サッカーの試合の観戦をしていると、たまに選手が見たことのないシュートをしたり、聞いたことのないシュートの名前を解説者が言ったりすることがありますよね。
サッカーにおいてシュートの種類は豊富で、なかにはあまり目にする機会がないプレーもあります。本記事では、サッカーのシュートの種類や練習法などを解説します。
サッカーシュートの種類
シュートとは、得点することを目的にゴール内へ向かってボールを蹴ること。基本的には下半身(脚)でボールを蹴ることですが、頭でボールを打った場合もシュートとなり、反則となる手・腕以外の部位を使った場合でもシュートになります。
ここでは、11種類のシュートついて解説します。
まずは、ボールを打つ距離によって名称がついているものを紹介します。
ミドルシュート
ゴールまでの距離がおよそ17~30メートルのペナルティエリアの外やライン上付近から打ちます。それほど難易度は高くありませんが、使用頻度も高く、スピードとコントロールを求められるシュートです。
ロングシュート
ロングシュートは、ゴールから30メートル以上離れたペナルティエリアの遥か外から打ちます。長距離から打つシュートであるため、シュートが決まる確率はそれほど高くはありませんが、決まれば試合の局面を変えることができます。
次の4つは、シュートを打った後の弾道で名称がついているものです。
ループシュート
前に飛び出してくるゴールキーパーの頭上を越すように弾道が山なりの放物線を描きます。直線的ではなく、ゆっくりとした山なりの弾道が特徴的です。
ドライブシュート
ボールに激しい縦回転をかけることで、上方向に向かっていたボールの弾道がゴール手前で下に落ちてきます。基本的に、サッカーにおいて縦回転はかけにくいため、難度が高いシュートです。
無回転シュート
別名ナックルシュートとも呼ばれています。野球のナックルボールのように、ボールに回転をかけずに蹴ることで、空気抵抗を受けやすくボールの弾道を不規則に変化させることができます。
グラウンダーシュート
地面すれすれにボールを浮かせず、地面を転がせます。それほど難易度が高くないシュートで初心者でも簡単に打てますが、ボールを変則的にバウンドさせると相手を翻弄するのに有効なことから、プロの試合でも使われています。
最後に紹介するのは、蹴り方で名称がついているシュートです。
ダイレクトシュート
パスやこぼれ球をトラップせずにそのまま(ダイレクト)に打ちます。トラップをしないため難易度が高いですが、高威力のシュートが打てることに加えて、相手キーパーが予測しづらいシュートが打てます。
ボレーシュート
空中に浮いているままボールを蹴ります。一旦体全体を浮かせるため難易度は上がります。
オーバーヘッドシュート
別名バイシクルシュートとも呼ばれています。ボレーシュートの種類の1つで、宙に浮いたボールを蹴るのですが、その際ゴールに背を向け、後ろに倒れる勢いで上げた足で打ちます。決まればカッコよいシュートですが、高い身体能力を必要とし怪我の恐れもある危険なシュートの1つです。
スコーピオンシュート
体を前方に投げ出した状態でボールを踵で蹴ります。シュートを打つ姿がサソリの尻尾でボールを蹴り込むように見えることから、スコーピオン(サソリ)シュートと呼ばれています。かなり難易度の高いシュートで、プロでもこのシュートをする選手はほとんどいません。
スライディングシュート
足と地面を平行に滑らせ横になった状態でボールを取りにいくためのディフェンスです。そのスライディングをしながら蹴るのがスライディングシュートです。
シュートのコツ
ここでは、前章で紹介したシュートを上手に蹴るためのコツを解説します。
ミドルシュートを打つコツ
スピードとコントロールが求められるミドルシュートを打つコツは、下記のとおりです。
- 足の振りをコンパクトに早くする
- コースを狙って打つ
全力で思いっきり蹴ったボールで、コントロールを付けられるように練習を繰り返すとよいでしょう。
ロングシュートを打つコツ
飛距離が必要なロングシュートを打つためには、ボールを足に正確に当てる技術だけではなく強い脚力が必要です。以下がロングシュートを打つ際のコツです。
- 相手ゴールキーパーの位置をよく見る
- 相手がシュートを警戒していない状況でシュートを打つ
ループシュートを打つコツ
弾道を山なりにするために、ボールを真下からすくい上げるように蹴るのがループシュートを打つコツです。
