ではないか、過小評価していないかを判断する材料になります。しっかりと自己分析をすることで自分に対する正しい評価をするようにしましょう。
残業や休日出勤ができるかどうかについての質問は、ストレス耐性や仕事への意欲を問うもの。応募者に対して残業や休日出勤の可能性を示唆するものであり、この質問に対しては、必要であれば休日出勤や残業も厭わない姿勢見せることが大切です。
この質問に対しては
「現在の年収は500万円です。私は成果が給料に反映されることにやりがいを感じるため、前職の経験を生かしつつ業務をいち早く覚え早期に成果を出したいと考えています。希望する年収としては、御社の規定に従うつもりですが、現在の年収と同等かそれ以上を希望させていただけますと幸いです。」
「業務や時期の波によって仕事量が変化することは理解しています。今までも時期によって30時間から40時間の残業を経験もしているので抵抗はありません。生産性を前提として必要に応じ残業や休日出勤を行うことは可能です。」
などと回答すると良いでしょう。
逆質問編
面接の質問の中でも最後にあるのが逆質問です。
逆質問の際、「特にありません」や「大丈夫です」と答える人もいますが、これらの回答は避けるようにしましょう。
企業は逆質問によって「意欲」「コミュニケーション能力」「会社に興味があるかどうか」を見るもの。
したがって、会社にどれだけ興味を持っているのか、そして、自分の意見を簡潔に伝えることができる、ということが伝わる回答をすると良いでしょう。
「御社で勤務する方々と協力して業務を行っていければと思っています。現場で重視されていることなどがありましたら、教えて下さい。」「○○の資格を持っていますが、リーダーやマネージャーとして活躍していくために必要なスキルを教えて下さい。」
などが回答例として挙げられます。
役員面接編
最終面接である役員面接は、5年・10年後に活躍してくれる人材かどうか、どのような部署で活躍できるか、自社の方向性と応募者の方向性が一致しているかどうかなどを経営者側の視点から確認するもの。
一次面接や二次面接などをクリアした時点で能力的に問題ないと判断されているため、役員面接では入社意欲がより高い人が選ばれます。
企業に対する理解を深め、一次・二次面接で話した内容とぶれない回答をできるよう、事前準備をしっかりしておくことが大切です。
役員面接では就職活動の状況について聞かれることも有ります。その場合、「現在選考に進んでいるのは3社で、最終選考に進んでいるのが2社、2次選考が1社という状況です。私は人と関わる仕事に関心があるため、全て人の生活に関わる仕事を選んでいます。その中でも御社は特にお客さまを大事にしていると感じているためそのような環境で是非一緒に働かせていただければと考えています。」
などと回答すると良いでしょう。
まとめ
面接でよくある質問について紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
面接では、本記事で紹介した内容以外にも、さまざまな質問がなされます。
予想外の質問に慌ててしまう人も少なくありませんが、なぜこの質問がされたのか、その質問の意図を考え、冷静に答えることが大切です。
(TOP写真提供 = fizkes / Shutterstock.com)
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