多くのファンを魅了するライジンについてご存知ですか?本記事では、ライジンとは何かや、魅力・見どころをご紹介しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
ライジンとは
ライジンは、現在日本の総合格闘技界の先端を行く団体で、2015年に設立されました。その団体が主催する試合を「RIZIN」と言います。
最近では年末にRIZINのビッグカードが組まれることが多く、「大晦日はRIZIN」と、格闘技ファンの楽しみにもなっています。2016年から始まったナンバー大会は、2021年9月にRIZIN.30になり、ますます人気です。
ライジンの正式名称
ライジンの正式名称は、「RIZIN FIGHTING FEDERATION(ライジン・ファイティング・フェデレーション、略称RIZIN、RIZIN FF)」といい、総合格闘技(MMA)とキックボクシングの試合を開催・運営する格闘技団体です。
RIZINの名前の由来
競技会の名であるRIZINは、日本古来から伝わる雷さまと呼ばれる神様「雷神」と、陽が昇る英語表現である「ライジング」の意味が込められています。また、「最終」「究極」という意味を持つアルファベット文字「Z」を入れて、「永遠に昇り続ける、輝き続ける舞台」という目標や意志が込められています。
初期のライジン
この団体の運営トップは榊原伸行という人で、かつての格闘技PRIDEを創設、最盛期から終焉期までを切り盛りしてきた格闘技界の大物です。初期こそPRIDEの企画運営を踏襲していましたが、その後PRIDEでできなかったことの反省等も活かし、PRIDEにはなかった女子選手の試合を開催したり、キックボクシングルールでの試合を行なったり、新たな展開を見せています。
ライジンの3つの基本理念
「完結」「息吹」「未来」を3つの基本理念としています。
「完結」は、キャリアを終えようとする選手たちの最後を飾るにふさわしい舞台となること。
「息吹」は、これからキャリアを始めようとする才能ある若い選手たちの飛躍できる舞台となること。
「未来」は、各国の格闘技プロモーターたちと、それぞれの独自色を尊重しながら、最強を競い合う舞台となることを意味しています。
ライジンの大会運営
ナンバー大会では、毎回MMAとキックボクシングで、男女合わせて10試合程度が組まれています。中には年間グランプリ大会の回戦試合も含まれ、トーナメントの面白さも味わえます。RIZINのホームページでは、試合前にマッチメイク担当者による、詳しい見所説明があり、選手たちの過去の試合運びやストロングポイントなどを知ることで、ライジン初心者でも興味がそそられる仕掛けになっています。
ライジンのルール
ライジンの試合には「総合格闘技(MMA)」と「キックボクシング」の2種類あるため、それぞれのルールがあります。特に、MMAルールは海外の試合ルールに比較して、よりエキサイティングなルールになっています。
1.総合格闘技(RIZIN MMA)ルール
試合時間
試合時間は、10分+5分の変則2ラウンド制か、5分3ラウンド制のどちらかです。女子は5分3ラウンド制です。
勝敗の決定
打撃によるKO・TKO・絞め技などによるタップアウト、またはレフェリーストップで、勝敗が決まります。
試合時間内に決着がつかなければ、3名のジャッジによる優先順位を考慮した総合判定になります。
判定での優先順位
判定の優先順位は、
①相手に与えたダメージ
打撃とグラップリング(投げ技やサブミッションなど)は同じ重みで考え、試合への影響度を評価します。
②アグレッシブネス
積極的かつ攻撃的な行為を評価します。
③ジェネラルシップ
場所、試合のペース、ポジションなどの支配について評価します。
試合で有効な攻撃
パンチ、キック、投げ、関節技、絞め技、および倒れている相手に行うサッカーボールキックや、顔面の踏み付けも認められています。
試合での禁止行為
頭突き、目突き、噛みつき、金的蹴り、後頭部・延髄・脊髄への攻撃およびロープをつかむ行為は禁止されています。
RIZIN MMAでは体重別の階級にはなっておらず、各試合ごとに契約体重を決めています。また、かつては試合中の頭部・顔面への肘攻撃などの危険行為も両者合意があれば認められていましたが、RIZIN.28からは全試合肘攻撃が認められることになりました。ただし、グラウンド(寝ている)状態での頭部への膝蹴りについては、両者の体重差が15キロ以上の場合、実施の選択権は軽い方の選手に与えられます。
試合会場
近代総合格闘技の試合では、ケージと呼ばれる金網をリングに張り巡らす演出が多い中、RIZINではケージは使わないことで視認性を高め、同時にキックボクシングの試合を開催し、競技の幅を広げ、観客の興味を呼び込むなどの運営上の工夫もしています。
2.キックボクシングルール
試合時間
試合時間は、3分3ラウンド制です。
勝敗の決定
1ラウンド中に3回ダウンするとKOとなるスリーノックダウン制です。
KOまたはTKOで勝敗が決着しない場合は、10点法による判定になります。
10点法では、ダウンは2点減点、相手に優位に攻められると1点減点され、点数が多い方が勝ちとなります。
有効な打撃
打撃のみです。また、片手で瞬間的に相手をつかむ、膝蹴りや首をつかんでの攻撃は1回限りで認められます。
禁止行為
肘での攻撃や、投げ、絞め技は認められていません。
ライジンの魅力と見どころ
ここからは、ライジンの魅力と見どころをご紹介します。
①異種目格闘技
総合格闘技の一番の魅力は、違う格闘種目の選手同士の戦いです。選手得意の技に持ち込めるか、有利に試合を進められるかが勝利の鍵となります。
②エキサイティングなルール設定
ライジンのルールは、他国のMMAルールよりも禁止行為が緩く、判定になる場合も、有利な手数が多かったかどうかが優先されますので、試合中エキサイティングな攻撃が観られます。
③お気に入りの選手を見つけ、追いかける楽しみ
ライジンでは多くのカードが組まれますので、その中からご自分のお気に入りの選手を見つけ、追いかける楽しみがあります。
④ベテラン選手同士の戦い
ベテラン選手同士の戦いでは、各選手がそれまで歩んできたストーリーを知ることで、試合応援にも熱が入ります。
⑤サプライズがあるカード設定
大晦日のライジンには、格闘技ファンにはたまらない好カードが用意されます。
RIZINのスター選手の1人である那須川天心選手は、極真空手からキックボクシングに転向し「神童」「キックボクシング史上最高の天才」と呼ばれています。一方で、空手からキックボクシングでキャリアを積んだ武尊選手はK-1でのスター選手です。これら2人が顔を合わせることはファンとしてはワクワクする夢のカードです。団体の枠を越えるライジンでは、近い将来に観られそうで楽しみです。
まとめ
ライジンに興味のある方やこれから応援したい方向けに、ライジンとは何かから、ライジンのルール、ライジンの魅力や見どころまでをご紹介しました。
格闘技は世界でも多くの熱烈なファンを持つ興行のひとつです。武器を使わず素手で闘う種目であるほど、人間の闘争心という本質的な部分が現れ、観ている者も興奮するものです。
総合格闘技の先端を走るライジンを中心に、総合格闘技の今後の展開に注目していきましょう。
(TOP写真提供 = Jonathan Tomas / Unsplash.com)
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