- 相手ゴールキーパーの位置と距離をよく見る
- しっかり軸足に重心を置く
上記2点を意識すると、ループシュートが決まりやすくなります。
ドライブシュートを打つコツ
縦回転をかけるために、足の甲(インステップキック)でボールを後方下部から前方へ脚を振り抜くように蹴り上げるのがコツです。
インパクトの瞬間に少し足首を押し出すようにするとよいでしょう。また、強いキックを蹴るためには、しっかりと踏み込むこともがポイントです。
無回転シュートを打つコツ
無回転シュートは距離が長いほど変化量は大きくなるため、ある程度離れた距離から打つのがコツです。
- 足のインサイドかインステップで蹴る
- ボールの芯を捉える
- ボールを蹴る瞬間のインパクトを強く速くしてボールに強い力を伝える
ボールに回転をかけないように意識することがポイントです。
グラウンダーシュートを打つコツ
グラウンダーシュートを打つコツとして、下記の3つが挙げられます。
- ボールの中心か、もしくは少し上を蹴る
- 体は倒さず蹴る足をボールに対して足を縦向きで入れる
- インパクトの際に足首にしっかり力を入れる
シュートする足とは反対方向に態勢を斜めにしながら蹴ることがポイントです。
ダイレクトシュートを打つコツ
ダイレクトシュートは、足のボールに当てる部分を面として意識して、確実にミートすることがコツです。
そのため、動いているボールに対して、どこに軸足を置けばうまく蹴ることが出来るのか、ボールと軸足との距離感を掴む練習をするよいでしょう。また、蹴り抜かなくても威力のあるシュートが打てるので、最初は足をボールに当てることに集中して蹴ることがポイントです。
ボレーシュートを打つコツ
ボレーシュートを打つコツとしては、下記の3つが挙げられます。
- 軸足と体を斜めに倒して蹴る足の高さを調節する
- 膝下をコンパクトに振る
- 蹴る最後までボールを見る
足を目線の高さまで上げることもあるため、危険行為(反則)としてみられないよう周囲に注意して蹴ることがポイントです。
オーバーヘッドシュートを打つコツ
オーバーヘッドシュートは、ジャンプをするタイミングが非常に重要です。その理由は、タイミングを間違えると空振りしたり、当たったとしてもボールの側面を蹴ったりしてしまうため。自分の頭を超える直前ではなく、少し早めのタイミングでジャンプすることがコツです。
また、体を地面と水平に保ち、頭を持ち上げてボールを見るようにすることも上手くできるためのポイントです。
スライディングシュートを打つコツ
スライディングシュートのコツは、下記のとおりです。
- 体勢を低くする
- 太ももが先に地面につくイメージでスライディングする
- ゴールとゴールキーパーの位置をよく確認する
そもそもスライディングは怪我のリスクが高いです。そのため、スライディングシュートをする際は、相手の位置をよく確認して怪我のリスクを抑えるように注意しなければなりません。
シュートの練習方法
シュートが上手くなりたいのなら、とにかく反復して練習をすること。失敗してもよいので、何度もシュートを打ち、狙ったコースにボールが飛ぶように練習を繰り返しましょう。
シュートを練習する際のポイントは下記の3つです。
- ボールの置き所を考えながら練習する
- シュートの練習は動きながらする
- 状況を想定し、どのシュートが適しているかを考えながら練習する
シュートをすぐに打てる位置、ブロックされない位置、ブロックされた時にパスに切り替えられる位置をそれぞれ変えながら練習することもポイントの1つ。
サッカーでは、セットプレー時以外は、試合中に動きを止めてボールを蹴ることはありませんので、動きながらシュートをする練習をおすすめします。状況に応じて適したシュートが使い分けられると、試合での得点率も上がります。
まとめ
使えるシュートが増えれば、それだけ戦略の幅が広がりますので、今回紹介したサッカーのシュートの種類や打つコツを、ぜひ参考にしてください。数多くの種類のシュートを身につければ、どんな状況でもゴールを奪える選手になることができます。
(TOP写真提供 = Jeffrey F Lin / Unsplash.com)
《参考記事一覧》
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