バレーボールの国内リーグであるVリーグ。
新型コロナウイルスなどの暗い話題の中でスポーツ観戦は明るい気持ちにさせてくれるものであり、Vリーグの開幕を待ち遠しく感じているバレーボールファンの方も多いことでしょう。
本稿では、Vリーグの概要や歴史、2020-21年のシーズンの観戦の方法まで幅広く紹介します。
V リーグとは
Vリーグとは、1994年にスタートしたバレーボールリーグのこと。
長く続いていた日本リーグを発展させるリーグとして誕生しました。
日本リーグとVリーグの違いは「意識の違い」。
「ファンやメディアへのサービスを充実させることはもちろん、技術の向上による緊迫感ある試合をし、アナウンスなどの会場サービスにも気を配るといったサービス精神を貫く」という意識を浸透させるための改革でした。
このVリーグ発足は、バレーボールのプロ事業化を目指したものであり、「組織」「選手」「運営」のプロフェッショナル化を3本柱としていました。
挫折とプロチーム誕生
1994年にバレーボールのプロ事業化を目指して開幕したVリーグでしたが、バブルの崩壊とともに困難を極めます。
それに伴い、多くのチームが休部や廃部に追い込まれました。
何度も優勝した日立やユニチカなどのチームも無くなりましたが、「組織」「運営」「選手」のプロフェッショナ化が少しずつ進む中で、岡山シーガルズ、堺ブレイザーズ、東京ヴェルディ、FC東京などのチームが次々と発足していきます。
そして、専任の部長やゼネラルマネージャーをおくチームや、個人事業主として契約するプロ選手も増えています。
新Vリーグ
2018-2019シーズンから、V1、V2、V3リーグの3つのリーグで構成される新生V.LEAGUEが正式に発足しました。
V.LEAGUEは、「スポーツで稼ぎ、収益をスポーツに還元する」という「スポーツビジネス化」を推進しています。
V.LEAGUEのV1、V2、V3、それぞれのリーグの特徴について紹介していきます。
V1リーグ
V1リーグにはV1ライセンスを保有する男子10チーム、女子12チームが所属しています。
男女ともに平均3000人収容できるホームグラウンドを所持し、レギュラーラウンドとファイナルラウンドで試合を開催。
男子最大36試合、女子最大32試合の試合の開催権や運営権はチームが持ち、一定数のホームゲーム実施が義務化されています。
V2リーグ
V2リーグはV1リーグを目指すチームが集まったリーグです。
男女ともに平均1500人収容可能なホームを所持し、試合形式はレギュラーラウンドとファイナルラウンド、V1との入れ替え戦となっています。
V3リーグ
V3リーグは、地域に密着して底辺拡大を担うリーグです。
ホームゲームで平均750人ほど収容できることが条件で、現在、男子リーグのみが実施されています。
V2リーグとの入れ替え戦はなく、V2リーグ参加ライセンスを取得しVリーグ機構理事会の承認によって昇格できます。
20-21シーズンは10月開幕
2020年7月1日、Vリーグ機構が2020-2021シーズンの開催要項を発表しました。
その内容は、男女ともに10月17日に開幕、男子1部は10チームによる4回の総当たり戦と上位3チームのファイナルラウンドで優勝決定戦を、そして、女子1部は12チームによる2回の総当たり戦後、順位決定戦を実施する、というもの。
さらに、リーグ戦後にはオリンピック代表以外の選手によるカップ戦を開催するとされています。
来年のオリンピック開催に伴って、短縮日程となっており、新型コロナウイルス対策として入場者数を50%に制限すること、無観客でのリモートマッチでも試合を行うことなどが決定しています。
全試合見るならDAZNとV.TVへの加入を
10月からの開催が決まった2020-2021シーズン。
開催される試合を見たいと思う方は多いと思いますが、新型コロナウイルス対策のために無観客試合の実施が検討されているなか、見たい試合を見られない、ということも起こります。
そこでおすすめなのがDAZNやV.TV(VLEAGUE・TV)です。
それぞれのプラットフォームについて、簡単に紹介します。
DAZN
DAZNは、スポーツ配信最大手の会社です。
野球、サッカーなどバレーボール以外にも多くのスポーツを配信しているDAZNでは、2020-21のVリーグの試合も中継予定です。
ただし、2018-19では6割しか放送されておらず、すべての試合を見られるというわけではありません。
価格は月額1750円。ドコモ利用者であれば980円で利用することができます。
バレー以外のスポーツも楽しめるので、いろんなスポーツを見たいという方におすすめです。
VLEAGUE・TV
VLEAGUE・TVはバレーボール専門の動画配信サービスです。
月額819円でV1、V2、V3の全試合を配信していますが、V1の試合のうち、DAZN放送分は30日後にオンデマンド視聴できるようになっています。
また、V2とV3については、ライブ配信は数試合、残りの試合は開催後5日後に公開されるなど、ライブ配信数は限られています。
2014年の試合まで遡って見ることができるなど、過去の試合配信も充実。
オフシーズンのコンテンツも充実していることから、バレーボールファンにとってはたまらないプラットホームといえるでしょう。
料金形態は男子の試合を見放題なメンズプラン、女子の試合を見られるウーマンズプランなどがあり、好きなチームに絞って観戦することも可能です。
Vリーグにおけるスポーツビジネス
バレーボールの国内リーグは、プロと実業団の間で揺れてきました。
しかし、現在は完全なプロ化を目指し、ビジネスとしての側面も強くなっています。
バレーボールとビジネス
Vリーグの構造改革には、「バレーボールのビジネス化」という理念があります。
具体的には、「スポーツで利益を出し、スポーツに還元する」「ニーズに答えるサービス提供」「地域貢献できる活動・体制の整備」などによってバレーボールの事業化を図っています。
また、チームが開催権を持つことにより、ファンの育成やファンを魅了する環境を構築し、発展していくことが期待されます。
まとめ
バレーボールをプロスポーツ化するために発足したVリーグ。
発足当初は課題も多く足並みも揃っていませんでしたが、現在は少しずつプロスポーツとしての立ち位置を確立しようとしています。
また、ネット配信にも力を入れ、独自のサービスであるVLEAGUE・TVを発足させるなど、時代に合わせたサービス提供にも力を入れています。
プロスポーツとしての階段を少しずつ登っていくVリーグ。
新型コロナウイルスの拡大で試合開催の要件等が制限される中、はつらつとプレーする選手たちをDAZNやVTVで見るのが楽しみです。
(TOP 写真提供 = Eugene Onischenko / Shutterstock.com )
《参考記事一覧》
Vリーグの概要|Vリーグについて|バレーボール Vリーグ コーポレートサイト
Vリーグ機構が2020-21シーズンの要綱を発表 | 月バレ.COM
2020.07.03 | NEWS | バレーボール Vリーグ オフィシャルサイト
Vリーグ、男女とも10月開幕 日程の短縮を発表 - バレーボール : 日刊スポーツ
【バレーボール】20-21シーズンのVリーグは10月17日開幕
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