2019年には310億円だった市場規模が、2025年には1,547億円を超えると予想されるなど、拡大が進むスポーツテックの市場規模。
「する」「観る」「支える」「創る」の4つの観点でさまざまな商品・サービスの開発が進められています。
本記事では、スポーツテックとは何か、そして、その市場規模が拡大する要因は何か、分かりやすく解説します。 ぜひ参考にしてください。
スポーツテックとは
スポーツテックとは、スポーツとテクノロジーを組み合わせた造語で、IT(情報技術・デジタル技術)や仮想現実(VR)、拡張現実(AR)や人工知能(AI)などのテクノロジーをスポーツに組み合わせ、スポーツに新たな付加価値を生み出したり、新たなビジネスに発展させたりする、というもの。
試合の実況中継配信ができるライブストリーミングプラットフォームや、アスリートが運動に適した状態か否かを測定できる端末を付けることでリアルタイムに体調を管理できるサービスなどがその例として挙げられます。
急成長が予想されるスポーツテックの市場規模。その2つの要因とは
スポーツ庁が平成30年3月に発表したスポーツ関連新事業創出支援事業報告によると、2015年には5.5兆円だったスポーツの市場規模を20205年には15.2兆円に引き上げるとしています。
そのうち、IoTの活用・導入は2025年に1.1兆円と試算。
つまり、2019年には310億円だったスポーツテックの市場規模も急成長が予想されているといえるでしょう。
その要因として挙げられるのが
- 5Gを活用したサービスの開始
- IoTを活用した商品・サービスの提供
です。
5Gを活用したサービス
2020年3月から、ついに5Gの商用利用がスタートしました。
5Gは、大容量のデータでも高速に通信することができることから、5Gの普及が進めば、より高精細な映像でスポーツの動画配信を楽しむことができるようになると注目されています。
IoTによるサービス
IoTとは「Internet of Things」の略で、インターネットを活用してモノをコントールする仕組みのこと。
スポーツではデータの有効性が注目されていますが、IoTによるサービスを活用することでリアルタイムのデータ記録や、アスリートの最適なパフォーマンスの支援が可能となります。
4つの観点に分けられるスポーツテックの市場規模
従来、スポーツ分野の市場は
- する
- 観る
- 支える
の3つに分けられていました。しかし、これに「創る」が新たに追加され、現代では4つの観点に分けられます。
それぞれの要因について、1つずつ見ていきましょう。
「する」とは、プロやアマチュア・性別・年齢を問わず、誰もがスポーツを楽しむことができるようにするためのテクノロジーや取り組みのこと。最新テクノロジーの導入したトレーニング方法の開発や、新たなスポーツ用品の開発などがこれにあたります。
次に、「観る」とはスポーツを観戦すること。最新のテクノロジーを活用して、スポーツを観戦する環境をより快適な状態にすることや、IT(情報技術・デジタル技術)や仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、人工知能(AI)といったテクノロジーでスポーツ観戦をより身近なものにすることが挙げられます。ちなみに、IoTによるサービスを導入した「スマートスタジアム」も「観る」に含まれます。
そして、「支える」は、実際に競技をするプレイヤーやアスリート個人、チーム・団体のパフォーマンスを最新のテクノロジーを活用して上昇・最大化させる取り組みのこと。プレイヤーのパフォーマンスを向上させるためのサービス、トレーニングサポートのための新たな用品開発や観客のための環境整備などがこれにあたります。
最後に、「創る」は、従来の定義を超えた新たなスポーツの楽しみ方を最新テクノロジーで創り出すこと。ARやVRによって、実際の年齢や身体能力に関係なく、エンターテインメント性の高い体験が可能となることが期待されています。
まとめ
5Gの普及やIoTの活用によって、成長・拡大が進むスポーツテックの市場規模。
年齢や身体能力に関係なくスポーツを楽しんだり、VRやAR、IT技術の活用によってスポーツ観戦がより身近なものとなる取り組みが進められています。
今後の動向に注目が集まります。
(TOP写真提供 = metamorworks / Shutterstock.com)
《参考記事一覧》
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